過去の蔵出しシリーズの2回目は、約1年3ヶ月前の2018年12月末に訪れた長野県は松本市にある旧開智学校を紹介する。この日のメインの目的地は松本城だったのだが、そのすぐ近くにあるということでついでに見に行ってきたのだ。しかし松本城だけで盛り上がってしまい、結局これまで記事にはしていなかった。
2019年は日本100名城巡りを始めてから4年目に突入します。昨年は12月になって長崎と佐賀で一&# 現存12天守の中でも特に古くて大きくて美しい松本城を見に行く - 酔人日月抄 |
松本城は現存天守12城の一つであり「The城」と言っても良いくらい分かりやすく、誰もが納得する「The 国宝」なわけだが、そこからわずか徒歩15分ほどの場所に、まったく時代も目的も異なるもう一つの国宝建築物があるのだ。せっかくだからこの二つは是非セットで巡るべき観光地だと思う。
旧開智学校とは… と解説したいところだが、結局Wikipediaをコピペすることになりそうだ。だったら素直にWikipediaのリンクを張っておく。
その後保存のために移築され、しかも現存するのは元々の建物の一部だけだそうだ。それでもよく国宝になれたものだ(悪い意味で言ってるわけではない)。
内部もちゃんと公開されており見学することができる。むしろこの手の建物は中の方がずっと面白い。
窓にちょっとしたステンドグラスがはめ込まれていたり、扉にはしっかりと彫刻が彫り込まれていたりして、小学校にしてはとても凝った建物だ。かなり本気で作ったのだろう。
階段もいちいち味わいがある。外装の印象に負けず劣らず、内装を見ても何となくキリスト教系の私学校か?という気がしてくるのだが、歴とした公立小学校だったのだ。
教室はとても狭い。机も椅子もとても小さい。それは自分が大人になったから、と言うだけではない気がする。少なくとも教室は現代というか、自分が知っている時代の小学校よりはかなり狭い。いろいろな理由で当時は少人数クラスだったのだろう。
しかし、明治から大正期にかけての教育と言えば今とはかなり違っている。昭和に入ってからは特におかしなことになってしまったことが、これらの展示内容からも分かる。しかし、これも実際に起きた小学校の歴史の一部だ。
懐かしさを感じる学校の風景もあった。サイズはちょっと小さいけど、この黒板も古いものなのだろうか。
訪れた日は年末の12月27日だった。ちゃんと黒板に書かれた日付もそれに合わせてある。左にかかってるのは明治25年12月27日の日誌に書かれていたことだそうだ。通知簿を渡し、休業中の心得を話したと言うことは、ちょうど終業式の日だったようだ。
年末とは言え、まだ平日だったためとても空いていた。写真に誰も写ってないのは本当にガラガラだったからだ。
じっくり内部を見学した後、外に出て再度建物を眺める。洋風な壁や窓、玄関や六角形の塔に対し、唐破風と瓦屋根は明らかに日本式の建築様式で、それらがごちゃ混ぜになっていることに気付く。本当に面白い建物だ。
一般的に世界遺産に登録されると報道も盛り上がって混雑する観光地は多いが、国宝になったことはあまり大々的にニュースにはならず、知る人ぞ知るだけだ。だから今でもあまり変わってないのではないかと予想する。あるいは、国宝になったことで保存方針が変わって、展示物や公開される内容が変化しているかも知れない。
松本城から北に徒歩15分くらいの場所にある。ちょうど現開智小学校の裏だ。路線バスのバス停もあるようだし、数台ながら駐車場もあった。しかし山坂ではなく平地なので松本城からちょうど良い散歩コースだ。松本城を訪れたら、是非もう一つの国宝、旧開智学校も訪れることをオススメする。