サイトアイコン 酔人日月抄外伝

東京下町の住宅街にあるビオトープで野鳥撮影に挑戦してみる

アオサギ

 野鳥の写真を撮ってきた。と言っても、もちろんガチなやつではない。

 野鳥撮影と言えば昔から難易度の高いジャンルの一つだったが、デジタルカメラの進歩とともに少しハードルが下がってきたようにも思う。さらに、特に人里離れた山奥に行かなくても、普通に日常暮らしている街中にも鳥は飛んでいることに気がつく。昔からそうだったのかどうかは覚えていないが、東京にもカラスやドバト以外の鳥はいるのだ。

 幸いにも我が地元には、運河跡を利用した親水公園の中に、人工的に造られた野鳥のためのビオトープがある。周囲をマンションに囲まれているのだが、その小さな無人島だけは野生に溢れている。ずっと知ってはいたのだが、望遠レンズを持って写真を撮りに行くのは初めてだ。

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/800sec, IS400, -0.3EV
 アオサギの親子。そうか、春は繁殖期か。幼鳥もすっかり立派に育っているが、生まれたのはほんの1月前とのことだ。巣立ちもあっという間なのだろう。
 

PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/400sec, ISO100, -1.0EV
 アオサギは都内でもちょっとした緑と水場があれば、あちこちで姿を見ることができる野鳥の筆頭といってもいいかもしれない。マニアな人は見飽きていてシャッターを切ることはないそうだ。だが初心者には大きくて見栄えがして、動きもゆっくりしていてとても良い被写体になてくれる。
 

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(380mm), f5.6, 1/250sec, ISO400, -0.7EV
 カワウも沢山いる。日なたではこうして羽を広げてじっと日光浴している姿が見られた。羽を乾かしているのだろうか。水に潜って漁をするために必要なことらしい。
 

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/400sec, ISO400, -0.3EV
 真っ黒な身体と水かきのある足、黄色い頬とブルーの目が特徴的だ。アオサギほどではないが、ウミウととも東京の水辺では時々見る鳥だ。
 

PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(410mm), f5.6, 1/400sec, ISO100, -2.0EV
 そしてコサギ。一転して真っ白な身体に赤い顔、ピンと伸びたアホ毛… じゃなくて何だろう? とにかくこれもまたこのビオトープで営巣していて、撮りやすい野鳥だ。
 

PENTAX K-3 III, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f4.5, 1/800sec, ISO200, 0EV
 水辺で2羽のコサギがバタバタと暴れていた。昼間からあらやだ!と思ったのだが、どうやらただの喧嘩だったらしい。
 

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(330mm), f8.0, 1/400sec, ISO500, -1.0EV
 アオサギとコサギに紛れているが、ゴイサギも少ないながらこの島にはいる。これはゴイサギの幼鳥と思われる。水面をじっと睨み、漁の練習をしているようだ。
 

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(300mm), f4.5, 1/800sec, ISO200, -1.0EV
 カルガモの親子もいた。カルガモと言えばもっとたくさん子供を連れているイメージがあるがどうなのだろうか? もしかしたら他の子は死んでしまったのかも知れない。都会の中とは言え天敵もいる。アオサギなどは子ガモを食べてしまうことがあるらしい。

 そんな気配を感じたのか、この親ガモが近くにいたアオサギを威嚇して追い払ったりしていた。だったらこんなサギだらけのところに来なければ良いのに… というわけにもいかないのだろう。この小さな島にはたしかに野生が息づいている。
 

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(410mm), f8.0, 1/400sec, ISO2500, +0.3EV
 サギやウのような大形の鳥だけでなく、小鳥たちもいるようだが、目が慣れていないせいかほとんど見つけることは出来なかった。そんな中でもこれまた都会ではおなじみのヒヨドリはその声ですぐに分かる。
 

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/500sec, ISO500, 0EV
 梅や桜を食いちぎるし、スズメやメジロなどに意地悪してる姿ばかり見ていたせいか、あまり好きな鳥ではなかったが、サギたちの中にいると可愛らしい。
 

 さて、ここまでは静止した鳥の姿ばかり撮ってきたが、やはり飛行している姿も撮りたい。ただ、飛行機と違って、いつどこにやってくるのか分からないので結構苦労した。

PENTAX K-3 III, DA*300mmF4 ED [IF] SDM, f4.5, 1/3200sec, ISO200, -1.0EV
 アオサギが目の前を飛んでいく。このビオトープの特徴は観察エリアから鳥たちまでの距離が近いことだ。アオサギのような大きな鳥はAPS-Cに300mmレンズで画面からはみ出しそうになるくらいの距離を飛んでいく。

 K-3 Mark IIIのオートフォーカスを信じて、とにかく飛行コースを読んで、全身をフレームに収めることだけに集中して連写すればなんとかなる。
 

PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(200mm), f5.6, 1/320sec, ISO400, -0.3EV
 コサギの流し撮り… というほどのシャッター速度ではないがそういうのもアリだなと思った。もう少し慣れてからまた挑戦しようと思う。
 


 横十間川と仙台堀川の交差するところにこのビオトープはある。なお大人気のカワセミもここに現れることがあるそうだが、今年はどうも姿を見ないらしい。さすがに環境が厳しいのかも知れないし、一方でヘビなどの天敵も多いと聞く。なるほど… いずれにしても、またそのうち現れることを期待したい。


 
モバイルバージョンを終了