飛鳥時代に築かれた古代の謎多き城「大野城」の廃墟感を楽しむ

 ピカピカのA350に乗って福岡に行ったわけだが、とんぼ返りはせず6時間くらい現地滞在することにしたので、レンタカーに乗って少し観光してきた。

 目当てはやはり100名城だ。福岡城はすでに今年2月にすでに行ってスタンプは入手済みなので、今回は福岡市の南に隣接する大野城市へ行くことにした。その地名が表す通り「大野城」という城跡があるのだ。

 地名にもなってるくらいだからさぞ立派な城跡かと思えばそんなことはない。四王寺山に広がる大野城跡は全長8kmに及ぶ土塁に囲まれ、遺構の多くはは土に還りかけ、しっかりした装備がないと歩けない山道周辺に点在しているのだ。

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 この大野城はおよそ1300年前の飛鳥時代に太宰府政庁の防御のために、恐らく百済からやってきた人達の技術によって造られた朝鮮式の城であり、100名城の中でも異色の城跡だ。

 そんな大野城の以降の中でも 一番分かりやすく規模が大きく、アクセスしやすいのがこの百間石垣だ。超格好イイ。

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 小さな石積みによってなだらかな局面を描くこの石垣は、戦国時代前後に立てられた日本式の城のそれとは明らかに違う。櫓や長屋の基礎として造られたのではなく、万里の長城のような壁として積まれたものと言われている。

 急な斜面を登っていくと石垣に近づくことができる。森と草に埋もれつつあるが、1300年の時の風雨を経てなお崩れ落ちることなく、しっかりと形を保っているこの石垣が、いかに高度な技術で建築されたかが分かる。

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 しかし大野城跡の一番の特徴は石垣ではなく、周囲をぐるっと取り囲んでいる土塁だ。土塁の上はずっと歩道というかハイキングコースになっているらしい。焼米ヶ原の駐車場からならお手軽に見ることができる。

 土塁はあきらかに人工物と分かるし、しかし一方で自然と同化しつつある。その風景はいかにも古城な雰囲気があってとても良い。まさに兵どもが夢の跡… だ。

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 焼米ヶ原のすぐそばにある太宰府口城門跡だ。これもすっかり風化して、ただ土を盛っただけのように見えるが、一応石積みになっている。そしてちゃんとした門があったことを覗わせる穴が開いた礎石まで残っている。

 この奥まで続く切り通しはまさに城の正面玄関だったようだ。背後はすぐ太宰府がある。大野城が太宰府を守るために造られたとするなら、この城門はとても重要だったはずだ。そんな1000年以上の時の流れを感じられるこの廃墟を、誰もいなくて独り占めすることが出来た。

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 何でもない荒れ果てた草むらのようだが、石が等間隔で並んでいる。これらは建物があったことを示す礎石だ。これもまた放置されているようでいて、とても雰囲気が良い。周囲には何の看板もなくこれらの礎石跡を見つけるのに少し苦労した。

 こういった建物跡は大野城跡全体に広がっているそうだ。一体どんな建物が建っていたのだろうか?

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 ということで、見所があまりないかと思っていた大野城だが、変に復元されたり整備されておらず、廃墟感に溢れていてとても良いところだった。これが1300年以上前の遺構であるというところが特に良い。唐をはじめ新羅や百済、そして当時の日本と太宰府をめぐる歴史をちゃんと知らなくては、と思う。

 ちなみにこれで100名城スタンプは41個になった。そしていつの間にか福岡、佐賀、長崎を制覇したことになる。関東でさえまだ終わってないのに!

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 大野城を楽しんでから、帰りの飛行機までまだまだ時間があったので、せっかくだから太宰府天満宮に寄ってみた。ここは菅原道真公を祀った、全国の「天満宮」の総本社だ。

 つまり、我が地元の亀戸天満宮もこの太宰府天満宮の分社ということになる。この参道を歩いてみると特にそれを実感する。亀戸天満宮の境内に広がる太鼓橋や池の造りは、この太宰府天満宮の縮小コピーなのだと。

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 もう受験とか勉強とかそういうこととは縁遠い生活を送るようになって久しいものの、頭が良くなりますようにと、お参りをしてきた。

 いや、本当のことを言うと「学校(会社)を退学(クビ)になりませんように。無事に卒業(定年退職)できますように」と、お願いしてきたけど、道真公はそこまで面倒見てくれるかどうかは分からない。
 

 なお、今回はGR3にワイドコンバーターを付けて撮った写真が多いが、設定を間違えて35mmクロップのまま使ってしまった。差し引きすると約26mm相当という大変中途半端な画角になっている。何となく「思ったより狭いな」とは思っていたものの、最後まで気付かなかった自分にガッカリしている…。

2019-09-22|タグ: , , , , ,
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