【F1日本GP 2019】台風一過で快晴&強風のワンデーグランプリ

2019-10-21

 東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号は、鈴鹿サーキット周辺には特に爪痕を残すことなく、土曜日のうちに去って行った。

 明けて日曜日は朝から快晴で気温もそれほど高くなく、とても気持ちの良い一日となった。風は強かったがレースに影響が出るほどではなく、予定通り午前中に予選、午後には決勝が行われることになった。

 予選が日曜日に順延され、予選と決勝が同日開催されたのは2010年以来のことだが、実際やってみると、見る側としては最初からこれで良いのではないか?という気がしてくる。

ピエール・ガスリー / トロロッソ Nikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (420mm), f13, 1/100sec, ISO100, 0EV
 さて、まずは午前10時から始まった予選は、Cスタンド端っこのS字コーナーに行ってみた。シーズン半ばにレッドブルから降格させられてしまったガスリーだが、トロロッソとは相性が良くやっぱり速い。この予選でも見事Q3まで進んだ

 コーナリング中にフロアに取り付けられたスキッドプレートが路面に接触して火花が上がる。しかもトロロッソとレッドブルのマシンは火花の量が格段に多い。超格好イイ。ついでにリアウィングの端っこから少しヴェイパーも出ていたりする。
 
セバスチャン・ベッテル / フェラーリNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (440mm), f13, 1/100sec, ISO100, 0EV
 Q1ではクピサとマグヌッセンが最終コーナーで相次いでクラッシュし、波乱の幕開けとなったが、その後は落ち着いて進行し、最後はベッテルがコースレコードを塗り替える圧倒的なスーパーラップを叩き出し、ポールポジションを獲得した。

 世界中のあらゆるコースの中で鈴鹿が一番好きだと公言するベッテルならではの素晴らしいラップだった。
 

ルイス・ハミルトン / メルセデスNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (350mm), f14, 1/80sec, ISO100, 0EV
 メルセデスは予選でフェラーリに完敗してしまった。特にハミルトンはボッタスにも負けて4番グリッドとなってしまった。台風の最中に「土曜が休みなら東京に行きたい」と言って物議を醸していたが、チャンピオンがほぼ確定してやる気が落ちてるのかも知れない。

 レースではどうなるだろう? メルセデスは絶対に何か仕掛けてくるに違いない。
 

キミ・ライコネン / ドライバーズパレード アルボン / ドライバーズパレード

 予選が終わって1時間ほどしてからドライバーズパレードが行われた。鈴鹿恒例のクラシックカーによるパレードだが、毎年何台かトラブルで止まってしまう。その結果こうして1台に2人のドライバーが同乗するというシーンがみられる。

 今回はボッタスの乗るメルセデスが逆バンクで止まってしまい、ライコネンのアルファロメオに同乗する光景が見られた。さらに、アルボンのホンダも止まってしまったようで、フェルスタッペン用のS800に一緒に乗ってきた。
 

スタート直後の2コーナーNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (200mm), f5.6, 1/1000sec, ISO200, 0EV
 そして午後2時10分。決勝レースが予定通りスタートした。観戦場所は例年通り、逆バンクとダンロップコーナーの間にあるEスタンド頂上部だ。東コースのほとんどが見通せるので、1〜2コーナーに殺到してきたマシン達を遠くに見ることができる。だからルクレールがフェルスタッペンを押し出したシーンもしっかり見届けた。

 あ〜あ… せっかくフェルスタッペン仕様のオレンジシャツを着てきたのに。
 

キミ・ライコネン / アルファロメオNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (290mm), f18, 1/100sec, ISO100, 0EV
 Eスタンド上部は写真を撮るには視点がかなり高いものの、順光で光をたっぷり浴びたF1マシンを美しく流し撮りすることが出来る。

 ライコネンは残念ながら予選もイマイチで決勝もポイント圏内に届かなかった。シーズン終盤になってくると小さなチームはやはり開発競争で後れを取り始めるのも仕方ない。というか、アルファロメオは「ワークス」と言うのだろうか?
 

アレキサンダー・アルボン / レッドブルNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (500mm), f10, 1/125sec, ISO100, -0.7EV
 ホームレースとして期待がかかっていたホンダ勢にとっては何ともパッとしない結果となってしまった。アルボンが4位に入ったものの、フェラーリやメルセデスとはまったく勝負にならず、むしろその後ろのマクラーレンと戦ってる状態だった。

 このままではフェルスタッペンに逃げられてしまうかも知れない。そうなった方が日本人ドライバーが登場する可能性が高いのかも知れないが、勝てる可能性が減ってしまう。レッドブル・ホンダにとっては来年が勝負となるだろう。
 

バルテリ・ボッタス / メルセデスNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (240mm), f13, 1/100sec, ISO100, 0EV
 そしてこのレースを持っていったのはボッタスだった。ハミルトンに必要のない2回目のピットストップをさせたのはメルセデスの変わらぬポリシーでもあり、温情だったのかも知れない。

 でも、予選でハミルトンに勝ち、スタートに失敗したベッテルを確実に仕留めて完璧に走りきった彼は、勝利に値していたのは間違いない。

 ということで、今年もたっぷりとF1日本GPを楽しむことが出来た。また来年!

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