誰も期待も予想もしていなかったPENTAX KFが登場した

2022-11-28

 「誰も期待していなかった」は言い過ぎかも知れないし「予想していなかった」も事実ではないかも知れない。でも自分の認識ではそうだった。コンパクトカメラとともにレンズ交換式、特に趣味性の高い一眼レフのエントリー機市場は消えてなくなったのではないか、と。

 そんな中、K-70のディスコンとともに突然現れたKF。背面液晶はじめ一部部材が変更されているようだが、基本中身はのK-70のままと思われ、実態としてはK-71と呼んだ方がぴったり、と言われているとかいないとか。

 いずれにしろ、わざわざK-70をKFに置き換えたということは、ペンタックスはこのクラスのカメラの販売を諦めていないということになる。販売経路を整理し、もはや量販店で薄利で売りさばくという手法は使えないはずなのに。

 実際価格は大幅に上がった。K-70ボディは最終的に6万円台で売られていたのに、KFは一気に倍近くなって10万円ちょっととなっている。もちろん初値だからかも知れないけれど。そのせいかペンタックスはKFを「エントリー」ではなく「スタンダード」と呼んでいるが、その辺は「あー、はいはい」と聞き流しておけば良いだろう。

 と、長々と前置きを書いたが、このエントリーで言いたいことは「KFを買ってしまった」ということだ。「K-3 Mark IIIを手放してKFを買う」なんてそんなバカな話があるのか?と自分でも思うが、あったのだから仕方がない。
 

PENTAX KF クリスタルブルー

 全世界700台限定のクリスタルブルー。他にクリスタルホワイトも700台限定で、レギュラーモデルはブラックのみだ。このクリスタルブルーはK-30を彷彿とさせる色だ。

 なおKFの限定カラーは同梱のボディキャップもボディ同色に塗装されているのが新しいところだ。何の機能性も意味もないが単純に格好イイ。
 

PENTAX KF バリアングル液晶

 K-70に対してスペック上明らかな変化があるのは背面液晶だ。K-70の約92万ドットからKFでは約104万ドットになっている。3:2の3インチでエアギャップレス構造なのは変わらない。ただしK-70では液晶周囲のベゼル部分に段差が付いていたらしいのだが、KFでは全面フラットになっている。
 
 なおバリアングル液晶のカメラを使うのは初めてだ。確かにアングルの自由度は高いが、光軸がずれてしまい水平が取りにくくなるのが個人的には気になる。が、それも食わず嫌いかも知れないので使ってみてどう感じるか、評価はしばらく保留しておこうと思う。
 

PENTAX KF 背面液晶表 PENTAX KF 背面液晶裏

 バリアングルなので当然液晶を裏返してたたむことも出来る。ポストビューをあまり気にせずフィルム機時代のように撮る…… と言うことが出来るかどうか分からない。少なくとも持ち運び時に裏返しておけば、液晶面の傷防止にはなると思う。なので、今のところ保護フィルムは貼っていない(そのうち貼ると思う)。

 ボタンやダイヤルの操作系はK-30以降のこのクラスのペンタックス機のそれを踏襲している。十字キーの機能割り付けはK-1/K-1 IIと違っていたりするのだが、再生ボタンとLVボタンの位置が同じだし、ちゃんと2ダイヤル式でA/Sモード時には空いたダイヤルに露出補正を割り当てることも出来るから、まあ何とかなるだろう。

 あとメニューのデザインというか構成は旧来ペンタックス機の横スクロールでページが切り変わる方式で、GRシリーズやK-3 Mark IIIで導入された新型UIではない。K-1 Mark IIと混在させて使うにはこっちの方が混乱しなくていい。
 

PENTAX KF電池 PENTAX KF電池蓋

 現時点での最大の懸念点は電池だ。一眼レフ用にしては容量が少ない(7.4V / 1050mAh)D-IL109が使われる。カタログスペックでも電池寿命はフラッシュ発光なしで460枚と、近年のミラーレス機のほうが多いくらいではないかと思う。1本は予備が必要と思われるがその辺はしばらく様子を見ようと思う。

 なおクリスタルブルーの塗装は底面もちゃんとされているのだが、電池蓋はブラックのままだった。ボディキャップが塗れるならこれも塗れると思うのだが。
 

PENTAX D-LI109用USB PD充電器 D-BC186

 KFでもうひとつ新しい点と言えば、付属の充電器がUSB PD対応のD-BC186というものに変わっている。これは単体発売されていないものだ。

 Anker製65WのUSB-PDアダプターとMacbook Airに同梱されていたUSB Type Cケーブルを使うと、9Vで充電器に入力されることを確認した。D-LI90P用のD-BC177とほぼ同等と思われるが、容量が小さいので満充電までの実際の時間は短く感じられるだろう。

 なお同梱されているACアダプターはType A出力なので5V/1Aしか出ない。今どきUSB PDアダプターはそこらに転がっていると思うので、それらを使った方が良い(保証云々のことは置いておくとして)。
 

PENTAX KF + HD FA35mmF2

 さて、実のところKFを何に使うのかはっきりとしたイメージは実のところない。タイミング的にたまたまそうなったのだが、KFをK-3 Mark IIIの代わりに使おうなどとは思っていない。結果を求めると言うよりは純粋に眺めて、触って、撮ることを気軽に楽しめるようになりたい。それこそK-30を使っていた頃のように。

 HD DA20-40mm F2.8-4 Limited も手放してしまったし今のところDAレンズを新たに買う予定はない。いや、ちょっと気になってるレンズがない訳ではないのだが、とりあえずしばらくは、手持ちの小型単焦点を付けて使うつもりだ。HD FA35mmF2とかFA50mmF1.4とか、HD FA43mmF1.9 Limitedとか。あとはHD DA55-300mm PLMとの相性も悪くないだろうと思っている。
 

PENTAX KFクリスタルブルーに青いアンカーと青いLEASH取り付け前 PENTAX KFクリスタルブルーに青いアンカーと青いLEASH取り付け後

 さて、実践投入の前にストラップをつけておこう。K-1 Mark IIやZ 5で愛用しているSLIDEはKFには太すぎるので、新たにLEASHを買った。もちろん色はミッドナイトで。そしてアンカーも純正の青バージョン(限定品で現在は入手不可)がたくさん余っているのでそのまま使える。

 アンカーの取り付け位置に悩んだのだが、グリップ側と底面の2カ所とすることにした。これまでは左手側につけていたのだが、それだとKFではバリアングル液晶のヒンジに干渉してしまうので逆側にしてみる。そしてKFは三脚で使うこともないと思うので、底面につけるプレートはLEASHなどストラップに付属している小さいアンカーマウントを使うことにする。

 これで、右肩から左腰にかけて斜めがけすれば、ちゃんとレンズは下に向くし、すぐにグリップを取って自然に構えるとこが出来る。またバリアングル液晶を引っ張り出す際も干渉しない。
 

PENTAX KF

 ということで、まずは「買ったよ!」という報告だけで、実際使ってみての感想や写真は次回以降にしたいと思う。


 

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