4年ぶりにリアル開催されたCP+の雰囲気を体感してきた

2023-02-26

 2019年以来実に4年ぶりにパシフィコ横浜のリアル会場(という言葉も不思議だが)でCP+2023が開催された。今年は開催日が飛び石連休にあたり、お天気もまぁまぁ。せっかく関東圏に住んでいて時間も取れそうだったので、ちょっと横浜まで様子を見に行ってきた。

 最初に断っておくが、このエントリーはCP+で見てきたいろいろな新製品その他を紹介するレビューやらレポートではない。何しろタッチアンドトライ的なことは何一つしていない。各社がどんな展示をしてどんな製品が出ていて、それらの使い心地はどうだったのか?という点については、他を見て欲しい。

 ここでは特にあてもなくCP+会場をぐるっと一周してきただけの、結論のない個人的感想をつらつらと書き留めておく。
 

Nikonロゴ

 床に直置きされたNikonの巨大なロゴ。最近観光地の映えスポットにやたらに増えているオブジェをイメージしているのだろうか? とは言え特にニコンブース的に映えスポットという感じでもなかったし意図がよく分からない。といいながらこうして撮ってしまったわけで、まんまとはまってる気がした。
 

TAMRONブース

 ねぶた(あるいはねぷた?)風味のオブジェが置かれたタムロンブース。良く見るとモデルさんがちゃんといてタッチ&トライ用のセットになっている。広角から望遠までいろいろなレンズに対応するための仕掛けだろうか。なるほど…… というか、タムロンは青森県に工場があるしその繋がりなのかも。
 

SONYブース

 ひときわ巨大なソニーブース。木が生え、紐にぶら下がっている人がいたりしてなんだか不思議な感じだ。製品のタッチ&トライコーナーの仕掛けは数年前と比べてだいぶ派手になっている。「動体」とか「瞳認識」的なものをアピールするためなのだろう。

 以前のCP+にはこんな大きなブースは存在しなかった。それだけソニーが強くなったという証でもあると同時に、CP+の出展社数が減りスペースを埋めるのに苦労してることの裏返しでもあるようにも見える。
 

キヤノンブース

 ソニーと同じくらい巨大なキヤノンのブース。こちらはBMXが宙を舞っていたりしてさらに派手な演出がされている。これが最近発表されたばかりのエントリー機、R8とR50の体験会場らしい。あの激しい動きを至近距離からまともに撮れる気がしない。さすが動体に強いキヤノンの自身が表れている。
 

銀一ブースのピークデザインコーナー

 大手の用品メーカーもいくつか出ていた。これは銀一ブースのピークデザインコーナー。相変わらず大人気で人が多かった。ちゃんとバックなどを開いてじっくり検討するスペースも用意されていた。

 こういう細々としたものこそ、なかなか実際に触れてみるチャンスが少ないので、貴重な機会とも言える。
 

シグマのZマウントマウントレンズ

 会期直前になっていきなり発表されたサプライズといえば、シグマのZマウントレンズ。APS-C用の定番単焦点レンズが3本が出るようだ。

 シグマは「自社の独立を保つために他社のライセンスを受けるような商売はしない」と公言していた時代があったと記憶している(ソースなし:勘違いの可能性あり)し、実際に一眼レフ時代はカメラーメーカーとは表裏問わずバチバチやり合ってたという印象がある。中でもニコンとの仲は悪かったと思うのだが、もはやいろいろな面でお互いにそういうことやってる時代ではなくなったのだろう。個人的には「時代は変わったな」と感じる大きな出来事だったりする。
 

コシナのRFマウントレンズ

 サードパーティ製レンズと言えばコシナからはRFマウントのレンズも出ていた。MFではあるが電子接点を持ち、RFマウントの通信仕様についてライセンスを受けているらしい。ミラーレス移行でシェア低下にあえぐZマウントはまだしも、王者のキヤノンまでがマウント仕様のライセンスをサードパーティに始めているという話には驚くばかりだ。

 FT/MFTやLマウントのようなアライアンスに始まり、EマウントやXマウント、Zマウントが追従してきたこういう流れは、カメラメーカーにとってもレンズメーカーにとっても、そしてもちろんユーザーにとっても良いことなのではないかと思う。
 

上田晃司さんのステージ 中野耕志さんのステージ

 ニコンブースでは上田晃司さんと中野耕志さんのステージを立ち見で見てきた。Z 9は持ってないし買う予定もないので、自分で実践するかどうかは別の話なのだが、やはりプロの方のお話は聞いていてためになるし面白い。

 ちなみにトークイベントなどステージの実施方法、そしてオンライン配信のやり方に関しては各社各様だったようだ。ニコンに関していえば、現地ステージの座席は整理券が必要だが、スペースがある限りは自由にその場で飛び込み立ち見も可能だった。事前に調べて入念な計画を練るのではなく、会場を歩きながらふとその場で出会ったステージを見るという気軽な楽しみ方は、現地開催の良いところだと思う。

 しかし一方でオンライン配信もやっぱり見たい。ニコンはステージのオンライン配信はしておらず、後日配信があるのかどうかも分からない(撮影している感じはなかったので多分ない)。オンラインは現地ステージとは別途それ専用に収録済みコンテンツが用意されていて、順次プレミア公開(一部はライブ配信)される、という仕組みだった。

 一方キヤノンはメインのステージをほぼそのままライブ配信(アーカイヴ配信あり)していた。現地とオンラインとどっちに重きを置いていたのか分からないが、個人的にはこの方式が一番分かりやすくて良いと思う。キヤノンユーザーではないけれども、話を聞きたい写真家の方は沢山いる。時間や優先順位の関係で現地でのステージ視聴は諦めても、あとでアーカイブを見られるのは嬉しい。そうしていつの間にか「RFマウントもありかも?」と頭の片隅に刷り込まれていくのだ(現在進行形の実体験)。
 

ニコンブースのギャラリー ニコンブースのギャラリー

 そしてニコンブースでは見事な作品が並ぶギャラリーも見てきた。モニター表示もしくはプロジェクションしているかの様なライティングが格好イイ。

 ちなみに↑これの左側写真の奥の方に少ししか写ってないが、中野耕志さんによる野鳥写真がどこにでもいるスズメだったのがなんだか面白かった。作品として良いのはもちろんだが、作例としても優れているということだろうか。
 

くじ引き抽選会

 今回のCP+ではWEBから日付指定で入場事前登録を行い、自前で入場券をカラープリントしておく必要があった。それについての是非も色々話題になってはいるが、それはさておき、そのカラープリント入場券の裏側には「お楽しみくじ引き抽選会」と書かれていた(こんなに赤インク使いやがった!と思った人もいるかもしれない)。

 最初はただの広告かと思って気にしていなかったのだが、キヤノンブースを通りかかったときに偶然そのくじ引き抽選会の会場をみつけた。どうやらこの紙切れを提示するだけでガラポン抽選(タブレットを使用したデジタルガラポン抽選)が1回できるらしい。待ち行列もほとんどなかったので引いてみることにした。

 すると、なんと「タオルセット」が当たってしまった。当選の中では最下位と思われるが「はずれ」じゃなかっただけでも嬉しい。現場で渡された引換券をキヤノンブースの受付に持っていくと現物をくれる。
 

キヤノンタオル

 家に帰ってきてから箱を開けてみると、EF70-200mmF2.8柄のタオルが大小2枚も入っていた。今はRFの時代なのに配ってるノベルティはまだEFなのかよ!と軽いツッコミを入れつつ、実用品だしキヤノンユーザーじゃなくても素直に嬉しい。
 

DFA★70-200mmF2.8の白レンズ赤鉢巻き化

 このタオルが当たったことをTwitterで自慢したら「それをDFA★70-200mmF2.8に巻いてみてはどうか?」というよく分からない斬新な提案を受けた。ということでさっそくやってみた。

 小さい方はハンドタオルとして普通に使おうかと思っているのだが、レンズの日よけ雨よけとして使ってみるのも良いかもしれない、と思っている。
 

 

 最後に一言触れておきたいのだが、ここにリコーイメージングのブースがないことはやはり残念だと思わざるを得ない。新製品や参考出品やレンズロードマップの更新を声高に要求するうるさい一部の既存ファン(=自分)のことはさておき、今までGRや一眼レフに接点のなかった人々にリーチするためにも、小さくてもいいから製品を体験できるブースがあれば良いのに……とか、フィルムプロジェクトを推進&宣伝&情報収集する絶好の機会ではないのか?とかとか、一個人、一ユーザーとして勝手な思いはいくらでも出てくる。

 一方で矛盾するようではあるのだが、こうしたリアル会場における展示会というのは今後も持続可能なものなのか? 必要とされるものなのか? とも思う。リコーイメージングに限らず他にも以前は出展していたのに今回は見かけなかったブランドがいくつかある。それも必ずしも事業縮小したり撤退しているわけではないのに出展していない。

 例えばEPSONのようにオンライン出展しかしていないメーカーもあったりするのは、コロナ禍が収まりきってないという事情もあるだろう。CIPA主催という枠の限界もあるとは思うが、しかしデジタル時代、オンライン時代、そしてこれからのカメラや写真の楽しみ方を考え体感するという観点で、この会場には写真業界の重要なプレーヤーが欠けていたし、なにかがズレてきていると感じられてならない。

 空きスペースと巨大で間延びしたブースが目立つパシフィコ横浜の展示会場を眺めていて、そんなことを少しモヤモヤと考えてしまった。
 

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