今年も紫陽花の季節がやってきた。東京も雨続きの日が続いてようやく梅雨入り宣言されたと思ったら、今週になって酷暑が続いていたりする。むしろ「異常気象」なのは例年通りと言ったところだろうか。紫陽花的には例年よりも開花が少し遅いような感じがするが、気のせいかもしれない。
紫陽花は東京都内の住宅街でも桜と同じくらいそこかしこに咲いているので、本当に気軽に撮ることができる季節の花だ。大振りで派手で見栄えがする一方、なぜかローキーで暗く重苦しく撮るとクールで格好良い感じの写真になる(と思い込んでいる)。梅雨の季節に見頃を迎えると言うこともあって、晴れの日よりも雨の日にこそ撮りたい……と思える数少ない被写体のひとつだったりする。
だから今年もまた飽きもせずに紫陽花にカメラを向けてしまうのだ。鎌倉など名所と呼ばれるところはさぞ素晴らしいことだろう。でも近所のちょっとした地元民にとっての名所でもそれなりに楽しめる。
木場公園
まずはいつもの木場公園。ほんの少しだけだが紫陽花がかたまって咲いている一角がある。
公園の中とはいえあまり管理されておらずほとんど野良だと思われるのだが、咲き始めの頃は葉も綺麗で落ち葉や枝なども少なくとてもきれいに咲いている。木陰にあって雨の日の風情は格別だ。
ローケーション的にアップで撮りがちで、どこで撮ったのか分からない写真にしかならないの(そのアノニマス的な感じも嫌いではない)だが、何とか工夫しようと色々考えるものの、だいたいうまく行かず、そういう挑戦したカットはすべてボツにしてしまう。
結果毎年普通に撮った写真だけが残る……。
新宿中央公園
続いて新宿中央公園にちょっとだけ撮りに行く時間があった。ここは家の近所というわけではないが、よく行くという意味では勝手知ったる半生活圏内ではある。
新宿西口の高層ビル街を真正面にして、まさに都会に咲く紫陽花を撮ることができる。
かなり早い時期(5月末)に行ったのだが、一部では見事に咲いていた。特に中央のベンチ付近に淡いブルーのいい感じの紫陽花が咲く一角があって、しかし多くの人は紫陽花なんかお構いなく休んだり本を読んだりしている。
新宿のビル街の中とは思えないくらい落ち着いていて静かだ。大きなカメラを持ってちょろちょろしているのがむしろ申し訳ないくらい。
旧中川水辺公園
次は地元に戻ってきて旧中川水辺公園へやってきた。この一帯ではもっとも綺麗に整備され規模の大きい紫陽花の名所だ。川や橋や東京スカイツリーなどもあって、周辺風景にも事欠かない。映えスポットとしてそこそこ有名らしく、天気の良い日は老若男女、スチル、動画、スマホのカジュアル勢などなど多くの人が写真を撮りにきている。
だがこの日は嵐みたいな大雨で誰もいなかった。雨の日こそあじさい日和なのに。
この奥は遊歩道で人が来るのをじっと待っていたのだが、大雨の日に散歩に来るひとはほとんどいない。なので諦めてシャッターを切る。紫陽花もまだまだ咲き始めという感じだった。満開になったらもっと良い景色になりそうだ。
あとこの日に撮った動画を適当につないだやつを貼っておく。動画の編集もたまにやると楽しい。これ以上こったことはする気になれないけれど。
小岩菖蒲園
紫陽花の季節は花菖蒲の季節でもある。ということで、例年通り花菖蒲の様子を見に行きがてら小岩菖蒲園まで行ってみた。
花菖蒲は咲き始めてはいたがまだこれからという感じだったが、紫陽花は綺麗に咲いていた。晴れて暑い日だったが、やはり日光を浴びた紫陽花の姿ももちろん美しい。
ここで撮る写真は被写体が花菖蒲だろうと紫陽花だろうとだいたいこうなる。どっちにピントを合わせるか?くらいしか選択肢がない。
それは大きなカメラを手にした同業者だけではなく、スマホを手にした市井の人々でも同じだ。どんな写真が撮れているのか気になる。もしかしたら負けているかもしれない……と不安になる。
清澄庭園
最後は清澄庭園。都立庭園のひとつできっちりと管理された庭には、数ではなく質で勝負といった感じの紫陽花が植えられている。
涼亭を背景にした紫陽花の景色は有名で、昨夏はANAの機内エンターテイメントの初期画面に、ここ清澄庭園で撮られた涼亭と紫陽花の写真が採用されていた。ちなみに↑このカットとは違う位置から撮られたものだ。
清澄庭園の売りは庭石で、岩崎弥太郎氏の趣味で全国から集められた庭園用の石があちこちに配置されている。そんな石と紫陽花の取り合わせは、まるで盆栽のようだ。
池の上を歩くための渡り石。雨の日は滑りそうでこわい。もちろん手前の紫陽花にピントを持ってきたバージョンも撮っておいた。1枚選べと言われると悩ましいところだがこっちの方が好きだ。ただしもう少しボカしたかった(明るいレンズを使いたかった)。
綺麗な芝と松のあいだに配置された紫陽花。芝の上は入れないので、紫陽花に近寄ることは出来ない。手入れも行き届いていてとても美しい姿を見せているのは、見物人が触れないせいかもしれない。いつまでもこの風景を保って欲しい。
なおこの最後のカットは最近アップデートされたZfの新ファームウェア V2.00に追加された、フレキシブルカラーピクチャーコントロールを使って撮ったものだ。ニコンイメージングクラウドからニコンオリジナルのカラーグレーディング用レシピ「Color Mode Blue 01b」という設定をダウンロードして使用してみた。
普通に自分でRAW現像した場合にもその傾向はあると思っていたのだが、なぜかシアンとかブルー系に転んだ色味が好きなのかもしれない。。それは被写体が紫陽花だからというだけではない気がする。そんな感じのレシピばかりZfには登録してある。Z8のVer3.00にも同じように登録しようと思う。
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