雨の夜に4年ぶりの「あしかがフラワーパーク」の大藤を見に行く

2023-04-21

 亀戸天神の藤が咲いているとなれば、関東民としてはやはり「あしかがフラワーパーク」の大藤も見に行かなくてはなるまい。

 と言いつつ4年ぶりとなってしまったのは主にコロナ禍のせいだ。特に2020年春、最初の緊急事態宣言の中であしかがフラワーパークも閉園していた。見物客が誰もいない中あの大藤が咲いていたと思うと、その光景は想像するだけでも神秘的だったことだろう。

 去年と一昨年の春には開園していたようだが、まだ何となく行動制限がかかっていたと思うし、そういう気分になれなかった。今になって考えれば、混雑していない時期こそ見に行けば良かったと思うがいまさら悔やんでも仕方がない。

あしかがフラワーパークの大藤PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f4.0, 1/40sec, ISO3200
 そしてようやく今年。かの大藤も例年より2週間近く早く開花したというニュースを聞いて気になっていたが、やはり全国各地の観光地と同様に、コロナ禍前のレベルまで戻ってきたという混雑が心配で、大渋滞と人混みの中に巻き込まれるかもしれない……と思うと腰は重くなる。

 だから今年も様子見しようかと思っていた中の4月15日土曜日。関東地方にはかなり強めの雨が降っていた。予報も夜までずっと雨。渋滞情報アプリを開いてみると、春の週末にもかかわらず高速道路はどこも渋滞なし。

 ということで、今日こそは混雑回避のチャンスではないか!と思いついて、雨の中を東北道を北に車を走らせた。
 

赤い傘と藤棚と新緑 ライトアップされた藤

咲き始めの大長藤PENTAX K-1 II SE, HD DFA*85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/100sec, ISO400
 あしかがフラワーパークに到着したのは午後5時頃。見込み通り何もかもとても空いていて、一番奥にある正門前の駐車場に車を停めることが出来た。藤の季節ではなかなか考えられないことだ。

 ちょうどこの日、4月15日から夜間のライトアップが始まるとのことで、料金が割引になる17:30を待って入場した。チケット売り場もガラガラだ。

 分厚い雲から雨が落ちてきている天候とは言え、この時間帯はまだ明るい。十分暗くなるまで撮影は待とうということで、まずはロケハンとばかりにいくつかある藤棚の様子を先に見て回った。その時の第一印象は「やはりまだちょっと早かったかな?」だ。
 

雨の大長藤見物PENTAX K-1 II SE, HD DFA*85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/100sec, ISO400
 早咲きの「うす紅藤」などは満開を迎えていたが「大長藤」はまだ5分咲きくらいだろうか? 遅咲きの「白藤」はまだ蕾のものが多かった。さらに遅咲きの「きばな藤」は葉も蕾も見当たらない。

 それでも一つ一つの木が大きいのでその光景はやっぱり圧巻だ。藤独特の香りも十分すぎるくらい漂っていた。
 

ライトアップされた紫の藤 むらさき藤とツツジ

むらさき藤のスクリーンENTAX K-1 II SE, HD DFA*50mmF1.4 SDM AW, f2.8, 1/60sec, ISO3200
 「むらさき藤」は8分咲きくらいな感じで棚もスクリーンも見事な姿を見せていた。園内にはツツジもたくさん咲いていて、とてもカラフルだ。雨に濡れてより色が濃くなっているようにさえ感じられる。
 

うす紅橋 うす紅橋

うす紅橋ENTAX K-1 II SE, HD DFA*50mmF1.4 SDM AW, f1.4, 1/60sec, ISO100
 大藤や大長藤と並んで「あしかがフラワーパーク」を代表する藤棚のひとつとなっているのが「うす紅橋」だ。小さな木橋に満開のうす紅藤が咲いている。全体的にガラガラだったとは言え、小さな橋なのでここだけは人が密集していた。

 色が白に近い上にライトの密度も高く明るく照らしているせいか、まるで藤の花自体が発光して輝いているかのようだ。
 

大藤の写真を撮る人 大藤

大藤の下PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f4.0, 1/25sec, ISO3200
 そして一番の見所はやはり「大藤」だ。この巨大な藤棚がたったの2本の木で出来ているなんてすごい。ここもまだ7分咲きくらいだったので、1週間経過した今週末頃はもっと見事な状態になっているだろう。
 

大藤のグラデーションPENTAX K-1 II SE, HD DFA*85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/100sec, ISO800
 どんなに混雑しようともお構いなしにもう一度見に行きたい気もしているが、多分今週はもう時間が取れそうにない。また来年以降を楽しみにしたいと思う。
 


 

おまけ:K-1発売から間もなく7年

 4月28日でK-1発売から満7年が経過する。さらにK-1 Mark IIの発売も確か4月末の今ごろのことでちょうど5年前のことだ。K-1もK-1 Mark IIも手に入れてすぐその日のうちに写真を撮りにきたのが「あしかがフラワーパーク」で、最初の被写体は大藤だった。7年前は今年同様に雨が降っていた。

 出かけようと急に思い立った瞬間は、Nikon Z 5に手を伸ばしかけたのだけど、あしかがフラワーパークとなるとやはりK-1/K-1 IIを使いたくなり、ものすごく久しぶりにこの2台を持ち出すことにした。レンズは撮影データにも記載したとおり、DFAの単焦点で21mmと50mmと85mmの3本を使った。

K-1改とK-1 Mark II SE

 このカメラについてはもはや言うことは何もない。7年間使ってきたなかで、良いところはもちろん悪いところも含めてすっかり身体の一部であるかのように馴染んでしまった。後継機がないことは残念だが、いまだに現役機でサポートが続いていることは幸いなことだとも思う。

 フィルムカメラやモノクロ撮影専用一眼レフを作るのも大変けっこうなことだと思う。それらがPENTAXブランドが生き残っていく糧となり、いつかシュレディンガーのK-1 Mark IIIが入った箱が開かれることにつながるのであれば。

 その時になったら起こしてくれ。
 


 

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