NAS用の無停電電源装置 OMRON BY50S の電池を交換した

2021-01-29

 我が家では今現在2台のNASが稼働している。主に過去データの保存用であり、業務利用でもないしアクセス頻度が多いとは言えないのだが、やはり大容量のハードディスク(合計36TB分)を保護するために一応、無停電電源装置(UPS)をつないでいる。

 過去20年くらいを思い出してみても停電が発生したことはないのだが、ふとしたときにブレーカーが作動することはときどきあるし、数年前は漏電遮断機が作動したこともあった。だからわりとUPSは役に立っているのだ。

 使用しているUPSはOMRON製のBY50Sという、家庭用の小容量(500VA/300W)で常時商用給電タイプのUPSだ。導入からちょうど4年が経過したところで内蔵電池の劣化警告ランプが点灯したので、電池を交換することにした。

交換用の電池を入手する

 交換用の電池はOMRONの公式オンラインショップやAmazonなどで販売されている。

OMRON UPS用電池 BYB50Sの箱

 国内大手メーカー製だとこういった保守部品の入手性も良いので安心だ。4年以上前の機種だがちゃんと交換用電池は即納状態で流通していた。当たり前か。

 ちなみにお値段は公式ショップでは1万円ちょっとするが、Amazonなどでは1万円以下で売っていた。
 

OMRON UPS用電池 BYB50S

 電池パック自体はこんな姿をしている。こう見えても自動車用のバッテーリーなどと同じ鉛蓄電池なのだ。だからサイズのわりにものすごく重たい。電池としてのスペックは、12V出力で7.2Ahとなっている。

 電池パックにはフィルムやテープが巻かれており、プラスチックのカバーなども付いているが、これらは輸送用の梱包材や緩衝材ではないので、剥がしたりしてはいけないそうだ。うっかりすべて剥がしてしまうところだった。
 

実際に電池を交換する

 さてさっそく電池を交換しよう。

OMRON UPS BY50S電池交換_1

 まずはUPS本体の電池蓋を開けてみる。固定用のネジをひとつ外すだけで特別な工具などは必要ない。
 

OMRON UPS BY50S電池交換_2

 そして使用済みの電池を引っ張り出し電源コネクタを外す。ケーブルを引っ張るだけで外れるようになっておりここでも工具などは必要ない。なお一応外す順番に決まりがある(説明書には+側からと書かれている)ようなので注意が必要だ。
 

OMRON UPS BY50S電池交換_3

 左がこれまで使ってきて劣化した旧電池。右が新しく購入した新電池だ。古い方はもちろん4年以上前のもので、新品は箱に貼ってあったシールによると2020年12月製(または出荷)となっている。プラスチックケースの色が違っているのは意味があるのかどうかは分からないが、交換時に間違いが起こりにくくて良い。
 

OMRON UPS BY50S電池交換_4

 黒い新電池を差し込み、先ほどと逆の手順で電源コネクタを電池の電極に差し込んでいく。接続が完了したら電池を本体に押し込み蓋をすれば交換は完了だ。

 あとは再び電源に接続し正常に起動すればOKだ。
 

ネットワークUPSサポート

 さらにNASを再起動し管理画面からUPSが認識されていることを確認する。

QNAP NASからUPSの接続をチェック

 新品電池で起動した直後のスクリーンショットなので、充電容量が66%ほどしかないが、稼働状態でも数時間放置すれば100%になる。フル充電ならNAS2台を約30分くらいは動かせるだけの容量があるので、シャットダウンする余裕は十分ある。

 なお下の図のように、UPSからQNAP TS-251Dには直接USBケーブルを接続している。停電時はUSBを通じて電源異常の情報がTS-251Dに伝えられ自動シャットダウンを行う。もう一台のNASであるQNAP TS-231+はTS-251Dからネットワークを通じて同じようにUPSからの情報が伝えられ、やはり停電時は同じように自動シャットダウンが行われる。

ネットワークUPSサポート

 BY50SにはダウンストリームのUSBポートがひとつしか付いていないが、ネットワークUPS機能を使えば、同じローカルネットワーク上にいる複数のNASに同時に電源異常を伝えることが出来る。

 冒頭にも書いた通り、過去にブレーカーや漏電遮断機が動作した際に何度かこれらの仕組みが作動し、NASは電源を失う前に正常にシャットダウンすることが出来た。素晴らしい!

使用済み電池の廃棄

 さて、最後に交換によって取り出した使用済み電池の処置を考えなくてはならない。電池は何でもそうだが、特に鉛蓄電池は家庭ゴミとして廃棄することは出来ない。自治体によっていろいろ違いがあるかも知れないが、廃棄方法はしっかり調べて対処する必要がある。

UPSリプレイスサービスの資料

 そこで、OMRONは使用済み電池の引取サービスをやっている。サービス名称は「UPSリプレイスサービス」となっており、基本的に他社・自社問わず古いUPSを無料で引き取って廃棄しくれるのだが、交換済みの廃棄電池パックだけでも引き取ってくれることになっている。

 元払いの送料だけが必要な費用と言うことになるが、自分で色々調べて正しく廃棄するのに比べると楽だし、OMRONなら確実に処置してもらえるので安心だということで、このサービスを利用することにした。

 なお、ヤマト運輸は規約で鉛蓄電池は引き受け不可となっている。佐川急便は引き受け可能とのことだったので佐川急便を利用して送付した。OMRONのUPSリプレイスサービスに関する説明には何も記載はないが、利用する輸送業者に注意する必要がある。
 

 なおBY50Sとほぼ同クラスのUPSとしてはこちらが現在の主力製品となっているようだ。事実上BY50Sの後継機と思われる。
 

2021-01-29|タグ: , , ,
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