CP+ 2021が本日2/25に開幕し、2/28日曜日まで4日間にわたって開催される。残念ながら今年もパシフィコ横浜でのリアル開催は実現できず、オンライン開催のみとなった。各社この1年間の経験を生かし、工夫を凝らしたオンラインコンテンツが公開され、思った以上にお祭り感はある。
たしかに現地のあのザワザワした雰囲気が味わえないのは寂しいと思う一方で、時間にも場所にも体力にも縛られることなく、自由に各社のセミナーなどを見ることができて快適な面もある。今後リアル開催が復活したとしても、こうしたオンライン活用の流れは続けて欲しいとも思う。
さて、ここでは我らがリコーイメージングの展示内容がどんな感じなのか、ざっと眺めてまわった感想を書き留めておきたいと思う。それでもまだ発売されないPENTAX K-3 Mark III
残念ながら「CP+の頃に発売」という高橋社長の言葉は実現されなかった。本当なら、今ごろ実機を手にしているはずだったのに。
今回のCP+におけるリコーイメージングの目玉コンテンツは明らかにPENTAX K-3 Mark IIIだ。バーチャルタッチ&トライだけでなく、作例を撮られた写真家さんによるセミナーも複数用意されているし、CP+公式チャンネル枠の基調講演においても「一眼レフに未来はあるか?」というタイトルでPENTAX K-3 Mark IIIを持ってきている。 なのに肝心のPENTAX K-3 Mark IIIは、いついくらで販売されるのか分からないままだ。この状況は言うまでもなく異常なことだと思う。こんなことは先例がないのではないかと思う。こういう曖昧な状態でCP+のメインステージを飾った製品としてはNikon DLを思い出す。とても不吉な話だ。(追記:Nikon DLは発売の発表までは行われていたそうです)
とにかく、ここで言っておきたいことは「あるかもしれない”一眼レフの未来”も製品がなければやってこない」という、当たり前のことだ。なんだか上からの物言いで偉そうだけど、一ユーザー、一ファンとして本当に一眼レフの未来と現状を心配している。
先週の18日に延期が発表されたときは、わりとムカついてTwitterにくどくどと怒りをぶちまけていたのだが、CP+に合わせて公開された、若代氏によるK-3 Mark IIIに関する↑この解説動画を見たら、「すごい!早く欲しい!」という素直な期待がまたもや蘇っていた。我ながらチョロいものだ。
ちなみにZoomによるバーチャルタッチ&トライにもさっそく参加した。説明員さんがK-3 Mark IIIを操作し説明する様子を少人数限定のZoomで眺め、チャットで質問をするというなかなか原始的なものだったが、とりあえず雰囲気を味わい、どんな感じのカメラなのかより想像を膨らませることは出来た。
特に目新しい情報はないのだが、シャッターのキレ(音とファインダーの像消失の様子など)がかなり良い感じで、使っていて気持ちいいだろうなーということが想像できた。
とにかく一刻も早く発売されることを願っている。
まさかの4色展開 K-1 Mark II J limited 01
昨年11月に行われたJ Limited Online Eventで試作品として公開されていた、K-1 Mark IIベースのカスタムモデルが正式に発表された。今月に入ってKP J limitedが受注終了になったばかりだったが、それはこのモデルへ切り替えるための準備作業のひとつだったのかもしれない。
さて、KP J limitedは発売前のCP+2019でいろいろなカラーのボディが参考出品されたが、実際に製品化されたのは2色だけだった。しかし今回は倍の4色も用意されたと言うことは、そこそこKP J limitedは成功したと言うことなのだろう。K-1 Mark II J limited 01にはKP J limited同様に(以上に?)随所にデザイナーのTKO氏のこだわりが鏤められているが、やはり圧巻は二重になったペンタ部カバーだ。特にトップのカバーは真鍮削り出しと言うではないか。いったいどれだけお金をかけているのだろう? 機能上の意味はないどころかGPSの邪魔になると言われている。そこにこれだけのコストをかけ、堂々と売るというのだからすごい(褒めている)。
あともう一つ驚いたのは、K-1 IIのロゴの書体が変更されている。これはベース機がK-1 Mark IIでありながら、もはやK-1 Mark IIとは関係のない製品でもあるという意思表明なのかも知れない。個人的に一番ぐっときたのはこの部分だったりする。
どのカラーもそれぞれ特徴があって目移りしてしまうのだが、もし買うつもりで1台選ぶとなると、個人的には「ビリジアン」を選ぶと思う。ボディ両サイドから背面まで同色で塗装されているのはこのモデルだけだ。写真で表現できているのか心配になる微妙な色だが、是非実物を見てみたい。
しかし残念ながらわたしは1%terの素質がないらしく買う予定はない。自分では手にしないけれども、大好きな愛機K-1 Mark IIに、こういう遊び心に溢れた「変な」モデルがラインナップされるのはなんだか嬉しいと感じるので大歓迎だ。
結局やるんかい! HDコーティング化された FA Limitedシリーズ
昨年末から未確認の噂を耳にはしていたのだが、なんとここへ来てFA Limitedレンズ3本がHDコーティング化を中心にリニューアルされた。FA Limitedレンズと言えば、フィルム時代末期に設計、販売開始されたレンズで、その微妙な古くささを楽しむレンズと言うこともあって、リニューアルへの賛否は半々、メーカー側もあまり乗り気ではないと思っていたのだが、良くも悪くも裏切られた気持ちだ…
HDコーティング化以外にも、前玉にSPコーティングが施されたり、円形絞りに変更されたりしている。QSF搭載との噂もあったがそれはガセだったようだ。あとFA43mmF1.9には七宝焼きのフィンガーポイントが追加された。そしてこれまで同様にシルバーとブラックの2種類が用意されている。FA Limitedはすでに3本ともコンプリートしているが、そんなに多用しているわけではない。すこし古くさい描写も含めてその雰囲気を味わうレンズだと思っていたのだが、今回のリニューアルでどう変化したのだろうか?かなり気になる。じゃじゃ馬ぶりが少し落ち着いたなら、もっと常用できるのかも知れない。
とりあえず、今手元にあるsmc版を保持したまま、HD版も長い目で見つつそのうち揃えていきたいと思う。
HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED PLM AW(仮称)はいつ出るのか?
昨年5月に公開された動画に突然現れたDA★の新標準ズームだが、あの動画は公式リークに過ぎなかったのだろうか? ここで改めて「開発発表」がされた。製品発表じゃないのが何とももどかしい。
今回の発表の中では最短撮影距離が30cmというのが新情報で、それ以外は特に目新しい情報はない。発売予定も2021年中となっており、これまでの過去実績を考慮するとそのまま信じるわけにはいかない。しかし、どうやらもう試作品は出来上がっているらしく、26日夕方および28日午前に予定されている、岩崎氏と池永氏によるオンライン対談では、このレンズについても触れられる(作例も公開される?)らしいので必見だ(これを書いてる時点では未見)。
内容次第だが、そこまで出来ているなら2021年中という見込みも30%くらいは信じても良いのかも知れない。
なおレンズロードマップが2021年版にアップデートされた。特にこっそり追加されたり削除されたりしているものはないが、DFA21mm Limitedのアップデートが今回なかったことが気になる。どっちかというとこのレンズが一番気になっている。
GR, THETAやその他
今回はGR関係では特に動きはないが、GR関連のセミナーはいくつか用意されている。GRも来年あたりはモデルチェンジの時期ではないかと思っている。
THETAは突然主力モデルのVとZ1がディスコンされて一部界隈が騒然としているが、どうやらAKMの半導体工場火災の煽りを受けたのではないかと思われる。今後の新モデル等の予定については来月末に改めて発表されるとのことだ。
リコーイメージングは、PENTAXブランドの一眼レフ一本足打法ではなく、GRとTHETAもあってこそだと思うので、そちらの方も是非頑張って欲しい。
が、とにもかくにも今回のオンラインCP+ 2021を見た感想として言いたいことはただひとつだけだ。
早くK-3 Mark IIIを完成させてくれ!
これ以外に言うことがあるだろうか?(いやない)