東京ではいまだ新型コロナウィルス感染拡大の懸念と制約がある中ではあるが、素性の知れたごく身近な人たちでお寿司を食べに行ってきた。お店はもちろん新小岩にある「二代目 太郎」だ。もともととても小さなお店だが、この日は我々だけの貸し切りとなった。
気分的には2ヶ月遅れの「新年会」みたいなものだ。いわゆる世間一般で想像される宴会的な「新年会」ではなく、概念としての「新年会」という意味で。これは今年初の寿司であり、ほんの少しだけだが今年初のアルコールもいただいた。うん、これは(気持ち的には)新年会だ。
いつも通りお任せコースをお願いし、全てが完璧で美味しかったのだが、以下はもちろんその極一部のダイジェスト版となる。本物の全貌は自分の目と口で確かめて欲しい。
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ホタルイカ。春を感じる。
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これまでに何度か「寿司は東京(江戸前)以外認めない」みたいなことを書いた記憶がある。そのとても正統派な江戸前寿司を出すはずの二代目太郎で、あろうことか鯖の押し寿司が出てきた。なんと言うことだろう。これは大将の挑戦に違いない。
しかし、田舎くさいはずの鯖の押し寿司が何ともシュッとしていて洗練されている。海苔で巻いたおかげだろうか? シャリのせいだろうか。
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いきなり出てきた握りは毛ガニ。そう、カニは毛ガニが一番美味しい、と個人的には思う(他のカニも大好きだけど)。
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素晴らしく美味しい牡蠣を目の前にしながら、ひとしきり牡蠣談義をした。当たる人と当たらない人がいるのはなぜか?とか、オレは今までどんなにヤバいやつ食べても当たらなかったぜ自慢などなど。
なお、ヤバいやつ食べても当たったことがないのは自分のことだ。いつか痛い目に遭うかも知れない。
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焼きものも春仕様だ。美味しいタケノコは本当に美味い、ということは大人になってから理解できるようになった。この日出てきたタケノコはまるでトウモロコシみたいな甘味がする。素晴らしい。
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そしてメインの寿司が出てくる。美しいコハダを眺めながら今度は新子の思い出を語り合った。オレは10枚付けを食べたことがある!とか、でも4枚くらいが一番美味しいとか。あれは江戸っ子の初物好きがこじれただけで、本当はコハダが美味いよね、とかとか。
もう2シーズンも新子にお目にかかってないから、今夏こそは絶対に食べたいと思う。
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色艶も最高にきれいなウニの軍艦で〆となった。とても幸せだ。
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これはコースとは関係ないのだが、大将が「珍しいものが手に入ったので食べてみますか?」と言って出してきたのが、こんなお米のお団子だ。これがなんと酒米として有名な山田錦を炊いたものだそうだ。酢飯にもなっていない本当に炊いたまま。
日本酒のために特化したお米なので、食用にするとまずいのではないか?と勝手に思っていたのだが、これがビックリするような美味しさだった。考えてみたら当たり前なのかも知れないが、非常に糖度が高いというか甘みを感じる。もうこのままおにぎりにして具なしで食べられそうなほど。白米としてお茶碗で食べるにはくどすぎるのかも知れない。もちろんお寿司には絶対使えない、と大将も言っていた。
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冒頭にも少し書いたが、久しぶりにお酒を少しだけ飲んだ。しかもとびきり上等な日本酒を。ここ10年くらいの間に徐々に減ってきた酒量がコロナ渦に入ってさらに減り、お酒にはかなり弱くなった。しかしそれはいいことだと思っている。お酒が嫌いになったわけではないし。
たまに美味しい寿司屋に行って超絶美味しい料理を食べながら、美味しい日本酒を少しだけ飲むというのは、これ以上ない幸せなことだと改めて思う。