Macを使い始めて約10年になるが、これまでの間自宅で使うメイン機はずっとiMac 5Kを使ってきた。現在は、最後のIntel Macにして最後の27インチ一体型となってしまったiMac 5K 2020年モデルを使っている。後継機がないのでこの次をどうするかは悩みところだが、今回はその話ではない。
メインのiMac 5Kに対してモバイル兼サブ機として、あるときはMacBookを買ってみたり、やっぱりiPadのほうが良いのではないかと思って乗り換えてみたり、色々と定まらずにいる。ここ数年はiPad Proをずっとその用途で使っていたのだが、このたび約3年ぶりにiPadからMacBookにまたもや乗り換えることにした。
手に入れたのはM1チップが搭載されたMacBook Airの吊るしの梅モデル(標準構成の一番安いモデル)だ。整備済品ならさらに安く買えるし、なんなら最新のiPad Proよりも安い。
Apple製品というかMacBookに関する情報はネットに山ほどあるし、このMacBook Airはすでに1年半前のモデルなので、ここでいちいち細かいところや性能がどうこうといったことは割愛する。
スペック概要だけ書いておくと、M1チップの中でも一番ローエンドのCPU8コア、GPU7コア版を搭載しており、メモリーも8GBというミニマムな構成だ。SSDは256GBで、実は今使っているiPhone 13 pro Maxよりも小さい。が、いろいろ見積もった結果これで十分なはずだ。
ディスプレイは13.3インチのRetina、充電用を兼ねたUSB-Cポート(TB4対応)が2つ、ファンレス仕様で重量は約1.3kgとそんなに激軽ではないのだが、実はキーボード付きのiPad Pro 11インチと良い勝負だし、12.9インチよりは圧倒的に軽い。
色は3色から選べたが、ベタなスペースグレイにしておいた。
さて、なんで今さらiPad Proを手放してM1 MacBook Airなんかこのタイミングで買ったのか?というと、その大きな要因は先日リリースされたmacOS Monterey 12.3でようやくサポートされた「ユニバーサルコントロール」だ。
ユニバーサルコントロール:1 つのキーボードやマウスで Mac や iPad を行き来しながら作業する – Apple サポート (日本)
まずはMacBoook Airを買う前に、iPad ProとiMac 5Kでユニバーサルコントロールを試してみた。iMacのキーボードとマウス/トラックパッドをそのままiPadでも使うことが出来る。なるほど!
試してみて確かに便利だなとは思ったのだが、iPad OSとmacOSはUIの操作感などがかなり異なるわけで、タッチ操作やペン入力に最適化されているiPadをわざわざマウスやトラックパッドで操作するのは、何かちょっとまだるっこしさが感じられる。結局iPadを使うなら手を伸ばしてタッチ操作した方が早いじゃないか、とか。
そんな感じでiPadでは微妙だなと思っていた一方で、これってもしかしてMac同士だともっと便利になるのでは?と気がついた。ユニバーサルコントロールはiPadじゃなくても、複数のMac間でもキーボードとマウス/トラックバッドを共有することが出来る(というか、Apple自身がそういうデモをしているので新発見でも何でもないのだが)。
つまり↑こうだ。ユニバーサルコントロールによってMacBook AirのキーボードとトラックパッドでiMac 5K側も操作することができるようになる。
するとデスク上は必要最低限のものだけあれば良くて、iMac 5Kに接続されたキーボードとトラックパッドはMacBook Airの後のiMacの顎の下などにしまっておける(ログイン時などに必要なので完全に不要にはならない)。
マウスはあったほうが便利なのでiMac 5Kのものをそのまま使っているが、これもちゃんと両機で共有されている(しかし後述する理由でこのマウスは使わない方が良い)。
あくまでもMacBoook AirとiMac 5Kは別々に動いているのだが、操作感としてはMacBook Airでマルチスクリーンをして1台のMacを使っているかのような使い心地になるわけだ。そう、この疑似マルティディスプレイやりたかったのだ。
こうしておけば、iMac側ではLightroom ClassicやPhotoshopなどを走らせつつ、MacBook Air側でWEBやYoutubeやTwitterをながら見することができたりする。iMacで重たい作業をしていても、MacBook Air側には何の影響もないし、逆もまたしかりだ。
主要なファイルはiCloudドライブでリアルタイムに同期されているから(ちょっとしたタイムラグがあるけれど)ファイルのやりとりを気にする必要はない。むしろ、分けるべきファイルやフォルダはきっちり両機で別々に管理できるところも良い。
さらにHandoff機能があるので、コピー&ペーストも相互にできる。Air Dropもある。AirPlayによってMacBook側で再生する音楽をiMacのスピーカーで鳴らすこともできる。つまり、2台のMacが完全にシームレスに、ほぼ1台のマシンであるかのように使うことが出来るのだ。これは素晴らしい!
ディスプレイの設定はこのように普通にマルティディスプレイのように扱われる。配置も自由にできる。この場合は当然、iMacの下側にMacBookを配置している。
ユニバーサルコントロールの設定は今ひとつ意味がわからないものもあるが、とりあえずすべてチェックを入れておいた。まだ何か問題が残っているのかベータ扱いになっている。
こうしておけば、例えばMacBook Airのディスプレイを閉じてスリープに入れたら自動的にユニバーサルコントロールは切れて、iMac 5Kのスタンドアロン状態に戻り、その後またMacBook Airを開くだけで自動的にユニバーサルコントロールは復帰するので、いちいち設定を触る必要はなくて楽ちんだ。
いずれにしても、どちらか片方しか動作していなければ自動的にスタンドアロンとなるし、スリープ/レジュームの順番や手順なども関係なく、両機が動作していれば自動で接続される。
ユニバーサルコントロールの動作中はメニューバーにディスプレイ設定のアイコンが出るのですぐに確認できるし、もし必要ならこのメニューからユニバーサルコントロールをマニュアルでオフにすることもできる。
ベータ版というわりによくできている。今のところ気付いた変な動作は、特定のアプリで絵文字入力が不安定なことくらいだ。
ということで、とても便利なユニバーサルコントロールなのだが、2台のMacで使用する場合は、使用するキーボードとマウス、トラックパッドなど入力デバイスは、どちらか片方のMacに接続されたものに統一した方が良い。
今回の例のようにMacBook AirとiMac 5Kを接続した場合は、当然キーボードとトラックパッドはMacBook Airのものを使うことになるが、そこで同時にiMac 5K側に接続されたマウスも使いたくなる(何枚か前の写真のように)。しかしこの状態はどちらのMacがキーボードとマウス/トラックパッドのコントロール権を持っているのかが、ユーザーにとって不明確になりやすく混乱を起こす元となる。
例えば、iMac 5K側で動いているアプリにMacBook Airのキーボードから入力している途中で、iMac 5Kに接続されたマウスでカーソルを動かしてしまった場合、キーボードのフォーカスはMacBook Air側に戻ってしまうのだ。そこから続きのキー入力をしようと思ってキーを打ち始めると、それらの文字はMacBook Air側に渡ってしまう。iMac側に続きの入力をするには、ちゃんとMacBook Airのトラックパッドでキー入力のフォーカスをiMac 5K側のアプリに再度渡し直してやらなくてはならない。
そういった混乱を避けるために、ユニバーサルコントロール中はMacBook Airのキーボードとトラックパッドだけで操作することにした方が良い。iMac 5KでLightroomなどを使う場合はマウスが欲しくなるが、そのためにはマウスもMacBook側に接続してそれを共有した方が良いだろう。
iMac 5K単独で使うときのために今あるマウスをMacBook Airに接続し直すことはできないので、今後新マウス追加を含めて検討しようと思う。
せっかくのMacBook Airなので、ユニバーサルコントロールトは別に、旅行などで外に持ち出す用途でも使うつもりだ。iPadでもLightroomは快適に動くがやはりMacのほうが慣れていていろいろやりやすい。写真を主な目的とした旅などではとても役に立つはずだ。
ということで、次にまた自分の中でiPadのターンが来るまで、このMacBook Airを使いこなしていきたい。