最後のインテル入ってる iMac 5K 2020を導入する

2020-09-01

 iMacを買い換えた。

 とは言え、今はMacを買うにはちょっと微妙な時期だ。というのもAppleはすでに今秋からMacもARMベースの自社プロセッサに移行させる計画を発表している。将来性を考えるなら今はARMベースのMacを待つ方べき… という状況なのだ。

 しかしそんな中、8月初旬になってiMac 27インチがモデルチェンジされた。多分iMacとしては(もしかしたらMac全体としても)これが最後のIntel搭載機となるのだろう。個人的にはIntelアーキテクチャじゃないと困る事情があるわけではないのだが、いろいろなことを考えてここで最後のIntel Macに買い換えておくことにした。

 Apple製品はなぜか待てば安くなると言うことがない。iMacに関してはうまく買い換えサイクルが合わず、いつもモデル末期に手を出していたのだが、今回は「発売直後こそが一番の買い時」というApple製品の購買鉄則を守ることにした。
 

iMac 5K 2020

 新しいiMacといっても、これまで2012年から3代にわたり使い続けてきた歴代iMac 27インチと見た目は変わらない。何しろまったく同じ筐体デザインが、ここ8年に渡ってずっと使われ続けているのだ。

 よく言えば完成度が高く安定しているが、悪く言えば変わり映えがせずやや古くさい。デザインの大幅変更もARMに移行する次のモデルチェンジで行われるのだろう。そういう面からもこのモデルが、ARM化への当面の繋ぎであることがわかる。
 

 しかしiMacとしははじめてApple T2セキュリティチップが搭載され、HDD内蔵オプションも廃止されるなど、CPU/GPU更新だけではなく、中身のデザインはわりと大きく変化し、MacBookなど現代のMacアーキテクチャのスタンダードに追い付いたという面も多々ある。
 

 Appleらしい独善的デザインの結果背面に追いやられたポート類。Thunderbolt 3端子(というかUSB Type-C)が2つついたことが個人的には新しい点だ。Late 2015モデルについていたThunderbot 2端子はもはや使い道がなかった。

 あと地味にSDカードスロットがUHS-IIに対応した。いちいちカードリーダーを経由する必要が無くて、写真クラスタにとってはわりとポイントだと思う。背面の使いづらいところにあるとは言え、手探りで一発で確実にこのスロットにSDカードを挿せるように訓練されているので問題はない。
 
 
iMac 5K 2020 CTO内容

 さて、肝心のスペックだが↑こんな感じでCTOした。物理10コアという響きに憧れてCPUとGPUはよく分からないまま一番速いやつに盛ってある。内蔵ディスクは最大オプションの8TBにすると+24万円になってしまうので、現実的なところで2TBに抑えた。過去データはNASに保管しているので内蔵ディスクとしてはこれで十分すぎるほどだ。

 メモリーはiMac 27インチの特権として自力増設が可能なので、CTOせず標準構成のままになっている。当然8GBでは足りないので、別途DDR4-2666MHzのSODIMMを用意して32GB x2 = 64GBとした。これもCTOすると+10万円だが、SODIMMの市場価格は3万円そこそこだ。

 Amazonでは16GB x2キットしか扱っていないが、ヨドバシでは32GB x2も売っていた。コスト的には16GB x4の方が若干安いが、32GB x2でスロットに余裕を持たせておくのも悪くはない。

 なお元々ついていた4GB x2はNASに移植した。
 

nano textureガラスとは

 さて、iMac 5K 2020最大の変更点はパネル表面処理にnano textureガラスが選べるようになったことだ。ツルツルピカピカなグレア仕上げだったiMacのディスプレイに反射防止処理が追加される。nano textureなどとたいそうなことを言っているが、要するにノングレア処理の良いヤツみたいなものだ。

 だがこのnano textureはかなりデリケートなものらしく専用のポリッシングクロス以外で拭いてはいけないらしい。うーん、ちょっと面倒くさいぞ。
 

Nano texture ガラス

 さて、実際のところnano textureガラスはどんな感じかと言えば、やっぱり目の細かいノングレアという感じだ。

 たしかに光源に対してわざと反射するはずの位置から見てみたところで、表示内容が見えなくなるほどギラギラすることはない。しかも普通のグレア並みにコントラストも保たれるしRetinaの精細感とアウトラインの美しさも損なわれない。

 ただ、これに+5万の価値があるかと言われるとちょっと首をかしげたくなるが、写真を扱う用途としてはこっちの方が良いのはたしかだ。
 

iMac 5K 2020

 ということで、開封とかなんとかはざっくり割愛し、はやくも設置完了! 電源入れてmacOSをセットアップをしたら、移行アシスタントでTime Machineからデータとアプリと設定を書き戻すだけで、すぐに今まで通りの環境で使い出すことが出来る。簡単すぎてあっけない。新しいMacだ!という感慨も薄れるほどあっけない。

 なお、Lightroom Classic CCやPhotoshop CCなど常用アプリを使っていて、ものすごくサクサクになったという感じも実はないのだが、ちょっとしたフィルター処理が一瞬で終わってしまうので、操作を間違えたかと勘違いしてしまう。超絶重たいSharpen AIもアプリが落ちたのかと思うくらいあっという間に終わってビックリする。

 あと、意外なところでは音がものすごく良くなった。BGM的にiTunesライブラリで音楽流したりするのだが、同じ筐体とスピーカーとは思えないくらい音が良い。聞くところによると、新しく搭載されたApple T2チップというのは実態がiPhoneなどに使われているSoCで、SSDのセキュリティ以外にも音声の入出力処理をこのT2チップがやるらしい。音が変わったのはそれのおかげだろうか。
 

Apple Magic Keyboard & TrackPad

 さて、目論見としてはこのまましばらくARMへの移行状況を高みの見物して、Intelのサポートが怪しくなった頃に、安定しきったARM版に乗り換えたいと思っている。あっけなくIntel機のサポートが打ち切られないことを願うばかりだ。
 

 なお、これまで使ってきたiMac 5K Late 2015はTwitter上のフォロー/フォロワーさんに直接取引で売却した。


 このあと本番環境のセットアップですったもんだあったようだが、最終的に無事に動き始めたようで安心した。ネットの向こうに元我がiMacがいると思うとなんだかしみじみしてしまう。これからも変わらず写真関係で酷使されることだろう。しっかり働けよ!
 

2020-09-01|タグ: , ,
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