都心高級住宅街のトラットリア「SARU白金」の閉店を惜しむ

2023-08-05

 都内でも有数の高級住宅街でハイソなイメージがある白金(実際には細い路地が入り組んだ古い昭和風の家屋や町工場が建ち並んでいて意外なくらいに下町風情が残っていたりする)の外れ、恵比寿と広尾の境目のあたりに「SARU白金」という名前のトラットリアがあった。「あった」と過去形で書いたのは、このお店は残念ながらつい先日の7月31日で閉店してしまったのだ。

 燻製と野菜をコンセプトの中心に据えたイタリア料理のお店で、時間に余裕があるときにわざわざ遠出をしてランチを食べに行くようになって数年になる。むしろランチしか行ったことがなくて、この手の飲食店としてはメインであるはずのディナー営業中に行ったことはなかった。

ランチ営業中の店内Apple iPhone 13 Pro Max(超広角カメラ 13mm相当), f1.8, 1/100sec, ISO125
 閉店するとなったら急に「惜しい」とか「残念」とか言い出す常連面した薄〜い客…… みたいな感じになってしまったのだが、閉店直前のとある夜、最初で最後の「SARU白金」のディナーを楽しんできた。そういえばそういうお店があったな、と後日思い出すためにも一応記録しておこうと思う。
 

SARUのファームサラダRICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO3200
 SARUのファームサラダ。葉ものだけではなくて、ゴーヤとかヤングコーンとかズッキーニとか、いろいろな野菜がゴロゴロ入っていて食べ応えがある。味付けも凝っていてとても美味しい。
 

和歌山産アユのコンフィとガスパチョのグラニテRICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO5000
 季節ものの鮎は和歌山産だそうだ。鮎のコンフィは地元小岩のトラットリア「ビリエット」でも夏の定番となる代表的なイタリア料理だ。それにトマトベースで作られたガスパチョを凍らせてグラニテに仕上げた珍しい料理が添えられている。まさに夏っぽさ満載の一皿だ。
 

たたごぼうと鶏レバーのコンフィRICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO5000
 ごぼうと鶏レバーのコンフィ。鶏のレバーとは思えないボリュームで超美味い。レバー好きには堪らない。ごぼうは一瞬骨付きの肉か?と思ってしまったが、見た目の印象ほど固くないし繊維もしつこくない。レバーの食感と意外にとても良く合っている。
 

赤ワインRICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO5000
 夜に訪れたのははじめてなのでこの店でお酒をはじめて飲んだ。トラットリアだから当然ワインもたくさんある。セレクトは同行者に任せきりだったが、美味しい赤ワインをたっぷりいただいた。料理とのマリアージュは素晴らしい。
 


 そしてメインディッシュ。スモークステーキはSARU白金の代表料理だが、これもまたランチでは頼んだことがないので食べるのははじめてだ。格好イイ!
 

エゾジカと美桜鶏とマグロのスモークステーキRICOH GR3, f2.8, 1/40sec, ISO2000
 蝦夷鹿と美桜鶏とマグロのテールの3点セットという贅沢なプレートは美しい。スモークのチップはリンゴの木だそうだ。香りはきつすぎずとても上品だ。そして鹿も鶏もマグロもとても美味しかった。ちょっと欲張りすぎて量が多かったかな?と一瞬思ったのだが、あっという間に全部平らげてしまった。
 

ベジタブルラザニアRICOH GR3, f2.8, 1/40sec, ISO1600
 ベジタブルラザニアはランチでもおなじみだった。これも食べ納めなのでじっくり味わった。
 

冷製パスタRICOH GR3, f2.8, 1/40sec, ISO1600
 イタリアンのコースとしては順番が逆になってしまったかもしれないが、最後に大盛りのパスタをいただいた。インゲン、フレッシュトマトと小エビ、貝の大葉ジェノベーゼ冷製フェデリーニだ。夏らしくさっぱりスッキリ、それでいて味わい深いオイルパスタだ。

 これ以外にもいろいろ食べて飲んだ。いまさらなのだが夜ももっと通えば良かったなと思ったのだが時すでに遅し。でも仕方がない。
 

鯖サンドRICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO1000
 そして最初で最後のSARU白金のディナーを楽しんでから数日後。最終営業日7月31日のランチを食べに行った。定番のパスタにするかどうか悩んだのだが、スペシャルランチの鯖のサンドイッチにした。こんな丸ごと鯖が入ってるなんて! これがダイエットしている身でもスルッと食べられてしまった。

 最終営業日の店内はランチ営業時間でもとても混んでいて、名残惜しんでいる常連さんもたくさんいるらしく店員さん達に挨拶したり、店内を写真に撮ったりしている日とが何人もいた。

 土地柄かそんなに客層も悪くはなかっただろうと思う(とりあえず自分たちのことは棚に上げておく)。でもお店をやって行くにはいろいろな事情があるだろうし、オーナーにもシェフにもキャリアや人生設計があることだろう。

 いろいろとごちそうさまでした!
 

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