酷暑日が続いたと思ったらその次には大雨がやってきたりして、夏らしいのかそうじゃないのかよく分からない不順な天候となっているがが、良く晴れたとある週末、夏の青空と海の景色でも楽しみたいなぁと思い、若洲海浜公園に出かけてきた。
我が家から車でわずか20分。「海を見に行く」というわりにはお手軽もほどがあるが、ちょっとした非日常を味わうにはとても良い場所なので気に入っている。
RICOH GR3x, f5.6, 1/500, ISO100
若洲には何があるというわけではないのだが、いろいろな目的を持った人たちが訪れている。その中でも多いのは釣り人だ。本格装備のガチ勢からカジュアル勢まで幅広い。夏休みとなれば遊びに来ている子ども達も多い。
そんなに足下の海を覗き込んで彼らはいったい何を狙っているのか分からないが、そのまま落ちないか心配だ。
PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f11, 1/100sec, ISO100, CI:夏天
PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f3.5, 1/1000sec, ISO100, CI:夏天
東京ゲートブリッジをくぐってさらに南の方へ歩いて行くと石が積み上げられた人工磯が現れる。この岩場はたぶん300mくらいに渡ってずっと若洲の南端まで続いている。自由によじ登ることができるし、岩の向こうはすぐ海だ。
足を滑らせたら確実に大けがしそうだし、海に落ちたらさらに大変なことになる。けっこう危ない場所だなとずっと思っていたのだが、やはり事故が多いのだろう。こんな看板が新たに立てられていた。
数年前にこの人工磯を取り壊す計画があったのだが、その後計画は変更されなんとか生き残っている。事故はもちろん心配だが、立ち入り禁止になったり取り壊されたりせずに、ずっとこのままでいて欲しい。
PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f14, 1/100sec, ISO100, CI:夏天
東京ゲーツブリッジをくぐるととその先には何もめぼしいものはない。人工磯と芝生と遊歩道が続いていて、ぐるっと若洲を1周することができる(しないけど)。その途中に東京ゲートブリッジをくぐる航路のための信号所がある。
この信号所は東京ゲートブリッジはもちろん若洲海浜公園ができるずっと大昔、それこそ自分が子どもだった頃からあるものだと思っていたが、現在の建物は約12年前に東京ゲートブリッジ架設にともない場所を移動して建て直されたものらしい。
いずれにしろ「若洲にある灯台」というのは、江東区内の小中学生にとって「自転車で行ったことがある」と言えばヒーローになれるほどの地の果てだったことを思い出す。
PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f8.0, 1/400sec, ISO100, CI:夏天
なのでこの若洲の航路信号所は、いわゆる灯台とも違って被写体としては良く見ると微妙なのだが、若洲に来るとその証拠として何となく撮っておかなくてはならないという気がする。オレはここまでやってきたぞ!と。何十年も遅れたけれども「一夏の冒険」の記録として。
なお、今回は久しぶりにK-1改を持ち出してきた。外観以外はメインで使っているK-1 II Silver Editionと変わりはない。ファームウェアも最新なのでちゃんと「夏天」も使える。
このカットは白いものが真ん中にあって青空に対しては露出が低めに触れたせいもあって、「夏天」による青空の強調効果が露骨に出た。この写真を見てブルーではなくてマゼンタが盛られているあのレーダーチャートを思い出してなるほど、と思った。
PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f14, 1/100sec, ISO100, CI:夏天
緑の芝生とソテツと東京ゲートブリッジ。そして羽田に向かう飛行機がすぐ近くをかすめて行く。東京らしいようならしくないような。
そうだ、ここに来るときは何となくワイド側のレンズを持ってきがちだが、ここから飛行機を撮ってみたいと思っていたのだった。今度は忘れずに望遠レンズも持ってこよう。
PENTAX K-1改, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f14, 1/100sec, ISO100, CI:夏天
ソテツと太陽。太陽に引きずられてもっと暗く写り、さっきみたいに空の色が深くなるかと思ったらそんなことはなかった。いや、夏天に慣れてしまっただけで十分濃いか?
この6年以上前から使っているK-1改はそれこそ数え切れないくらい太陽を撮ってきたが、なんとかミラーボックスは焼けていない。今回も大丈夫なはずだ。
RICOH GR3x, f2.8, 1/800, ISO100
ソテツの雌花。この前撮った雄花はなんかグロいなと思っていたけど、端的に言って雌花の方がよりグロい。雌花には秋になると中に赤い実ができて、その様子もなかなかの姿だそうだ。それも見てみたい。
RICOH GR3x, f2.8, 1/800, ISO100
葉っぱはとても夏っぽくて、青空というか強い陽の光がとても似合う。
RICOH GR3x, 71mm相当クロップ, f10, 1/250, ISO100
今回もまた天気が良すぎて「夏天」向きなモクモクとした雲が湧いていなかったのだが、遠く東京都心のさらに向こうには雨を降らせていそうな積乱雲がいた。しかし21mmではどうにもならない。
やっぱり望遠を持ってくれば良かったと思いつつ、GR IIIxで71mm相当までクロップしてみた。なるほど、ちょっとだけテレコンバージョンレンズGT-2が欲しいと思った。けどクロップでいいか。
ちなみにこの写真で何となく分かるかも知れないけれど、この日の海は非常に汚い色をしていた。青空のおかげで少しその色を映してはいるが、基本的には真っ茶色でとてもまともな「海」の景色ではない。排水や下水はいろいろと処理され、規制され、ここ最近は東京湾岸からでも青い海が見られるようになっていたが、やっぱりこういう日もあるのだなと再認識した(主に雨が降ったあと)。
RICOH GR3x, f5.6, 1/40, ISO1000
夕暮れ。空には三日月が出ていた。
あちこちで「3年ぶりに○○が開催されました」というニュースを聞くし、実際のところなし崩しにいろいろ正常化しつつあることは体感しているが、都内や地元のイベントはまだ元に戻っていないものが多い。隅田川花火大会は今年もやらなかったし、地元の町内会の盆踊りもないし、深川八幡のお祭りも縮小されたままだ。
ビアガーデンに行こう!という誘いはもちろんないし、焼肉の日の宴会も今年は諦めた。
でも、もともと引きこもり体質のインドア派なので静かな夏も悪くはない、と思っている。