Nikon Z 8 + Nextorage NX-B1PRO 330GB CFexpress の連写性能実測

2023-09-18

 Nikon Z 8は自分にとって初めてのCFexpress対応カメラということで、ボディとともにProGrade GOLD 512GBを1枚だけ買った。大容量だし実際のところ趣味用途ではこれ1枚で十分に運用できるのだが、ローテーションできるよう、あるいはもしものためのバックアップ用にもう1枚あると便利だし安心だ。

 ということで、遅ればせながらCFexpressカードをもう1枚追加することにした。お試しの意味も含めて今度はProGradeではなくNextorage製のカード、それも速度重視のB1 Proシリーズにしてみた。容量は本当なら165GBで十分なはずだが、1枚目のカードとあまに容量差がありすぎるのも気持ち悪い(なんだそれ?)ので、奮発して330GBにしてしまった。

Nextorage NX-B1PRO 330GBの箱


 Nextorage製CFexpressカードの中では最上位シリーズということで、なかなか良いお値段するのだが、9月の初め頃にはセールをやっていてかなり安く買えた。CFexpressカードはProGradeとNextorageの激しい競争があって、どちらのブランドもAmazonの公式ショップではたびたび値引きセールをやるようなので、買うならばぜひそのタイミングに合わせたい。

Z 8 + Nextorage NX-B1PRO 330GBで連続撮影実測

 ということで、まずはNX-B1PROの高速さを確かめてみることにした。このカードはNikonの推奨カードリストにもちゃんと入っているし、なんならニコンダイレクトでも販売されているくらいだ。スペック的に連写にしろ動画にしろNikon Z 8の高速性能をフルに発揮できるはずだ。

 テスト方法はProGrade GOLD 512GBと比較できるように前回と同じ方法で行うことにした。


 基本的な方針としては、静止画のRAW記録のときに15秒間連写して何コマ撮影されるか?を測定するというものだ。RAWのファイル形式は圧縮率ごとに3段階あるので、それぞれで計測すると同時に、JPEGの同時記録および分割記録にするとどうなるか?も確認する。

 そして測定にあたって、代表的な設定をおさらいしておく。

  • レンズ:NIKKOR Z 24-120mm f/4S
  • フォーカスモード:マニュアル(無限遠に設定)
  • 露出:1/4000sec, f4, ISO64
  • ドライブモード:CH(20fps)
  • 3種類のRAWをそれぞれテスト
  • 15秒の連続撮影で得られた枚数を計測

 これ以外の設定はおおむね工場出荷時のデフォルト設定のままだ(撮影メニューをリセットした状態)。

測定結果(1):RAWを記録する場合

 ということで結果は以下の通りだ。比較のために前回測定したProGrade GOLD 512GBの結果も添えておく。なお測定はストップウォッチを使いつつも手動でやっているので、完全に正確ではない。括弧内の数字はバッファ詰まりまでの時間だが、これも目視確認でかなりざっくりした数字なので参考程度に見て欲しい。

RAW設定 Nextorage NX-B1PRO 330GB ProGrade GOLD 512GB
ロスレス圧縮 約240枚(約4sec) 約220枚(約3.5sec)
高効率★ 約280枚(約7.5sec) 約250枚(約5sec)
高効率 約300枚(15sec以上) 約280枚(約10sec)

 もともとのスペックが違うので当然なのだがNX-B1PRO 330GBはGOLD 512GBよりは一回り速い結果が得られた。ロスレス圧縮の場合、約4secで詰まり感がありつつも、最終的に15秒間で約240枚、計算上秒間16コマ程度を維持できている。

 それでも高効率★なら15秒間くらいはフルスピードでいけるのではないか?と期待していたくらいなので、もう一息!という感想は否めない。でもまぁ実際静止画撮影では十分だろう。

 前回のエントリー(ProGrade GOLD 512GBの速度測定のエントリー)でも書いたが、このクラスのCFexpressカードになると、バッファが詰まり書き込み待ちが発生すると言っても、SDXCカードのように事実上そこでほぼ連写が停止してしまう、みたいなことにはならない。多少連写速度が落ち気味になりつつも撮影は続行できる。
 

測定結果(2):RAW+JPEG記録する場合

 続いてRAWと同時にJPEGも記録する場合で測定してみた。CFexpressカード内に同時記録する場合と、JPEGは2ndスロットのSDXCカードに分割記録する場合でやってみた。RAW形式は高効率★に、JPEGはLサイズFINEに固定する。

 なお2ndスロットに入れたSDXCカードは前回同様ProGrade COBALT 128GB UHS-IIを使用した。使い古しではあるが、もともとはSDXCカードの中でも最速クラスの製品だ。

RAWおよびJPEGの設定 Nextorage NX-B1PRO 330GB ProGrade GOLD 512GB
高効率★RAW+JPEG FINE(CFexへ同時記録) 約230枚 約190枚
高効率★RAW+JPEG FINE(CFex+SD分割記録) 約190枚 約150枚

 CFexpressカードへ同時記録する場合、RAWのみ記録の場合よりもGOLD 512GBとの差が大きくなったが、測定誤差の範囲なのか何か要因があるのかは分からない。間欠的ではあるけれども、平均にならすと同時記録なら約15コマ/秒、分割記録では約13コマ/秒となる。

 実使用に一番近いのはRAW+JPEGの2スロット分割記録なのだが、この場合はもしかしたらSDXCカードの書き込み待ちがボトルネックで、GOLDでもB1PROでも結果は同じになるかも?という予想は良い方に裏切られた。

 それでもRAWのみ記録、あるいはCFexへの同時記録と比べるとSDXCカードが足を引っ張っていることに変わりはなく、やはり連写速度重視の撮影の場合には分割記録は使用しないほうが良さそうだ。あるいはSDXCカードを一度物理フォーマットかけてリフレッシュすると少し良くなるかもしれない。

 いずれにしろこの辺りが真のフラッグシップ機たるZ 9と、2個目のスロットをSDで妥協したZ 8の違いだ。
 

どうやって使っていくか?

 ということで、Nextorage NX-B1PRO 330GBは速度面では恐らく現在手に入るCFexpressカードの中ではほぼ最速クラス(もっと大容量のやつはさらに速いのかも?)で、容量も十分すぎるほどのカードだ。

Nextorage NX-B1PRO 330GB

 Z 8の自分の使い方では連写することはあってもだいたい15fpsあれば足りる。RAW+JPEGの分割記録が基本だが、ProGrade GOLD 512GBでも速度低下(発生することはたびたびあるが)で大きく困ったことはない。あと時々4K/60P動画の撮影もするが、概ね最大で1分程度のショートクリップしか撮らないこともあって、そちらも問題はない。

 それでも速度的に余裕があるのは良いことだ。NX-B1PROならここぞと言うときに20fpsの連写も十分に使えるだろうし、動画も8Kに挑戦してみても良いかもしれない。あと気になるのは発熱くらいだろうか? スペック的にもGOLD 512GBより発熱は多くなりそうだ。

 と言っても酷暑の夏は終わりかけているのでこの先しばらくは熱問題は大丈夫だと思う。来夏どんな感じになるのかそれまで様子を見てみようと思う(ちなみにGOLD 512GBはこの夏の間に熱問題が起きたことはない)。

 と言うことで、今後はこちらのNextorage NX-B1PRO 330GBをメインのカードとして、PrGrade GOLD 512GBはサブとしたいと思う。

新世代の普及クラスCFexpressカードも今熱い

 なおNextorageからも新世代の普及クラスCFexpressカードとしてNX−B2SEという新しい製品が出ている。本来、ProGrade GOLD 512GBと比較すべきはこちらのカードだ。

 逆に言うとNextorage NX-B1PROシリーズに相当するProGrade製品といえば、COBALTシリーズとなる。


 CFexpress対応のボディが何らかの理由で増えない限り、これ以上カードは要らないと思っているが、次に買うなら上記の二つのうちどちらかを試してみたいと思っている。
 

2023-09-18|タグ: , , , ,
関連記事