発表からもう2週間以上経過してしまったが、ようやく新宿のニコンプラザ東京に行ってNikon Z fの実機に触ってくることが出来た。なお現時点では買うつもりはないし、単なる冷やかしというか興味本位に過ぎない。
土曜日の午後ということでそれなりに人は多かったが、特に並んで待たされたりすることなく、すぐに触ることが出来た。キットレンズに設定されている40mm f/2 SEとともに24-200mmがおいてあった。両極端なようでいて実はこの2本の組み合わせは相性が良いかもしれない。
この2週間の間にSNSやブログやYoutubeなどで散々いろいろな人によるレビューを見てきたので、特に新たな発見というか新鮮味がなくて、よく知ってるカメラだなと錯覚してしまう。ただひとつ心配していたのは、手にした時の大きさ「感」だったが、意外に違和感なくてスッと手に馴染む感じでとても良かった。
操作系はZ 8とはだいぶ違うが、基本設計がやはりニコン機のそれなので、それほどマゴつくことはなさそうだ。結局のところボタンとダイヤルのカスタマイズ次第だろうと思う。個人的にはISO AUTOの切り替えさえどうにかすれば、あとは慣れの問題だと感じた。
バリアングル液晶についてもきっと慣れの問題だろう。ただひとつ、ヒンジの出っ張りだけがどうしても納得いかない。左手側手前の角にあの出っ張りがなくて面取りされていれば、より美しいフォルムになったのに!(結局文句言ってる)
Z fでは真鍮素材のダイヤル類をかなりこだわって作ったことを推しにしていて、それ関係の展示もあった。アルミ製のダイヤルと真鍮製のダイヤルの回し比べも出来るようになっていた。
実際触ってみたのだが…… 正直な感想を言うと良く分からなかった。感触が違うことは分かったがアルミでも良くない?というか、それこそ好みの問題のような気がする。アルミにして少しでも軽くなったなら、そっちでも良かったのではないか?とか思ってしまう。これがトップカバーが真鍮製だとなると話は別なのだが。
プレミアムエクステリアのモック各色。ボルドーレッドはニコンダイレクト限定色だ。
写真で見ていた限りではどれも渋い色で、もしZ f買うとしたら悩むな…… とか、ペンタックスの100色カラバリで育ってきた一人として思わず妄想してしまうのだが、実物を見るとあまりピンと来なかった。表面処理やら手触りなんかも含めてオリジナルの黒が一番良いように思える。いい歳したおじさんだし地味で保守的なのが無難だ(買うとしたらの仮定の話)。
そこで改めてZ fcを見ていると、やはりこの手の「ヘリテージデザイン」にはシルバーが必要ではないかと思えてくる。ブラックも良い。が、シルバーの方が良い。……という層も少なくはないのではないのだろうか? 半年後なのか1年後なのかわからないが、いつか出るはずと期待しておこうと思う。Z 5の置き換えとして真剣に考えるのはその時としようと思う。
今どき紙のカタログを手にする機会も減ってしまったし、最近の製品ではあまり真面目に作っていないことが多いのではないかと思うのだが、Z fの紙カタログは厚手の紙でページ数もそこそこあって、かなりしっかりと作られている。
カメラのカタログをパラパラめくりながら読むという作業はどこか懐かしく、昔々にあこがれのカメラのカタログを穴が開くほど眺めていた時代を懐かしく思い起こす。あれから何十年か経って、カメラはデジタルになり、ミラーレスになり、価格は何倍にもなり、一方で自分自身は幸いにもある程度の経済力を手に入れたかわりに、カタログの字が読めなくなるほどの老眼になるなんて想像もしていなかったのに。