NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S で開花の遅れた今年の彼岸花を撮る

2023-09-28

 これを書いてる9月最終週の時点では、東京の気温は概ね20℃台になり、エアコンを入れなくても暮らせる状態になってきた。彼岸花と言えば秋のお彼岸には最盛期を迎えるというイメージがあるが、今年は酷暑の夏が長引いたせいで1~2週間ほど開花が遅れ、9月末になってようやく見頃を迎えたという状態。場所によるとは思うが、もしかしたら10月まで見頃はずれ込むかもしれない。

 まだしばらくは夏みたいな日があるかもしれないが、いずれにしろ季節は確実に進んでいる。このまま温暖化が進むとどうなってしまうのかとても心配だが、まずは目先の秋の訪れを祝いたい。

雨上がりの彼岸花

雨の彼岸花Nikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f3.3, 1/250, ISO220
 一晩降り続いた雨が朝方まで残っていたが、お昼になるとだいたい止んだもののまだ空は分厚い雲に覆われている。水滴が乾いてしまわないうちに雨に濡れた彼岸花を撮りに行こうと、近所の彼岸花スポットを巡ってみた。
 

雨の彼岸花Nikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f4.0, 1/1000, ISO320
 街角の隅っこにポツポツしか咲いていないような場所でも中望遠マイクロレンズで寄ってしまえば問題ない。
 

彼岸花と水滴Nikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f5.6, 1/250, ISO1250
 彼岸花の長い雄しべには水滴が丸くなってくっついている。遠目に見ていると気がつきにくいが、マイクロレンズの目になって観察してみると、そこにはまた別の世界が潜んでいる。水滴はレンズになって背後の世界を逆さまに映していたりするのが分かる。
 

彼岸花と水滴たくさんNikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f5.6, 1/250, ISO1000
 こうして水滴ばかりシャッターを何十枚も切ってしまった。ピントとか絞りとかどうしたら良いのかまったくよく分からない。

 AFについては3Dトラッキングがすっかり気に入ってしまった。AF一眼レフの黎明期からやってきたセンターでAFロックしてから構図を決める、みたいな作法を真似ることが出来る。ただ、実際の動作は全く違う。AFポイントはカメラが被写体に食いついてくれるし、コンティニュアスAFなのでAFロックはされず、被写体が風に揺れようと自分の身体が前後しようと、ずっとピントを追いかけ続けてくれる。すごい便利。
 

彼岸花の雄しべアップNikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f8.0, 1/1000, ISO1600
 雄しべのアップ。敢えて背景を溶かしてしまうともはや何の花だか分からない、というか彼岸花っぽさは消え失せてしまった。
 

親水公園の彼岸花 木場公園の彼岸花3
木場公園の彼岸花1 木場公園の彼岸花2

 なおこの日巡った場所はこんな感じの場所ばかりで、引きではどうにもならない。寄り一択だ。必ずしもマイクロレンズである必要はないが、あると超役に立つ。
 

水元公園の彼岸花

 翌週、今度はそこそこ晴れた日。本当は日高巾着田とか幸手の権現堂堤とか、一面真っ赤になるような有名ポイントにまた行ってみたいとも思っているのだが、とりあえず今年は水元公園あたりで手を打つことにしよう…… ということでやってきた。

彼岸花の赤い絨毯Nikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f3.0, 1/500, ISO64
 うん、ここなら少し引いてもワサワサと群生してる感じが良く出る。少なくともフレーム内は真っ赤に染まる。
 

群生している彼岸花Nikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f3.0, 1/500, ISO64
 前ボケも後ボケも真っ赤でやりたい放題だ。ただ、木陰なので日が差し込むところと日陰になるところで明暗差が激しいので露出が難しい。でもその明暗差こそが幻想的な風景を生み出してもいる。

 もちろんホワイトバランスとか露出、ピクチャーコントロールとか気を使わないといけないのだが、PENTAX機よりは赤は扱いやすい。それは物足りなさと紙一重のところなのだが。
 

赤に溶け込む彼岸花の雄しべNikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f4.0, 1/125, ISO64
 と言いつつ、やっぱり寄ってしまう。しかも雄しべあたりに。さっきのやつよりは彼岸花っぽさが明確に残っている。
 

黒バックの彼岸花Nikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f3.0, 1/250, ISO64
 彼岸花というと黒バックで全体にキーを抑え気味にする雰囲気が定番だが、なんか今年はそういう気分にならず、明るいところばかり探してしまったような気がする。

 Z 8なのかこのレンズの特性なのか分からないが、ハイライトが今ひとつ粘りが足りないと感じる一方で、やけにシャドウ側が粘るように思えるのは気のせいだろうか?
 

彼岸花と蝶Nikon Z 8, NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S, f2.8, 1/1000, ISO64
 白い彼岸花(ボカしすぎてなんだか分からない)の奥に咲いていた少数の赤い彼岸花。その奥の緑は菖蒲棚らしい。彼岸花は蜜が多いらしく蝶が群がっていた。中でも真っ黒で大きくて優雅な感じのやつがちょうど良い感じで撮れた。
 

白い彼岸花と空と太陽Nikon Z 8, NIKKOR Z 26mm f/2.8, f16, 1/125, ISO64
 最後の1枚はMC105mmではなくて最近特に気に入ってZ 8につけっぱなしにしている26mmで撮った。ローキーに落とすどころかキラキラ太陽と秋の空を入れてしまう。色が白いこともあってかよく似合っている。実際、良く見ると結構繊細で可憐な花なのだ。名前や咲いてる場所のイメージでしっとりした雰囲気に感じやすいけれど。
 

水元公園の彼岸花エリア 水元公園の彼岸花エリア

 ちなみに水元公園の彼岸花エリアの全景はこんな感じだ。ここだけではないのだけどこれがメイン。そう、実際のところそれほど広くはない。最盛期にはもう少し見栄えがするのだが、いずれにしろ巾着田や権現堂堤や、その他全国の群生地のような見事な風景とはほど遠い。でも都内だとこれで精一杯ではないかと思うし、写真を撮るには十分でそこそこの時間を過ごすことが出来る。

 彼岸花の見事な映え写真スポットは人気が出るということで、ネモフィラやコキアのように少しずつ彼岸花も増えてきているような気がする。数年したら新しい人気映えスポットが増えているかもしれない。

 という期待も含めて、また来年!
 


 

関連記事