ニコンプラザ東京でNikon Zfに触りに行くついでに、少しの間あてどもなく新宿界隈を歩き回ってきた。ようやく秋晴れの気持ちの良い季候になって、日差しの下を歩き回っても汗だくになったりしない。酷暑の間しばらく中断していた散歩の習慣を取り戻さなくてはならない。
と言っても、新宿は広いのですべてを巡るわけにはいかない。なのでニコンプラザのある西口の高層ビル街から南口を回って新宿御苑でしばらく自然の中の散策を楽しんだ後、東口を抜けてまた戻ってくるというだけのコースを歩いた。歩数にして約1万歩ちょっと、時間は1時間半くらい、距離はだいたい8km程度だ。
いつも車を停める都庁付近の駐車場から歩き始めると、まずは西口の大手家電量販店街を通り抜ける。東京圏のカメラ好きな人なら聖地とも言えるエリアだ。この街路からコクーンタワー脇のドームまで見通せるようになったのは、手前にあった明治安田生命ビルが取り壊されたためだ。新しくビルが建てられたらまた見えなくなるわけで今だけ見られる景色だ。
新宿駅の南口前は人通りが非常に多くいろいろとカオスだった。赤い炭酸飲料水のケースが落ちていても誰も気にしない。
こんな人通りが多いところで大きなカメラをローアングルに構えるのはいろいろ誤解を招きそうでどうかと思ったが、コソコソせずに思い切ってさっさと撮ってしまった。思ったほど面白くはならなかったが、まあいいか。
そして新宿御苑にやってきた。都内では超有名な庭園なのだが、個人的には実はほとんど縁がなくて、多分片手で数えられるほどの回数しか訪れたことがない。緑の芝生と新宿から代々木周辺のビル街の風景が有名だ。
それにしても人が普通に立ち入れるエリアとしては芝生が異常に綺麗なことに感心してしまった。管理するのに手間がかかっていそうだ。
敷物類を一切用意していなかったのだが、思わず座り込んだり寝転がったりしてみると、ひんやりして土の湿り気を感じて気持ちよい。本と飲み物とおやつとカメラと敷物を持ってくれば、半日以上過ごせてしまうだろう。今度やってみようと思う。
真っ赤な小さな実がなる木にトンボ。実はハナミズキでトンボはアキアカネだろうか?(確信なし)
特に実を食べるとかそういうことではなく、ただ休んでいるだけっぽい。しばらくじっとしてくれたので撮り放題だった。背景に何があったか忘れたが全体に黄色くて、思ったよりも秋っぽい写真になった。24-120mmは万能で本当に助かる。
プラタナスの巨木があった。こんな大きく育つものなのか…… と、普段は無残にも枝をなぎ払われた貧弱なプラタナスの街路樹を見ている身には新鮮な光景だ。根本付近のゴツゴツ感がすごい格好イイ。
ぐるっと一周してみたが、新宿御苑でとにかく目立つのは桜の木。もちろん花は咲いていないが虫食いの葉っぱが速くも色づいて散り始めている姿があちこちにある。なるほど、春は人が押し寄せるわけだし、その昔には桜を見る回などというものが催されていたわけだ。来春はちょっと見に来てみたい気がする。恐ろしい混雑に違いないが、最盛期の千鳥ヶ淵に行ったこともあるし何とかなるだろう。
新宿御苑を出たら来た道を戻らず新宿3丁目方面に出る。何か思い出があるわけではないがなんだか懐かしい。
しかし新宿通り(旧甲州街道)の歩道は人混みがすごいので裏道へ入る。丸井の裏あたりはいかにも繁華街の裏通りらしくて良い感じだ。人気のラーメン屋さんがあるらしく、所々行列が出来ていたりするのも良い。
東口から西口に抜けるには地下に潜って丸ノ内線の改札前を経由するのが唯一のルートと思っていたが、それは昭和〜平成の時代の話で、今は新宿駅の東西を結ぶ巨大な地下道が通っている。
東京東部の住民としては山手線の西側はアウェイなのだが、カメラ屋さんが集中していることもあって、昔から新宿だけはなんとなく知っているつもりになっている。10年単位で見れば大きく変貌しているとは言え、基本的なダンジョン構造はそう変わっていないから、迷うことはない。
さて、新しい東西連絡通路のおかげで思ったよりも簡単に西口ロータリーへやってきた。再開発の真っ只中にある新宿西口だが、この古くさくて狭くて薄暗いロータリーはどうするつもりなのだろうか?
なお、ここからコクーンタワーが見えるのもあとわずかな間だろう。そのうちこの青空はまた塞がれてしまうに違いない。
ということで、コクーンタワーとドームへまた戻ってきた。
この日は万能レンズZ24-120mmと、先日買ったばかりのZ MC105mmの2本セットを持っていたのだが、結局24-120mmしか使わなかった。新宿御苑では彼岸花は終わったとしても秋桜くらいどこかに咲いてるかと思ったが、そういう気配はまったくなかった(広すぎて見落としただけかも)。
なので新宿公園の方まで足を伸ばしてみようかと思ったが、もう今日は十分歩いたのでそれはまた今度にしよう。ニコンプラザ東京へ訪れる用事はまたいくらでもあるだろう(Z35mm f/1.2mもはよ!)