初めてのフルサイズ・ミラーレス! Nikon Z 5 / 24-200レンズキットを買った

2020-12-08

 Nikon Z 5 の24-200mmレンズキットを買った。

 なぜそんなことしたかと言えば、なんというか「PENTAXの一眼レフの素晴らしさを正しく理解し、自分の立ち位置や方向性を見失わないためのカウンター」として、是非ともPENTAX機とは違う性格や成り立ちのカメラが必要だと思ったのだ。そしてそれは今ならフルサイズ・ミラーレス機であるべきだろうと。

 それ以外の「気持ち」は、また最後にグダグダと書いておくが、一言でまとめろというならば要するに「フルサイズのミラーレス機が欲しかった」ということだ。

Nikon Z 5 + NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR

 ということで、Nikon Z 5だ。FXフォーマットのZマウントのエントリー機。フルサイズ・ミラーレス初心者にはぴったりだろう。

Nikon Z 5

 Z 5発売のニュースを聞いたときは「またエントリー機かよ!その前にフラッグシップだろ!」と思ったものだが、その後いろいろな記事や解説やレビューや、製品情報を見ているうちに「もしかしてZ 5ってすごく良くない?」と思い始めたのだ。うん、すごく良い。

 CMOSセンサーはフルサイズの24Mピクセルだが、Z 6/Z 6IIなどとは違って裏面照射ではないから暗所性能(特にAFまわり)はそれほど期待できない。個人的には画素数はあればあるほど良いと思っているが、とりあえず24Mあれば必要十分だしバランスが良いところだろう。
 

Nikon Z 5

 エントリー機とは言えボディはそんなに小さくない。というかZ 6/Z 7とほとんど同じだ。ただ675gという重量も含め、一眼レフ機よりもずっと小さくて軽い。ボディはマグネシウム合金製でがっしりと剛性感がある。

 そして何よりZ 5の良いところは上位機種譲りの質の良いEVFだ。369万画素のOLEDを使用した倍率0.8倍のファインダーはとても見やすい。この部分でコストダウンせずにZ 5にも搭載した心意気が素晴らしい(一部光学系の素材が違うそうだが判別付かない)。うん、Nikonの人達は分かっている。
 

Nikon Z 5 モードダイヤル周辺

 エントリー機らしさが現れているところと言えば、肩液晶がなくてモードダイヤルが右側についてることだ。これはDシリーズ来のNikon的作法でもある(なお接眼窓の形による差別化はZにはない)。一方でコマンドダイヤルは二つあるし、Fnボタンの数やカスタマイズ性など含め、機能や操作系は上位機種とほぼ同じだ。

 入手後すぐに前後のダイヤルの割り付けを変更して、PENTAX K-1 Mark II同様になるように機能を割り当てた。その他ZシリーズはFn1とFn2の使いこなしがキーらしい。今は何を設定しておくのが一番便利か、いろいろ探っているところだ。
 

Nikon Z 5 カードスロット

 カードスロットはSDXCのデュアルで、どちらもUHS-IIに対応している。XQDやCFexpressではないが、Z 5は連写やバッファがどうこうというカメラではないからこれで十分だろう。何しろこのカードスロットの仕様だけ見ればK-1 Mark IIはもちろん、K-3 Mark IIIより上なのだ。さすがニコン。

 個人的にデュアルスロットは絶対ではないのだが、これもまたK-1 Mark II同様に、RAWとJPEGの振り分け同時記録が使えるので、ワークフロー的にとても便利だ。
 

Nikon Z 5のバッテリー EN-EL15

 Z 5にはEN-EL15cという電池が同梱されている。容量は2280mAhでスペック上EVF使用で390枚、LVならさらに+100枚ほど撮れることになっている。一眼レフよりは少ないし使い方次第だとは思うが、電池寿命としてはまぁまぁではないかと思う。

 このZ 5はマップカメラで購入したのだが、何かのキャンペーンでEN-EL15bがおまけでついてきた。互換性はあるのだが容量は1900mAhしかない。さらにD500で使っていたEN-EL15aも手元にある。容量はやはり1900mAhだが、こちらはUSB充電に非対応らしい。

 と、いろいろと微妙な状態なのだが、いずれもZ 5で使用することはできるので予備電池としては今のところこれで十分だろうと思う。
 

Nikkor Z 24-200mm F4-6.3 VR

 Zマウント最初の1本目のレンズを何にするか?はとても迷ったのだが、今夏に発売になったばかりの新製品で、最近Z 5のキットレンズに追加された24-200mmにした。PENTAXにはフルサイズ用の高倍率ズームはないし恐らく今後も望むべくもない。なのでKマウントの弱点の補間にもなる。

 重量は570g、フィルター径は67mmとそこそこコンパクトだ。ズーミングするとそれなりに伸びるが、Zマウントが積極的に採用している沈胴式ではない。鏡胴のほとんどはズームリングで、あとはコントロールリング(カスタマイズ可能なピントリング)とワイド端のズームロックスイッチ以外には何も付いてないシンプルな外観だ。

 Sラインの高級レンズではないが、15群19枚で特殊ガラスも5枚使われている。ナノクリスタルコートはされていないがアルネオコートが施されており、前玉にはフッ素コートもある。いつも通り保護フィルターは付けない。
 

Nikkor Z 24-200mm F4-6.3 VR の後玉

 実のところこのレンズにはZマウントの大口径、短フランジバックを生かした特徴が詰まっていると思う。このスペックの高倍率ズームの後玉がこんなに大きいなんて、ミラーレス界隈では常識なのだろうか?

 いろいろなレビューを見ると、このレンズはとても高倍率ズームとは思えない高画質ぶりを発揮するそうなので、実際に使ってみるのが楽しみだ。欠点としては最短撮影距離が0.5〜0.7mと、特にワイド端で遠いことなのだが、これも実際はワイド端で0.4m以下までピントが来るらしい。その辺もそのうち確かめてみたいと思う。

 さらにこのレンズにはなぜかVRが搭載されている。Z 5のボディ内手ぶれ補正との協調動作による補正段数の向上みたいなことは謳っていないし、実際どうなっているのか分からないが、手ぶれ補正は全焦点域でとても良く効くようだ。実用性に重点をおいたNikonの奥ゆかしさを感じる。
 

Nikon Z 5 + Nikkor Z 24-200mm F4-6.3 VR

 ということでZ 5とZ24-200mmを組み合わせるとこんな感じだ。なかなか格好良い。この組み合わせで重量は約1.25kgとなる。そんなに小さくもないが、これがフルサイズ機で24mmから200mmまでカバーしてると思うとなかなかよく出来ていると思う。

 特に旅カメラとしてはぴったりすぎるだろう。残念ながらしばらくは旅が出来そうな気がしないのだが、そのうちこれだけで出かけてみたいと思う。
 

Nikon Z 5 と PENTAX K-1 Mark II SE

 メインカメラのK-1 Mark II Silver Editionと並べてみた。Zマウントは今後じっくり付き合っていきたいと思ってはいるが、あくまでもサブマウントだと思ってる。我ながら贅沢な話ではある。

 最近K-1 Mark IIを持ち出すのは「重い」と感じることが増えてきた。「物理的に」だけでなく「精神的に」も。GR3は物理的には軽いけど精神的にはわりと重い。「軽い」サブマウントとしてMFTを使ったこともあるがやっぱり馴染めなかったし、D500を使ってみてもちろん F でもないなと思った。

 撮像センサーのサイズというのは、解像度とか階調とか高感度がどうこう言うだけではなく、画角とパースとボケ量のバランス、つまりは立体感とか質感とか空気感含めた写真の重要な部分を決定していると思っている。これは良い悪いではない。理屈であり、さらには感覚と慣れと好みの話でもある。

 35mmフィルムの時代に写真の物心がついた自分にとっては、結局のところしっくりくるのは35mmフルサイズだけなのだと思うようになってきた。少なくとも複数のフォーマットを使いこなせる器用さは自分にはない。

 ということで、今後Kマウントは主に大口径単焦点レンズに集中し、ズームはZにまかせようかと思っている。いや、Zの単焦点も良いレンズがあるから欲しくなったら単焦点にも手を出すかも知れないけれど、その時はその時だ(フラグ)。


 

2020-12-08|タグ: , ,
関連記事