そういうわけで、前エントリーで報告したとおり Nikon Z 5 24-200mmキットを手に入れた。
新しいカメラを手にしたら、何はなくとも動作確認と練習のため試し撮りしなくてはなるまい。とは言え、部屋の中でカーテンやペットボトルを撮るのはグッと堪えて、天気の良さそうな日に散歩に持ち出してみた。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(82mm), f8.0, 1/320sec, ISO100, 0EV
夕暮れの月。うむ、なかなか良い。何も考えずに撮っただけだが、歪みも感じられないし周辺光量も問題ないし(もちろんデジタル補正されているはず)、隅々までシャープだ。色合いも夕方の東の空っぽさがちゃんと出ていてわりと好きな感じだ。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(24mm), f16, 1/100sec, ISO100, 0EV
午後の公園。逆光なんかへっちゃらだ。ゴーストどころかフレアの気配もない。高倍率ズームで構成枚数が多いのにさすが最新のレンズだ。光条によるウニはあまり綺麗ではない。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(200mm), f6.3, 1/500sec, ISO180, -0.3EV
京浜急行。超低速走行区間なので動体と言うほどスピードは出ていないが、一応AF-CのダイナミックAFモードで撮影した。なんの問題も無い。というより、やはり200mmという望遠域が普通に使えることが嬉しい。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(200mm), f6.3, 1/100sec, ISO1600, -0.3EV
イルミネーションの玉ボケ。量的にも質的にもボケを期待するレンズではないが、上手くはまると量的にはこのくらいは出来る。さすがフルサイズ。でも、開放なのに何となく真円に見えないとか、周辺部の欠け方とか縁取りとかうっすら年輪があるとか、やはり質的にはそれなりの感じだ。でも思っていたよりはずいぶん良いと思う。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(24mm), f8.0, 1/13sec, ISO1800, 0EV
ISO1800という中途半端な高感度で撮ってみた。今時のカメラなら当たり前かも知れないが、何も問題がない。というか、言われないとそうとは気がつかない。裏面照射CMOSじゃなくてもフルサイズの24MピクセルのCMOSセンサーはとても素性が良いようだ。
なお無理にもっと高感度に設定して試してみたりはしていない。というか、強力な手ぶれ補正もあるので、実際にISO3200とかISO6400とか必要になるシーンはあるのだろうか?と思う。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(115mm), f18, 1/4sec, ISO100, 0EV
コロナ渦でやたらにテレビに出るようになった品川駅港南口の密っぽい風景。わざとスローシャッターに設定してみたのでやっぱり感度は上がらなかった。そしてこのくらいは特に頑張らなくても手ぶれ補正でピタッと止まる。他社機のように秒単位で止まるかどうかは、まだ試してないので分からない。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(56mm), f5.6, 1/800sec, ISO100, -1.0EV
Nikon Z 5は基本のピクチャーコントロール8種類に加えて、クリエイティブ・ピクチャーコントロールと呼ばれる拡張モードが20種類も搭載されている。その中には流行のハイコントラストなモノクロなども含まれている。適用量も調整できるしこれは使いこなすと楽しそうだ。
しかもLightroomではこれら28種類のプロファイルがすべてサポートされているから、RAWファイル現像でもワンクリックで再現することが出来る。素晴らしい! どうもちまちまと小さな画面でカメラ内現像するのは苦手なのだ。
なお↑このカットは撮影時は普通にカラーで撮ったのだが、Lightroom上で「カーボン」を適用してみた。なんかそれっぽくなる。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(155mm), f16, 1/80sec, ISO100, 0EV
暗いレンズなのでフルサイズにしてはボケが少ない一方で、逆に確実に深い被写界深度を得ようとすると、それはそれでなかなか難しい。意図せず中途半端にうっすらボケるのが一番良くない。この条件で銀杏の木からスカイツリーまでシャープに写そうと思ったらF16以上が必要だった。
なお撮影結果をあらかじめ確認できることが利点と言われるEVF/LVだが、被写界深度は反映されていないことが多い。表示の問題だったり、像面位相差のせいだったりするのだろうか? この辺はメーカーや機種によって考え方と実装に違いがあるようだが、Nikon Zシリーズの場合は、EVF/LVに反映される絞りはF5.6までだ。
つまりZ24-200mmを使う場合は、絞り値の設定にかかわらずほとんどの場合開放でファインダーは表示されている。だから一眼レフ同様に実絞り状態で被写界深度を確認する「プレビュー」なる機能も搭載されている。
半ば言いがかりなのは承知の上だが、それってEVF/LVの利点を半減させてないか?と思う。もちろんプレビューしても一眼レフのように真っ暗になったりしないのは利点だ。でも本当の意味で「撮影結果が見える」わけではない。その中途半端さが気になる。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(200mm), f8.0, 1/320sec, ISO100, -0.7EV
さて、紅葉みたいな色の濃い被写体を撮ったときの発色はどうだろうか? PENTAX機が色飽和上等でわりと攻めている分野だけに違いが気になる。紅葉の撮影結果についてはまた別途エントリーしたいと思う。
という感じで、第一印象は非常に良い。何しろ使いやすい。そしてシャッターを切ったときの柔らかさが良い。EVFについてはもう少し使ってみないと何とも言えない。操作系は適度にカスタマイズが可能で詰めていくととても使いやすくなってきた。
そして24-200mmというレンズはとても便利すぎる。なのに恐ろしく安定した描写をするし、手ぶれ補正もよく効く。開放の暗さも思ったほど気にならない。事前の噂通りこれは高倍率ズームの概念を覆すレンズだと思う。いや、他マウントでもこのくらいは普通にあるのだろう。でもミラーレスならではなのは確実なのだろうと思う。
ファーストインプレションはもう少し続く…。