HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW は買わないと言ってたのはウソ

2020-07-03

 確か、自分に言い聞かせるように「買わない」と敢えて何度か宣言をした記憶があるのだが、気がついたら HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW を買っていた。あらかじめ予約して発売日に手に入れたわけではないのだが、結局それに限りなく近い状態になった。なんだよ、結局そうなるのかよ。

 買ってしまった理由はいくつかある。Twitterに流れてくる購入報告や撮影画像を見ていたら「その祭りに参加したい!」と羨ましくなったことはかなり大きい。さらに公式のスペシャルサイトや、Youtubeの公式チャンネルに上がってくる解説や作例の数々にも多大な影響を受けた。

PENTAX K-1改 + DFA★85mmF1.4

 それに、やはりDFAスターレンズはK-1/K-1 IIのために開発されているわけで、これは根っからのK-1改ユーザーを自称するためには持っておかなくてはいけないという使命感も感じた。それに関連してあともう一つ買う理由があるのだが、それは最後に告白しようと思う。

 まぁ要するに、欲しくて我慢できなくなった、ということだ。

 製品の詳細については公式スペシャルサイトが詳しい。この渾身の最高傑作をおまえは要らないというのか?と問いかけてくる。詰め寄ってくる。
 

DFA★85mmF1.4前玉

 このレンズの特徴は一番前玉に凹レンズを使っていることだそうだ。前玉は出っ張ってるけど実は凹レンズというのではない。そもそも前玉表面が凹んでいる。が、実物を見ていても実はその辺はよく分からない。コーティングが良いせいか、レンズ面の存在感がほとんどないのだ。触ってみるとよく分かるはずだが、もちろん触ったりしていない。
 

DFA★85mmF1.4後玉

 一方のマウント側はこんな感じだ。DFA★50mmF1.4もそうだったが、後玉もKマウントの物理的限界に挑むかのようなサイズだ。

 機械的な連動機構は一切なく、完全電子マウント化されたKAF4仕様となっている。さらに、マウントの固定ネジの数がやけに多く感じられる。1.2kg超えの重たいレンズを支えるためだろうか?
 

PENTAX K-1改 + DFA★85mmF1.4

 さっそく我がK-1改に取り付けてみた。フィルター径82mmに達する鏡胴はかなり太い。フードも深くてかなり大きい。が、K-1だと様になっている。端的に言って格好イイ。

 このサイズ感とバランスの良さのおかげか、この組み合わせだと手にしてもそれほど重たいとは感じない。
 

 
 DFA★50mmF1.4がかなりバーゲンプライスだったのに対し、DFA★85mmF1.4はなかなか良いお値段が付いている。公式で24万円ちょっと、市場価格は概ね22万円弱といったところだろうか。はっきり言ってお高い。とてもお高いのだがこの際仕方がない。
 

浅草で初撮り

 届いたそばから実はもう撮影に持ち出した。都内有数の観光地、久々の浅草だ。

 今回は画質についての評価をぐだぐだコメントしたりはしない。それは多分すごく良いに決まってるから。それよりもいったい85mmF1.4というレンズで何を撮れば良いのか?何を撮るとどうなるのか?というところを探ることが先決だ。このレンズは、具体的な撮影したい対象や仕上がり写真のイメージがないまま手にしたのだから。

 なので以下、写真だけ淡々と貼っていく。

浅草寺の香炉PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/800sec, ISO100, +0.3EV

雷門PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/800sec, ISO100, 0EV

花やしきのタワーPENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f8.0, 1/1600sec, ISO100, 0EV

根PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/800sec, ISO100, -1.3EV

扇子屋さんPENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/800sec, ISO100, -1.0EV

雷神像PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/320sec, ISO100, -1.0EV

宝蔵門前のしだれ葉桜PENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/2500sec, ISO100, 0EV

浅草寺本堂からの眺めPENTAX K-1改, HD DFA★85mmF1.4ED SDM AW, f1.4, 1/3200sec, ISO100, -0.7EV
とまぁ、初撮りはこんな感じだ。

 85mmというと歴とした中望遠でかなり画角が狭いという感じがするし、実際に狭いのだが、街歩きしながら目に入ったものを切り取っていくという撮り方にはしっくりくる。浅草は勝手知ったる街だからかも知れない。

 ある程度距離があるのにピント面以外は簡単にふんわりとボケるのが楽しい。何でもかんでも開放で撮るのは素人、という後ろめたさがどこかにあったのだが、このレンズはもはやできるだけ開放で使うべきじゃないかと思う。そうでないとこの大きさとこの重さ、このお値段のレンズを使ってる意味がない。それは50mmF1.4でもそうなのだが、特にこのレンズはその傾向が強いと思う。
 

買う理由

 さて、冒頭で少し勿体ぶって書かなかった、このレンズを買うことにした理由の最後のひとつだが… きっかけは以下のニュースだ。

 これが具体的にどういう結果をもたらすのかはよく分からないが、いずれにせよオリンパスユーザーとm4/3ユーザーだけにと留まらず、多くのカメラクラスタの人々の心にさざ波を立てた出来事だと思う。特に“PENTAX”ユーザーには「他人事ではない」というずっしりとした不安を与えたはずだ。

 つまりそういうことだ。要するにこれは未来への投資でもあるのだ。

 すでに開発発表されている新APS-C一眼レフ、新DA★16-50mm、DFA21mm Limitedの先には、きっと新K-1が控えており、そこまではKマウントが存続できるように、ここ敬虔なユーザーが一人いて確実な需要がありますよ!と手を高く挙げておかなくてはならない… という使命感を勝手に感じてしまったのだ。

 一ユーザーの意識や行動としてこういうのが正しいとは思わない。むしろ何か間違っている。でも、良くも悪くも自分にとっては趣味のことだから多分これで良いのだ。

 それもこれも含めて楽しもうではないか、と。

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