今年の100名城初めはベルギーワッフルで有名な山中城から

2020-07-01

 2020年も半分を過ぎようかという6月も末になって、今年初めての100名城スタンプ集めに行ってきた。今回の目的地は静岡県は三島市。国道1号線を進み、箱根峠を越えて三島市街に向けて山を下りはじめたところにある。晴れていれば富士山がよく見えるあたりだ。

山中城趾の碑PENTAX K-1改, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f2.8, 1/800sec, ISO100, 0EV
 この山中城は北条氏が小田原城の支城として築いたもので、かの有名な豊臣秀吉による小田原攻めの最前線となった城でもある。
 

ワッフル状の空堀PENTAX K-1, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(15mm), f8.0, 1/200sec, ISO100, 0EV
 さて、タイトルにも書いた「ベルギーワッフル」とは何かというと、こういうことだ。山城ではあるが石垣を一切使っておらず、堀と畝と土塁で構成されている。いかにも中世の関東らしいというか北条氏らしい構造の城だ。
 

障子堀のアップPENTAX K-1改, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(48mm), f8.0, 1/80sec, ISO100, 0EV
 このベルギーワッフル状の空堀は、正式には障子堀と呼ぶ。うん、そっちの呼び方も確かにしっくりくる。

 北条氏滅亡とともに廃城になり、その後放置されていたので、建物類は一切残っていないし復元もされていないが、堀や盛り土などの地形は良く残っている。
 

空堀と紫陽花PENTAX K-1改, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f11, 1/50sec, ISO200, 0EV
 全体的に芝が貼られ、ツツジや紫陽花が植えられてまるでちょっとした公園のようになっているが、この谷間もその昔防御のために掘られた空堀であり切り通しだ。

 これらの植物は観光地としての景観整備はもちろんだが、地形保護のためという意味もあるそうだ。
 

中山城趾西の丸PENTAX K-1, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(15mm), f8.0, 1/250sec, ISO100, 0EV
 こんな気持ちの良い広場を見ると公園にしか見えないが、こう見えても城跡だ。ここは西の丸跡だ。建物が建っていたのだろうか。何カ所か柱の跡が残っているそうだ。
 

杉林となった堀の跡PENTAX K-1改, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/50sec, ISO200, -2EV
 一方で一部は杉が生い茂って森になっている。自然の山谷に見えるが、これも人工的に掘られた堀跡だ。
 

本丸西橋PENTAX K-1改, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f11, 1/50sec, ISO400, -0.7EV
 建物類は復元されていないとさっき書いたが、この本丸と二の丸の間にかかる本丸西橋だけは復元されている。こんなに長閑な橋だったのかどうかは定かではないが、いざというときにすぐに落とせる簡素な木橋だったことは確かだそうだ。
 

睡蓮と紫陽花PENTAX K-1, HD DFA*70-200mmF2.8ED DC AW(83mm), f2.8, 1/1250sec, ISO100, -1.0EV
 城にとって重要な水の確保も跡が残っている。睡蓮が浮かび紫陽花に囲まれたこの美しい池も当時からあるもので、ここは主に馬のための水源だったそうだ。こうした沼や池がいくつか点在している。伊豆半島の付け根、箱根山系と言えば山の上でも水にはそんなに困らなかったかも知れない。
 

一ノ堀跡PENTAX K-1, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(15mm), f11, 1/100sec, ISO100, 0EV
 秀吉を迎え撃つために急造された岱崎出丸には一段と高い土塁と深い一ノ堀がある。西の丸のワッフルと比べると時代が新しいのか、エッジがシャープに感じられる。

 なお、この正面には富士山がある。良く晴れた日だったが残念ながら富士山は終始雲の中に隠れたままだった。


 ベルギーワッフルはGoogle Mapでもよく見える。

 戦国時代初期の古い山城であり、廃城されて長い時間が経つ城跡として、全体に「兵どもが夢の跡」な廃墟感に溢れていてとても良い城跡だ。

 これで100名城スタンプは44個目をゲット。今年は前半でかなり出遅れたので残り半年でなんとか折り返し地点(50個)までたどり着くことを目標としたい。
 

 
 

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