北海道ドライブ旅行2022(7日目:旭川〜銭函〜新千歳〜苫小牧)

2022-06-20

 前回からの続き。泣いても笑ってもこれが実質上の最終日だ。このエントリーでは北海道ドライブ旅行の7日目の様子をまとめておく。

7日目のルート

 旅の最終日、6月3日 金曜日の移動ルートは↓この地図に引いた茶緑色の線の通りだ(計画ではなく実績ベース)。この日の移動距離は約270kmだった(北海道上陸後の累積で1840km)。

7日目の移動ルート

 旭川を出発してからとりあえず高速道路に乗る。帰りのフェリーに乗るために16時過ぎに苫小牧に着けば良い。なので時間は中途半端にたっぷりあって、行こうと思えば夏の羊蹄山でも見に行こうか?という計画もちょっと考えたのだが、寄る年波には勝てず、ここまでの疲れが溜まってきているので無理はやめておいた。

 大人しく札幌でゆっくりするか、小樽か余市当たりまで足を伸ばすか? でも小樽は2年前に行ったばかりだしな……と色々考えていたら、結局小樽の手前にある小さな町、銭函で少し散歩をしたあと、新千歳空港の滑走路脇にある定番撮影スポットに立ち寄ることにした。すべてその日の思いつきだ。

にわか旅行者が見た北海道の高速道路事情

 北海道のドライブと言えば都市間距離が長くて移動時間が意外にかかるので、あまり無理な計画を立てないように、という話をネタ的なものも含めてときどき目にする。

北海道の都市間距離

 今回の旅でも↑こんな掲示物を目にした。なるほどこれは大変だ。しかし下に小さく注意書きがあるようにこれは「※高速道路を使わない場合」のものだ。

 だから実際車で旭川から札幌へ行くのに、この表にあるように3時間もかかったりは普通はしない。比較対象としてあげられている東京ー山梨間の方が「中央道なら本当に3時間かかるかもね」と思ってしまう。

 いや、だから気にする必要はないというのではない。天候とかその他もろもろ地域の事情があって、旅行者には分からないことがたくさんあるだろう。高速と言っても片側1車線の対面通行区間ばかりだとか、渋滞の起こりやすい日時や時間帯があるとかとか。でもそれはどこの地域でもあることで、北海道だけ特別なわけではない。
 

砂川SAの308SW 金山PAの308SW

 閑話休題。途中休憩した道央自動車道の砂川SAは日本最北のサービスエリアだというので記念写真を撮っておいた。もう一枚は今回の旅ではかなりお世話になったセイコーマートとの記念写真。コンビニ付きにパーキングは全国各地にあるが、北海道はさすがセイコーマート付きのパーキングエリアがあった。

 北海道の道路事情について認識不足だったことと言えば、途中のパーキング等でちょっと食事しようとかコーヒー飲んで休憩しようとか当てにしても、札幌周辺ならともかく道東自動車道や旭川紋別自動車道などでは、ほとんどのパーキングにはトイレしかないということだった。

 なお308SWのディーゼルは満タンからの航続距離が長い(~1000kmくらい)ので、給油タイミングはそれほど気にする必要はなかった。実際はかなり余裕を持って釧路、網走、旭川あたりの都市部で給油したが、計算上は網走で1回すれば済んだかも知れない。
 

何もなさそうで何かありそうな銭函

 さて、旭川からそのまま小樽まで行って回転寿司でも食べてお茶を飲みながらゆっくりしつつ、また北一硝子にでも立ち寄ろうと最初は思っていたのだが、途中で「銭函」という地名を見て思わず高速を降りてしまった。

 ここは以前にGR関連のフォトウォーク的なイベントが行われていた場所だ(参加したわけではない)。いったい何があるのだろうか? ということで、全くの事前リサーチもないまま行ってみることにした。

銭函の海岸 銭函に建つ蔵のあと

銭函の砂浜に建つ廃屋PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(31mm), f8.0, 1/400sec, ISO100
 駅前にコインパーキングがあったのでとりあえず車を停めてあとは適当に歩き回ることにする。小樽近郊には砂浜が点在していてここ銭函はその中のひとつらしい。そう言えば、ここまで道東方面の海沿いを見てきたが砂浜はほとんどなかった気がする。これは北海道の中でも石狩湾の海岸線独自の風景なのかもしれない。
 

銭函の青い家 銭函の海岸

砂に刺さる木の棒PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f2.8, 1/3200sec, ISO100
 海沿いの道路を歩いて行く。すぐそこに海岸は見えているのだが、海に出る道を見つけるのにだいぶ歩いた。特に何かがあるようには見えないが、ただの海沿いの田舎町とも思えない。

 人の気配はないし交通量も少ないのに駅の近くは飲食店が多い。コンビニもあるし、食べたり飲んだりにはそんなに困らない。お昼も食べられるしコーヒー飲んでちょっと休憩もできそうだ。
 

銭函の海岸PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(70mm), f2.8, 1/3200sec, ISO100
 やっと砂浜に出た。遠くに石狩湾の向こう側にある港から、ずっとその先の沿岸部が見えている。手前には風車も並んでいる。海にはウィンドサーフィンをやってる人もいるし、浜には海をじっと見ている人が二人いる。何もなさそうでいてやっぱり何かがありそうだ。

 もう少し進んでみたい気はしたが、車に戻る道もどんどん長くなることを考えて、適当なところで切り上げることにした。結局銭函に何があるのかは分からなかったが、気配だけは感じた。今度はもっとちゃんと調べてこよう。
 

新千歳空港の定番撮影スポットへ行ってみる

 次に普通の観光客は行かないところへ行ってみることにした。

新千歳空港 生コンポイント 新千歳空港 生コンポイント

 それはこんなところだ。新千歳空港の民間側滑走路の脇にある通称「生コンポイント」と呼ばれる飛行機の撮影ポイントだ。新千歳空港で飛行機写真を撮る人達にとっては定番の人気ポイントであり、車があれば比較的アクセスも簡単なのだが、見ての通りこの日は無人だった。それにしても周辺の新緑が美しい。

 フェンス越しに撮るには脚立があると便利とネットに書いてあったが、308SWにはもしもの時のためにちゃんと小さな脚立を積んである。飛行機&レンタカーの旅ではなかなかできない。思いつきならなおさらだ。
 

新千歳空港01Rに着陸するB787 新千歳空港01Lを離陸するB737

新千歳空港01Rに着陸するA350PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(330mm), f8.0, 1/320sec, ISO100
 この日は北風が吹いていたのか01R/01Lが使われていた。着陸してくる飛行機は新緑に阻まれて見通しが利かずにいきなり滑走路上に現れるのだが、タッチダウンポイントはこのとおりちゃんと見える。

 離陸機は遠い01L側を使っていた。背後には支笏湖周辺の樽前山や恵庭岳などが見通せる。なるほど!こういう場所なのか。冬はもっと綺麗だろう。
 

新千歳空港01Lを離陸するB777PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f8.0, 1/400sec, ISO100
 そして離陸機を追いかけて行くと、右手の方にはこれまでに何度も利用したことがある新千歳空港のターミナルがある。B777などの大型機ならちょうどバックに収まる感じで離陸して行く。なるほどなるほど!

 運航便数の多い大空港とは言え羽田のようにはいかない。1時間くらいいても数機しか撮れないが、今回は飛行機写真を撮ることが重要だったわけではなくて、新千歳で撮ってみたという体験だけで満足なのだ。念のためDFA150-450mmを持ってきていて良かった。ラゲッジに脚立が積んであって良かった!

 飛行機に乗れば東京には1時間半くらいで着いてしまうんだな…… という当たり前のことがちょっと不思議に思えてきた。もし今目の前を飛び立ったB777に乗っていたら、今日の夕飯は家に帰ってから食べるか、羽田で食べていくか迷うところだろう。今までならそれだって長旅という感覚だったのに。

 でもこの日の自分は、これから我が308SWを運転して苫小牧港に向かい、フェリーに乗って20時間以上かけて帰るのだ。家で夕飯を食べるかどうかという問題は明日考えるべきことだ。

 遙かなる東京、遙かなる北海道!
 

苫小牧の海の駅でホッキ貝を食べる

 さて、7日間の北海道周遊の旅で最後に立ち寄るのは苫小牧港にある海の駅「ぷらっとみなと市場」だ。到着当日に寄ろうかとも考えていたのだが、やっと北海道にたどりついた興奮から気が急いて、初日はさっさと高速道路に乗って帯広に向かってしまった。

 なので帰りのフェリーに乗る前には是非寄らねばと道中ずっと思っていたのだ。午後の中途半端な時間なので食べまくるとはいかないが、フェリーの時間待ち調整兼午後のおやつにはちょうど良かった。 

苫小牧 ぷらっとみなと市場 苫小牧の元気コロッケ

ホッケ串カツRICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO800
 ホッキカレーが有名で定番らしいのだが、おやつに食べるにはカレーはちょっと(おじさんには)重たい。お寿司も捨てがたいしどうしたものか…… と考えていたら、コロッケ屋さんが目にとまった。

 なぬ?ホッキの串カツ? なにそれ食べたい! という心の声が漏れたのか、暇そうにしていたお店のおばちゃんにすぐに声をかけられた。「串カツ食べる?揚げたてをあげるから2分待ってね」と。目の前で揚げてくれてそれをそのまま食べられるなんて!ということで即決した。

 これがものすごく旨い。ソースとか何もかけなくてもホッキの旨味だけで十分すぎる。まるで食レポでもしてるかのように「ウマッ!」と声に出してしまった。おばちゃんはニヤリとしていた。

 今回の旅で食べた美味しいものランキングをつくるなら3本の指に確実に入る。また食べに行きたい。

厚岸の生牡蠣RICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO400
 さらに別のお店では、苫小牧の海産物だけでなくなぜか厚岸産の牡蠣を売っていた。しかもその場で食べることが出来ると言うではないか。物欲しそうに冷蔵ケースの前で悩んでいたら、これまたすぐにお店のおばちゃんに捕まった(声をかけてもらおうとしていたとも言える)。どこから来たの? これからフェリー乗るの? せっかくなら食べて行きなさいよ、と。

 ということでエーウロコよりも少し高かったのだけど(それは仕方がない)、厚岸で食べられなかった分をいくらか取り返すために大粒の生牡蠣を二粒食べた。これだよ、これ!この感覚を味わいたかったのだ。だから予定も予想もしていなかったけれど、今回の旅にとっては完璧な〆となった。
 

苫小牧のフェリー乗り場PENTAX K-1 II SE, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(15mm), f8.0, 1/400sec, ISO100
 海の駅からフェリー乗り場までは10分もかからない。遅刻して乗り遅れることもなかったし、道中で怪我や病気や事故や故障もなかったし、フェリーもちゃんと定時運航している。あとは波に揺られてのんびり帰るだけだ(フェリー編はまた別途)。
 
 思い残すことはない…… ということは全然なく、また来なくては!という宿題ばかりだけど、それを集めてきたことが今回の旅の一番の収穫だったと思う。

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