PEUGEOT 308SWの排ガス浄化システムが壊れたらしい

2020-03-20

 納車以来ずっと快調で何も問題がなかったPEUGEOT 308SWだが、初の車検を3ヶ月後に控えた今になって、トラブルらしいトラブルに見舞われた。と言っても、ウンともスンとも言わなくなったとか、まともに走れなくなったわけではない。

PEUGEOT 308SW GT 
 事故ったわけでもない。ただ、エンジンをかけると警報音が鳴り響いて警告ランプが点灯するようになってしまった。しかも二つも。

Engine fault & Emission control fault

 点灯した2つの警告灯というのは↓これだ。
 
Engine fault 警告表示 
 「Engine fault: Repair needed(エンジン壊れてるよ! 修理してね!)」

 なんともストレートなメッセージだ。これはある日、都内を走らせている途中、信号で停止したときに突然点灯した。超ビックリして慌てていると、2つめの警告が警報音とともに続いて表示された。
 

Emissions control 故障警告 
 「Emissions control fault(排気まわりがなんかおかしいよ!)」

 むむ?なんだなんだ? 安全に止まれる場所を探しつつ、水温やその他の表示をチェックしてみたが、他は特におかしくはない。実際アクセル踏むと普通に反応するし、特にパワーや音がおかしいような感じもしない。ミラーを見る限り煙も吐いてない。

 一度停止してエンジンをかけ直してみたが、やぱり警告は点灯する。本当に動かしてはいけない場合は「STOP」が表示されるはずなので、とりあえず自宅まで残り10kmくらいの道のりを、だましだまし走らせて無事帰ってきた。
 
 翌日以降、時間をおいて十分クルマが冷えてから再始動しても、状況は変わらなかった。どうやら一時的なセンサーの異常とか気のせいとか、そういう無視してても良いことではないようだ。
 

説明書を確認してみる

 排気まわりの異常だとすると、DPF(微粒子除去フィルター)が詰まってしまったとか、SCR(選択的触媒還元システム=排ガス浄化システム)用のAdBlue(尿素水)が足りなくなったとか、いろいろ想像できるのだが、説明書に何かFAQ的なことが書いていないか調べてみることにする。

PEUGEOT 308説明書 
 うーむ、もし単にAdBlueが残り少なくなって補充が必要になった場合は、Emissionがうんたらという警告とUREAランプが点灯するだけのようだ。走行可能距離が600kmを切るとSERVICEも点灯し、本格的に空になるとエンジンがかからなくなるらしい。コレはちょっと違う現象のように思える。
 

PEUGEOT 308説明書 
 警告灯の表示が完全に一致するのは「SCRシステムの異常」だ。だが、具体的にどういう異常があってどのくらい深刻なことなのかは何も書いていない。

 エンジンをかけ直すと消えることもあるらしいし、走行可能距離云々という記述を見ると、とりあえず走るうちは走らせても直ちに問題はないようにも受け取れる。深刻度はよく分からない。

 ということで、次の段階としてこのPEUGEOT 308SWの購入先であり、いつもメンテナンスでもお世話になっている原工房さんに、状況を説明して指示を仰ぐことにした。すると、とりあえず自走して持ってきてくれとのこと。10kmちょっとの下道くらい問題ないだろうと。

原工房まで再び走らせてみる

 警告灯が点灯してから数日後、恐る恐る308SWを走らせた。相変わらず警告灯はついたままだが、特に問題なくたどり着いた。

原工房 
 ちなみに、再度走らせてみてもやっぱり特に異常は感じられない。異音も異臭も振動もない。トルクは出ているしアクセルを踏めばグイッと力強く加速する。燃費計をモニターしてみたがいつもと変わってるように思えない。

 ただ、自分の感覚が信用できないことは過去の経験で分かっている。燃料ポンプが壊れたまま気付かなかったこともある。スタビライザーが折れているのに普通に走らせていたこともある。雨漏りしているのさえ気がつかなかった。すべて原工房で「これどうしたの? なんで今まで言わないの?」と、よく怒られた指摘されたものだ。
 

PEUGEOT 308SW GT フロント 
 閑話休題。さっそく調べてもらったところ、とりあえずAdBlueはたっぷり入っていたようだ。さらにダイアグにかけたりして色々見てもらった結果、どうやらAdBlueをタンクから吸い上げるポンプが動いていないのではないか? という可能性が高くなった。もし本当にそうだとすると、AdBlueのタンクからポンプまで一式まるっと交換が必要になるらしい。

 幸いメンテナンスパックにも入っているし、保証期間中でもあるので無償で修理はやってもらえる。だが、保証期間中であるが故に原工房で作業することは出来ず、正規ディーラー送りとなる。そうなると納期が読めない… ということでとにかく期間未定のまま預けることとなった。
 

尿素SCRシステム

 ちなみにAdBlueタンクとポンプ類のユニットとなると、↑この青色の部分全体と言うことでわりと大物となる。簡単には済みそうにない。それに、もし有償だったらいくらかかるのか恐ろしくもなる。
 
 
PEUGEOT 308SW GT 
 ちなみに原工房さんではいまだ同様の現象には出会っていないそうだ。ただ、2Lのディーゼルにはちょこちょことトラブルがあるらしいが、詳しいことは教えてくれなかった。

 とにかくすっかり良くなって戻ってくることを願うしかない。

▼後日談▼

クリーンディーゼルの肝となる尿素SCRシステムとAdBlue

 最後にSCRシステムとかAdBlueとは何か?ということをおさらいしておこう。

 これは尿素SCRによる排ガス浄化システムの説明ページだ。特に動画が分かりやすい。

 尿素SCRシステムとはディーゼルエンジンの排気に多く含まれる窒素酸化物を浄化するためのもので、酸化触媒を通過した後の排気に尿素水を噴射することで実現している。この尿素水が一般にAdBlueと呼ばれている。

 なお、この尿素SCRシステムを搭載したクリーンディーゼルエンジンをPEUGEOTでは”BlueHDi”と呼んでいるが、この技術自体はPEUGEOT独自のものではなく、メーカーを問わず大型車から乗用車まで、近年のクリーンディーゼル車のほとんどが同じ仕組みを使っている(ただしマツダのSKYACTIVE-Dを除く)。

 AdBlueもガソリンや軽油同様にメーカーに依存しない汎用品なので、どこでも入手可能だが、308の場合タンク満タン状態で概ね20,000km以上持つので、普通の乗り方だったら毎年の点検ごとに補充していれば残量を気にする必要はない。
 
 ということで、クリーンディーゼルならではの肝の部分が故障したことが、残念でもあり、ちょっと嬉しかったりもする程度にはマゾだったりする。だてに20年もPEUGEOTに乗り続けているわけではないのだ。

2020-03-20|タグ: , , , ,
関連記事