ここ約20年の間にプジョーの車は3台乗り継いできている。が、実は一番最初の306に乗り始めた頃に買ったもう1台のプジョー車がある。というのはPacific-18 という折りたたみ式の小さな自転車だ。今はなくなってしまったようだが、当時はまだプジョーブランドの自転車はいろいろ販売されていた。
ここ数年は折り畳んだ状態で家の中の隅っこに保管というか放置してあったのだが、ちょっと思いつきで引っ張り出してみることにした。
その前に、NASの奥底を浚って昔の写真を探してみた。すると恐らくPacific-18を買ったばかりの頃の写真が出てきた。後は当時乗っていたPEUGEOT 306だ。車は濃紺だが自転車はド派手な黄色を選んだ。2001年頃のことだ。
PEUGEOT Pacific-18は実際は純粋なプジョー製ではなく、r&m製のBD-1(旧型)という有名な折りたたみ自転車のリブランド品だ。プジョーロゴがついてるだけでモノは完全にBD-1と同一なはずだ。
お値段もプレミアがついていたと言うことはなく、同仕様のBD-1とほぼ同じくらいで、カラーバリエーションのひとつという感じだったと記憶している。
当時のプジョー乗りの人は高い確率でプジョーの自転車も持っていたし、自分もその流れに流されただけで、実際こんなに良い自転車が必要だったわけではない。
とは言え、単にプジョーグッズとして持っていたというだけではなく、こうして車のラッゲジに積んで一人で遠出をし、現地では自転車で行動するという実用的な使い方をしていた。実際にとても便利だった。
普通のCセグメントハッチバックな306にもすっぽり収まったのでサイクルキャリアなども必要ない。もちろん、その後乗り継いだ207SWや現在の308SWのラゲッジにも余裕で収まる。
しかし実際のところ、そういうレジャー用途だけではなく、駅やコンビニへの足として日常使いもしていた。小さくて軽量なので駐輪スペースが混んでいても隙間や隅っこに押し込みやすかったし、街乗りにもいろいろ便利だった。
とは言え色々あって自転車を使うという生活をしなくなり、冒頭に書いた通り、ここ5年くらいは使わずにずっと死蔵していた。
しかしコロナ禍になって以降、旅行しにくくなった代わりに、地元をよく散歩するようになったのだが、そこで自転車があるとぐっと行動範囲が広がることに気付いた。
ということで、埃を払い、タイヤに空気を入れ、各種可動部の動作を確認し、注油をし、再起動させてみることにした。
せっかくパーツが豊富なBD-1なのに、自転車に趣味としてそれほど嵌まらなかったおかげで、ほとんどカスタマイズ的なことはしていないし、メンテナンスも当初は定期的に自転車屋さんで見てもらっていたが、その後はだんだん怠たるようになって、とうとう乗らなくなっていた。
新車時代から変わってるのはタイヤとハンドルのグリップくらいだ。革製のPEUGEOTロゴ入りサドルは滑るし固いし不評で、ライトユーザーでも即交換アイテムとされていたが、短距離利用しかしなかったのでそのまま使ってきた。経年変化で良い感じに味わいが出ている。
結局のところ、自分はこの自転車をプジョーグッズの範疇でしか扱ってこなかったと言うことだろう。勿体ないとも思うが、それでも20年稼働状態を保てたのだからまぁいいかと思っている。
今でも遠目にはなんとなく綺麗だが、細部はかなり汚れているし、明らかに痛んでいる部分もある。転倒した記憶はそんなにないが、わりと傷だらけでもある。
でも数年放置していたとは言え、基本的な整備だけですぐに走り出すことは可能だった。ちゃんと走るし止まる。変速もできる。アルミ製の小型車らしく相変わらずとても軽快だ。
だから当初は無邪気に、ブレーキまわりもちゃんと手入れして、タイヤもちゃんと交換してまた乗りはじめようかな〜?とか考えていたのだが、Twitterで以下のような情報をもらった。
なるほど… フロントフォーク、ステアリング、シートポストやその他各部にクラックが発生していてもおかしくない歳頃だと。確かに20年は耐用年数を超えてると言われたらその通りに違いない。他にも色々調べてみたが、やはりこの記事の内容と同様の話が出てくる。
慌てて一通り記事にあるポイント部や溶接部なども見てみたが、幸いクラックなどは見られなかった。が、明日は発生してるかも知れないし、前兆なく突然バキッと逝ったりするのかも知れない。これは危ないので注意しなくてはならない。
ということで、この自転車にお金と手間を今からかけるのはやめることにした。点検しつつ、少し近所の移動で使ってみて、やっぱりミニベロのある生活に戻る気になったなら、新しい自転車を買おうと思う。
でも新しく買うなら電動自転車が欲しい。いや、いっそのこと原チャリとかどうだろう?などと、車に搭載することはもう考えなくなっている。