北海道ドライブ旅行2022(4日目:ウトロ〜斜里〜摩周湖〜網走)

2022-06-13

 前回からの続き。そろそろ旅も折り返し点だ。このエントリーでは北海道ドライブ旅行の4日目の様子をまとめておく。

4日目のルート

 旅の4日目、5月31日 火曜日の移動ルートは↓この地図に引いた赤い線の通りだ(計画ではなく実績ベース)。

4日目の走行ルート

 この日はウトロから網走に向かう。前日と反対に1日にしては比較的移動距離が短くて、かなり回り道をした上でも約230kmほどの走行距離となった。

 ウトロからしばらく海岸線を斜里方面へ進んだ。ここは5年前の冬に訪れた時も行ったり来たりした道だ。斜里町は中標津周辺と同様に真っ直ぐな道が多い。その中でも高低差がそこそこあって28kmに渡って続く直線道路を起点から眺めてきた。その後内陸部へ向かい摩周湖、屈斜路湖を巡り、美幌峠を越えて細々と寄り道しながら網走へ到着した。

三角岩からウトロ港を眺めイクラ丼を食べる

 移動距離が少ないと言うこともあって、朝はゆっくり温泉に浸かってから遅めに出かけることにした。まずはウトロ港にあるオロンコ岩に行ってみたのだが、駐車場も遊歩道も閉鎖されていた。せっかく岩の頂上に登る気満々だったのだが。遅めとはいえ10時前だったので、もしかしたら事故防止のために日中しか開いてないのかも知れない(実際の事情は不明)。

知床旅情の歌碑 ウトロ港から眺めるオホーツク海

ウトロ港と308SWPENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f5.6, 1/800sec, ISO100
 仕方ないのでさらに先にある三角岩の方に行ってみた。トンネルの先は釣り客向けの有料駐車場だったのだが「釣りではなくてただ景色を眺めに来た」と言うと、駐車場のおっちゃんはナンバーを横目で見つつ代金を半額に負けてくれた。

 ここは小さなウトロ港のほぼ出口付近で、海側からウトロの町を眺めることができる。三角岩がちょうど岬となって小さな湾を形成している。4月末に起きた悲しい事故の報道でよくここから撮影された映像が使われていた。この日は少なくともウトロ港の風景はまったく平穏な状態に戻っていた。
 

シリエトクのイクラ丼RICOH GR3, f4.0, 1/40sec, ISO1000
 そしてウトロの道の駅「シリエトク」のフードコートがオープンした頃を見計らって、いわゆるブランチを食べに行った。ここで出される海鮮丼を是非食べたかったのだ。5年前は朝も夕方も営業時間外で食べることができずに悔しい思いをしたので、今回そのリベンジが叶った。

 やや残念なことにどうやらウニが入荷してないらしく、イクラ丼か(イクラとサーモンの)親子丼しか選べなかった。親子丼も悩んだのだがここは潔くイクラ丼を選んだ。こんなにイクラを食べると気持ち悪くなるかも知れないと少しビビっていたのだが、しかしこれがとても美味しくてあっさりしていて全くそんなことはなかった。なんならお代わりしたいくらい。

三段の滝とオシンコシンの滝をはしごする

 ウトロと斜里を結ぶ国道334号線沿いにはいくつかの滝がある。知床半島の山の上から海に向かって流れる川は、フレペの滝などと同様に海岸線の断崖絶壁で滝になっているところが多い。

三段の滝PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(35mm), f22, 0.3sec, ISO100

オシンコシンの滝 オシンコシンの滝

 中でも三段の滝とオシンコシンの滝は国道のすぐ横で駐車場と展望スペースが用意してあって気軽に見にいくことができる。ここも5年前の冬にも立ち寄ろうとしたのだが、雪に埋もれていて駐車場に入ることができなかった。凍っていたりしたらそれはそれで良い眺めななはずなのに、冬は閉鎖されているものなのか運が悪かったのか良く分からない。

 ということで、この二つの滝を見るというリベンジも果たすことができた。宿題は溜めるばかりではなく消化していかないと、人生がイクラ…… ではなくて、幾らあっても足りない。

斜里の直線道路 天に続く道を独り占めする

 さらに西へ向かって知床半島のちょうど付け根あたりまでやってきた。斜里町の牧場地帯は中標津周辺に負けず劣らず直線道路が多い。

天に続く道スタート地点の駐車場 天に続く道の看板

天に続く道PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f8.0, 1/125sec, ISO100
 その中でも最近「映えスポット」として人気になっているのが、国道334号線の延長線上のどん詰まりにあるT字交差点だ。ここからは網走方面に向かって約28kmに及ぶ直線道路が見通せる。「天に続く道」という通称も付けられ、Googleマップにもその名で載っている。

 以前からそこそこ有名な場所だったそうだが、最近はそのT字交差点に小さな駐車場と展望スポットが用意されている。もしかしたら混んでいるかも?と思っていったが、実際はガラガラだった。

 なるほど看板が置かれたりしているが、それほどまだ観光地化されているわけではない。というかこの周辺の道はどこを見てもかなり「天に続く道」感がある。28kmもないにしても、北向きの道路も海に向かって真っ直ぐ道路が延びていてとても良い。逆に斜里岳や海別岳に向けて登っていく方の眺めも良いかも知れない。
 

天に続く道と308PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(115mm), f4.0, 1/1000sec, ISO100
 周辺は畑で何もない。なので駐車場のベストポジションに車を置いて写真を撮りまくり、写真に飽きてからはしばし看板前の特等席に座り込んで、ボーッとどこまでも続く道を眺めて独り占めするという贅沢を楽しんできた。

霧が晴れて一瞬姿を見せた摩周湖

 天に続く道を下りつつ小清水町で国道339号線に入り山の方へ向かった。ウトロから斜里にかけては雲が多いながらも概ね日が差していたが、山に登るに従って分厚い雲に覆われてきた。

霧で虚無の摩周湖 霧で虚無の摩周湖

霧が晴れた摩周湖PENTAX K-1 II SE, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(21mm), f8.0, 1/400sec, ISO100
 摩周湖外輪山の九十九折りの道を上るに従って深い霧が立ちこめてくる。霧と言うより雲の中といった感じだ。第1展望台の駐車場のゲートにいたおじさんによると「摩周湖が見えるかどうかは天気と関係ない。どんな悪天候でも見えるときは見えるし、快晴でも見えないときは見えない」とのこと。と言いつつ「まぁ、時間があるなら明日もおいでよ」と言い添えるあたり、今日は無理だとおじさんも思っていたのだろう。

 とはいえせっかくここまで来たからには、駐車場料金を払ってでも真っ白な景色を見ておかなくてはなるまい。

 果たして最初は真っ白でやはり何も見えなかったのだが、5分も経つとスーッと視界がが開けてきて何かが見えてきた。ん?何だあれは?と思ったらそれが摩周湖の湖面だった。気がついたら目の前だけ景色が青い!
 

霧が晴れた摩周湖PENTAX K-1 II SE, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(15mm), f8.0, 1/400sec, ISO100
 摩周湖にはいろいろな言い伝えというかジンクスというか、都市伝説のような話があるが、霧が立ちこめる中に青い摩周湖が幻のように見えたことは、素直にラッキーだったと喜ぶことにしたいと思う。これはリベンジと言うことではないが、またいつか快晴の中湖面だけ霧に覆われた姿や、何一つ遮る物がないクリアな景色もまた見に来たいと思う。

 なお、この駐車場にあるはずのお土産屋さん&レストランは工事中で、またもや営業していなかった。コーヒーとちょっと甘いものでも食べようかと当てにしていたのだが……。
 

硫黄の香りを嗅ぎ温泉気分に浸る

 摩周湖の外輪山を下り屈斜路湖方面へ行くと、途中に忽然と噴気をもうもうと吐き出す火山が現れる。その名もズバリ「硫黄山」で、近づくに従って車内も否応なく硫黄の匂いに満たされた。だったらいっそのこともっと近づいてみよう。

硫黄山PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f5.6, 1/400sec, ISO100

硫黄山の看板 温玉ソフト

 そこにはいわゆる「地獄」的な景色が広がっている。もうもうと噴煙を吐く黄色い岩の近くまで歩いて行けるし、何ならその途中にも足下から噴気とお湯が噴き出していたりする。これはあれだ、金属類がやられてしまうやつかも知れない。iPhoneとかApple WatchとかK-1 Mark IIとか、いろいろと電子機器を身につけているが大丈夫だろうか?(大丈夫だった)

 こんな姿をしているからには比較的新しい火山かと思えばそうでもなく、何万年単位でここにこの状態であるらしい。それも火山の時間軸からすればごく最近のことなのかも知れない。そう言えば摩周湖もカルデラ湖としてはとても若いものだとか。

 硫黄の香りがする噴気を浴びたことで、湯上がり気分になったのでソフトクリームを食べることにした。普通のミルクにしようと思ったのだが、お店のおじさんが絶対これにしろと「温玉ソフト」なるものをごり押ししてくる。ゲテモノはイヤだなぁと断ろうと思ったのだが「これ、混ぜて食べるとプリンみたいな味になるんだよ」と言われて、なるほど!と納得し急に食べてみる気になった。

 結果的におじさんのごり押しは正しくて、本当にプリンみたいで美味しかった。意外に温玉の主張は控えめでソフトクリームがちゃんと主役になっている。地元の人の言うことは素直に聞いた方が良い。
 

虚無の屈斜路湖PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/200sec, ISO100
 こんな火山があるからには、その周辺一帯から屈斜路湖にかけては温泉場となっている。川湯や砂湯、その他いろいろ「湯」の文字がつく地名地図に載っていた。

 屈斜路湖畔を走ってみたが、天気が悪く景観的にはかなり残念な状態だった。ならばと良さそうな日帰り温泉があれば飛び込んでみようかと思ってキョロキョロしながら運転していたのだが、今ひとつピンとくる場所を見つけられず、結局通り過ぎてしまった。

 今度ちゃんとリサーチしてから訪れてみようと思う(宿題さらに+1)。

5年前の網走の冬を思い出す

 ここまで何度も書いてきたが、網走からウトロにかけての海岸沿いには5年前の冬に一度来ている。最後はその思い出の場所にも敢えて寄ってみた。

どん曇りのメルヘンの丘PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(58mm), f8.0, 1/60sec, ISO100
 女満別空港から網走市街地方面に向かうと「メルヘンの丘」と名付けられた映えスポットがある。しかしこの日は思い切り曇っていてどうにもならない。西向きなので晴れていれば絶景だったかも知れないのだが仕方がない。
 

北浜駅から釧路方面に出発する釧網線のディーゼルカー 北浜駅の看板

網走方面から北浜駅に近づく釧網線のディーゼルカーPENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f3.5, 1/500sec, ISO400
 その後少し斜里方面に戻って寄り道をしてみた。たどりついたのは海岸沿いを走る釧網線の北浜駅だ。

 北浜駅に着いてから時刻表を調べてみたら、もうすぐ網走方面から釧路行きの列車が来ることが分かったので、少し待って写真を撮っていくことにした。時間になると1両のみのディーゼルカーがやってきたが、車内は結構混んでいるようだ。北浜駅でも数人の学生が降りて、駅前で待っていた迎えの車に乗って去って行った。

 そうか、何となく物見遊山でやってきたが、ここは観光地化された廃駅ではなく、まだ現役の駅なのだという当たり前のことに今さら気付かされた。

 なお北浜駅は無人駅だが駅舎の中に喫茶店が入っている。5年前は何となく入りそびれたのだが、今回はそれこそコーヒーでも飲んでいこうと思ったのだが…… ここもまた定休日だった。今回の旅はちょっと一息のコーヒーは飲めない運命なのだろうか。

網走の夕食はセイコーマートで済ませる

 ということで、北浜駅から網走の道の駅に少し立ち寄りつつホテルにチェックインしてこの日は終了だ。

サッポロクラシックの缶限定品 セイコーマートのザンギ弁当

 少し疲れも出てきていたので、この日はセイコーマートのお弁当を買ってきてホテルでゆっくりすることにした。ビールはもちろんサッポロクラシックなのだが、見慣れない青い缶が並んでいた。後で調べたらちょうどこの日から限定で店頭に並んだものらしい。

 外したらイヤだなと思い、350ml缶でレギュラー品も一緒に買ってきた。でも結論から言うと限定品の「夏の爽快」はとても美味しい。レギュラー品よりもしっかりした苦味を感じつつ、サッポロクラシックのサラッとしたちょうど良い旨味のバランスを失っていない。これはまた帰る前に500ml缶で飲まなくてはならない。

 いよいよ旅も後半戦だ。翌日は今回の旅程の中でももっとも行き先が定まっていない日なのだが、何とかなるだろう。
 

関連エントリー

 

関連記事