ようやく成田−ホノルル線に就航したFLYING HONU 3号機を見に行く

2024-01-12

 昨年の10月末、ANAの成田−ホノルル線に3機目となるA380−841、通称FLYING HONUが投入された。ひときわ鮮やかなオレンジ色に塗装されたこの3号機は、2020年春にエアバスの工場でロールアウトしてから、今日の営業運航にこぎ着けるまで、約3年半という非常に長い時間がかかってしまった。

 機体が完成してから約1年間はエアバス社によりフランスのツールーズでストア(保管)されていた。そして2021年11月にようやくANAが受領し成田にデリバリーされてきたが、航空需要は依然として回復しておらず、そこからさらに約2年にわたって成田でストアされていた(時々メンテナンス・フライトのみ行われていた)。

 一時期はもうこのまま2度とA380のような超巨大機が活躍する世界は戻ってこないのではないか?と言わたこともあり、実際にコロナ禍の間に引退に追い込まれたA380も多い。

 それだけに新造から3年以上の地上生活を耐えたこの3号機が、実際にお客さんを乗せて成田とホノルルを往復する姿が見られるようになったことは、日本の航空ファンにとってはとても明るいうれしいニュースだし、コロナ禍が去ったことを実感する一つの出来事でもある。

 営業運航を開始してから約2ヶ月が経過した昨年末、そんなオレンジ色のFLYING HONUの姿を見に行こうと思い立ち、成田空港そばの「ひこうきの丘」まで出かけてきた。
 
ANA B777-300ER

 午前中は雲が多かったものの午後から晴れるという期待を裏切り、なかなか雲が取れない。かと言ってどん曇でもなく微妙な光がまわっている。機体の質感がかえって浮き上がってくるので、こういうのもたまにはいいかもしれない。
 

マレーシア航空 A350-900

 時間が経つにつれてゆっくりと雲が薄くなっていく。時間はずれたが予報は概ね当たっていたようだ。一瞬出来た雲の隙間から空港に陽が差し込んでマレーシア航空のA350を照らし出した。
 
 ひこうきの丘にある鐘のオブジェをわざと前ボケで入れたのだが、ただの影になってしまい失敗だったかもしれない。今度完全に晴れているときにもう一度やってみよう。
 

ANA FLYING HONU 2号機

 ANAの成田−ホノルル線は1日2便飛んでおり、12月からは両便ともA380で運航されている。この日ホノルルから戻ってきた最初のFLYING HONUは2号機だった。まだ日没前ながら微妙に光は足りていない。惜しい。
 

JAL B767-300ERW

 そのうち地平線近くまで落ちた太陽が差し込むようになった。まだ雲に覆われた薄暗い空に、夕陽に照らされた機体というのは願ってもない条件ではある。しかしここから日没までわずかな時間しかない。
 

ピーチ A320neoとceo

 成田空港は首都圏におけるLCC発着ハブ空港となっている。その中でも一大勢力となっているピーチのA320は、いつも写真撮影を見送ってしまう機体なのだが、2機並んでやってきたので撮ってみた。手前は新型のneoで、奥は旧型のceoだ。

 ピーチは先日訪れた石垣空港にも就航していたし、下地島にはジェットスターも飛んでいる。宮古や那覇は言うまでもないだろう。航空ファンを気取るならちゃんとLCCも体験しておかなくては、と思っている。そうすれば逆にFSCのありがた味とコストに対する感覚を見直せるはずだ。
 

JAL B787-9

 ほぼ日没を迎えた頃、B滑走路に着陸する飛行機が夕日に染まってとても美しい。しかしA滑走路は離陸中心に運用されておりあまり着陸機はやってこない。

 いまが一番綺麗な時間帯なのに。遅便にあてられたFLYING HONU3号機が日があるうちに戻ってくるのではないか?と期待したのは少し甘かったようだ。
 

High Flyer A330

 上空はようやく雲が取れて青空が覗いている。地上はもう暗くなり始めたが上空はまだ光が残っているようだ。先ほど離陸したばかりのA330が西の空へと飛んでゆく。
 

KALのB787-8F

 そして日没を迎え、マジックアワーでもブルーアワーでもない、一番微妙で色が濁っている時間帯。コリアンエアのB747-8Fが降りてきた。大型の4発機は本当に貴重だし美しい。
 

FLYING HONU 3号機
 そしてようやくお目当てのFLYING HONU 3号機(JA381A)がやってきた。時刻は午後5時前だが、すでに日が沈んでそこそこ時間が経過している。かと言って夜景と言うほど暗くはない一番中途半端な状況になってしまった。

 それでもオレンジ色の機体は鮮やかで目を惹く。これは快晴の太陽の下で見るととても映えるだろう。いや、この日そもそも期待していたような夕陽を浴びた姿もやっぱり良いかもしれない。
 

FLYING HONU 3機そろい踏み

 そしてまもなくタッチダウン、という後ろ姿を見送る。シャッターを切り続けていたら偶然にも先に到着していた2号機と、この日出発していく1号機の姿も同時に1フレームの中に入った。

 天気と時間帯は残念だったがこの1枚が撮れたこと、そして実際に空を飛ぶ3号機を見ることができたことで、今回は十分な収穫だった。また別の日、別の天気の日に撮るチャンスはいくらでもあるだろう。成田はそれほど遠くないので出直したいと思う。
 

ハクセキレイ

 最後におまけなのだが、ひこうきの丘にはハクセキレイがちょこちょこと歩き回っていた。なので到着機がしばらく来ない暇な間はそればかり追いかけていたので、けっこう楽しめた。

 どこにでもいる鳥だがハクセキレイかわいい。
 


 

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