さらなる快適なネットワーク環境を求めてWi-Fi 6Eルーターを導入した

2024-01-18

 我が家の宅内ネットワーク環境をより改善すべくWi-Fi 6E対応のルーターを導入した。

 身の回りのWi-Fi接続機器は増え続けているし、住宅密集地なので周辺の家から漏れてくるWi-Fi電波の影響も少なからず受けている。DFSによる5GHz帯の一時停止頻度も増えてきているような気がして、場合によると家にいてもWi-Fiよりも携帯電話回線の方が確実で速いなどということも起きつつある。数年前はこんなではなかったはずだ。

 さらに改めて手持ちのWi-Fi機器の状況を確認してみると、昨年末に購入したiPhone 15 Pro Maxをはじめ、最新のWi-Fi 6E対応機器がポツポツと増えていた。となると、そろそろWi-Fi 6Eを導入する潮時ではないか?と思い立った。


 日本国内で6GHz帯の利用が解禁されてからすでに1年以上経過しているが、Wi-Fi 6E対応のルーターはあまり多くないしお値段も高い。しかし思いついてしまったのだから仕方がない。色々検討した結果NECのAterm WX11000T12を購入した。ルーターとしては恐ろしく高額だが、混雑緩和を目的としているのでストリーム数でケチりたくなかったのでこれにしてみた。

 届いた箱は大きくて恐ろしく重たい。中から出てきた実物も今までのルーターの2倍くらいの体積がありそうだ。幸い置き場は問題なかったが、棚の隙間などにルーターを設置している場合は注意が必要だろう。

 やることと言えば、今まで使っていたルーターと置き換えて各種配線を行い、管理画面に入ってパスワードを変更し、SSIDを今まで使っていたものに設定し直すだけだ。WPSで旧ルーターから設定の自動引き継ぎも出来るが、ルーターを交換した時くらいちゃんと設定を一通り眺めておきたいので手動で行った。

 インターネット側はIPv6化されているので、プロバイダーのIDなどの設定も特になく、リンクするのを待つだけだった。その後いろいろと設定を見直し、結局我が家のネット構成は以下のようになった。ややこしい部分はいろいろと簡略化してあるのでざっくりしたイメージ図となっている。
 
Wi-Fi 6Eルーター導入後のネットワーク図

 新たに設置したルーターAterm WX11000T12のバンドステアリング機能を有効することでSSIDを1つにまとめ、クライアント機器ごとに自動で最適なバンドとチャンネルにつながるようにした。バンドステアリングは場合によっては接続が不安定になる場合もあるようだが、今のところ6GHz対応機器は6GHzに、5GHz対応機器はちゃんと5GHzにつながり、特に不安定さなどの問題は見られない。

 我が家は広くはないものの建物がSRC構造なためか、隅っこの方に5GHzの電波が届きにくい場所がある。そのあたりの電波状況を改善するため、今まで使っていた11ac対応のルーターAterm WG2600HP3を中継器として使うことにした。同時に有線LAN配線を最小限にするためにイーサーネットコンバーターとしても使える。

 このAterm WG2600HP3はデュアルバンド中継器モードに設定することで、SSIDなどは親機(WX11000T12)と同じまま5GHzと2.4GHzの電波到達範囲を広げることができる。Wi-Fiクライアント側で特に親機につながるか、中継器につながるかを気にする必要がなく、すべてよきに計らってくれるのでとても楽だ。もちろんそれぞれの管理画面に入れば、何がどっちにつながってるかは見ることができる。

 なお親機のWX11000T12と中継器のWG2600HP3の間は5GHzでつながっている。中継器も6GHzに対応したものにすればより良くなるのだが、それはもう少しWi-Fi 6E機器が普及し、気軽にもう1台買える値段になってから考えようと思う。

 また、Atrem WX11000T12はサブSSIDを持つことが出来るので、リモートワークで使用する仕事用のパソコンやスマホと、プライベート用のネットワークを分離することが出来る。これまででも特に問題はなかったのだが、セキュリティ的な面では念のためにプライベートな宅内ネットワークと仕事用の機器がつながるネットワークは切り離しておいた方がどちらにとってもより安全だろう。

 結果、親機+中継器ありの3バンドWi-Fiでありながら、見かけ上は一つの共通SSID(+リモートワーク用のサブSSID)しか見えない状態となり、とてもシンプルなネットワーク環境になった。

 とりあえずこの状態で、以前は途切れがちだったテレビやレコーダーからの宅内配信や、テレビによるネット配信動画の視聴などがより安定したし、ネットがつながらないといったクレームが発生することがなくなった。もちろん、最新のWi-Fi 6E対応機器のネットワーク環境も大幅に改善したと実感する。ただ、我が家の最大の問題は元回線がVDSLであることなのだが……。
 

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