2019年5月に華々しくホノルル線にデビューしたばかりだった”FLYING HONU”ことANAのA380(JA381A, JA382Aの2機)は、コロナ禍が本格的に始まった昨年の3月末を最後に運休となり、メンテナンスフライトと遊覧飛行が時々行われるだけで、ほぼ成田空港の片隅で死蔵されていた。
そんな悲運のFLYING HONUが1年4ヶ月ぶりに営業運航に復帰した。この8月半ばの夏休み真っ只中に、2往復だけという限定付きの運航だ。定期便に復帰とは言いがたいが、とにかくお客さんを乗せてホノルルへ飛ぶという、本来の任務に戻ることができたのは喜ばしいことだ。
今はまだいろいろとひどい状況だが、そうは言っても世界は少しずつ正常化に向かってるのではないか?という期待を感じさせる小さな出来事だと思う。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/800sec, ISO250, 0EV
ということで、復帰第1便目の復路となるNH183便を狙いに、お盆休み中の8月11日に「成田さくらの山公園」へ出かけてみた。ちょうど天気が下り坂になる直前のことで、関東地方も雲が増えてきたところだったが、うまいことFLYING HONUには日が差してくれそうだ。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/800sec, ISO160, 0EV
午後3時前にA滑走路の北側にFLYING HONUはその姿を現した。なお前景の緑の木々はすべて桜だ。咲いてる季節だったらどんなに見事な景色になったことだろう。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(77.5mm), f10, 1/800sec, ISO200, 0EV
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(62.5mm), f10, 1/800sec, ISO200, 0EV
そして静かにゆっくりと、しかしあっという間に目の前を通り過ぎていった。すでにFlightradar24などで分かっていたことだが、見ての通りFLYING HONUの1号機、ブルーのJA381Aだ。なお、後日運航された第2便目はグリーンの2号機が使われたようだ。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/800sec, ISO100, 0EV
そしてA滑走路に無事タッチダウン。風もほとんどなくて穏やかだったのでさぞ乗り心地は良かったことだろう。
さくらの山は滑走路にほぼ隣接しているので、最接近時の機体までの距離はかなり近い。A380クラスならAPS-Cで70mm前後で画面いっぱいになる。しかし、一方で滑走路上などを狙うには300mm以上欲しい。
この日は150-450mmと55-300mmとどちらを使うか迷ったのだが、ワイド側のレンジの広さとズームのしやすさを重視して55-300mmを使った。150-450mmは画質は抜群でテレ端の長さも魅力だが、ここでK-3 Mark IIIに使うにはワイド側がまったく足りない。しかも撮影中のズーミングもほぼ無理だ。
それに対し55-300mmはこの通り、ファインダー覗いてシャッターを切りながらズーミングできる。AFの動作がやや怪しかったが大した問題ではない。こうして進入から着陸まで追い続けるにはこんな便利なレンズはない。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(70mm), f14, 1/125sec, ISO100, 0EV
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f13, 1/125sec, ISO100, 0EV
さて、ここからはおまけだ。この日FLYING HONUが到着する直前に、中国南方航空のA380も成田に飛来した。広州−成田間に週1便A380で運航されているそうだ。
週一往復だけとは言えこのコロナ禍でA380のキャパが埋まるほどの需要があるのだろうか? もしくは貨物需要なのかも知れない。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f8.0, 1/640sec, ISO200, 0EV
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(62.5mm), f18, 1/80sec, ISO100, 0EV
成田にはまだB747も飛んでいる。やはり4発機は正義だ。先行きがなかなか厳しいところだが是非生き残って欲しい。
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