開花が遅れて4月になって見頃を迎えた2024年のソメイヨシノ

2024-04-13

 今年も桜の季節がやってきた。2月頃の予想では暖冬の影響で3月中旬には開花すると予想されていた東京のソメイヨシノは、3月になって寒い日が続いたせいか、はたまた冬の冷え込みが足りなかったせいか、なかなか開花を迎えず都心の標本木が咲き始めたのが3月最終週。例年それよりも1週間くらい遅れがちな地元のソメイヨシノは4月になってようやくぼつぼつ咲き始めた。

川沿いのソメイヨシノ

 しかもソメイヨシノが咲き始めてからずっと天気が悪い日が続き肌寒い。今年はお花見は無理かもしれない、みたいな空気が一時は流れていた。
 

咲き始めたソメイヨシノ

 天気が悪いと空を入れたくないので自然と寄って撮ってしまう。マクロレンズを手にしながらもこういう桜の写真はなるべく撮るまいと心に決めていたのだが。
 

ソメイヨシノとヒヨドリ

 大横川沿いの桜並木を歩いていると、目の高さにヒヨドリがいるところに出会った。人慣れしているわりに普段は近くに来ない鳥なので珍しい。と思いつつ、急に動いて驚かさないように、しかしなるべく速やかにシャッターを切った。慌てて撮ったのにしっかり目にピントを持ってきてくれるZ8が頼もしい。
 

バーベキュー広場のソメイヨシノ

 相変わらずどん曇なのだが、木場公園のバーベキュー広場のソメイヨシノも良い感じに咲いていた。

 コロナ禍の間はバーベキューは中止になっていたのでとても平和だったが、すでに古い日常は戻っており、週末になるとこの美しい桜の下でもうもうと煙を立ててバーベキューが行われ、大騒ぎとなる。

 いや、それはそれで良いことなのだが、やはりここ数年の静かで空いていたこの桜の景色がとても懐かしい。
 

大江戸さくら祭ライトアップ

 門前仲町の南、牡丹町を横切る大横川では「お江戸深川さくらまつり」なるイベントが開催され、夜は22時までライトアップが行われていた。近所なのだが見に来たのは実は初めてだったりする。
 

石島橋から桜並木ライトアップ

石島橋から桜並木ライトアップ

 越中島橋から巴橋までの南側を中心にずっとライトアップされていた。これはなかなか映える風景ではないか。
 

石島橋から桜並木ライトアップ

 しかしこの祭、近年の早咲き傾向に合わせて3月16日に開始されたのだが、肝心の桜が咲き始めたのは冒頭にも書いた通り4月に入ってから。そしてようやく満開を迎えた4月7日になんと時間切れで会期末を迎えてしまうという、なんとも残念な日程ズレを起こしてしまった。せめてあと1週間延長できればちょうど良かったのに。

 もちろん、いろいろな事情でそうはいかないのだろう。今までの傾向でまさか4月第2週まで咲いているなんて誰にも予想できなかったのだから仕方がない。来年は開花時期とお天気がぴったりはまると良いのだが。
 

雨上がりの木場公園のさ桜

 満開を迎えてからも雨に降られたりしてなかなかスッキリしたお花見日和がなかったのだが、4月7日にようやく少し晴れ間が覗いた。

 大きな水たまりがあったので桜リフレクションをやってみたのだが、雑に撮り過ぎてピントが地面に合ってしまっている。F11まで絞ればパンフォーカスだろうと思ったのが甘かった。
 

東京スカイツリーと木場公園大橋とバーベキュー広場の桜

 毎年必ず撮る定点観測ポイント。ちょっと空の色がスッキリしないがまぁいいか。
 

散り始めた木場公園の桜

 平成の初期にやたらに植えられたこの地域周辺のソメイヨシノは、約30年を経過したばかりだが早くも老齢化が進んでいるらしい。倒木や枝折れによる事故防止のために、伐採されたり枝が払われたりして無残な姿を多く見かけるようになってきた。過去のお花見ポイントはまず増す減っていくばかりの中、この木場公園内のソメイヨシノはまだその勢いを保っているように見える。立地上、根が踏まれる状態にあるのが心配だが、都立公園内ということでそれなりに手入れが行き届き、土の状態や植えられている間隔、日照などの条件は他よりも良いのかもしれない。

 ぜひ長生きして欲しい。
 

木場公園の桜

 見頃を迎えた4月10日火曜日には東京は全般に春の嵐に見舞われた。強風が吹き荒れ大雨が降り、遅れてやっと咲いた桜はあっという間に散ってしまうかと思われたが、満開から約1週間経過した4月13日土曜日になってもまだ十分お花見が楽しめる程度に花は残っている。
 

散った桜の花びら

 風が吹くと花吹雪が舞い、地面にはピンク色の絨毯ができ、満開だと真っ白に見えるソメイヨシノも、軸の赤さと出てきたばかりの葉の緑で彩られてくる。桜は咲き始めよりも散り際がやはり見応えがあり風情があると思う。

 なので実は満開を迎えた先週末よりも散り際の今週の方がお花見日和なのではないかと思えるほどだ。もちろん両方とも見られればそれが一番良い。
 

大横川の桜並木と東京スカイツリー

 ここもまた大横川だがライトアップをやっていた場所とはかなり違う。こちらもソメイヨシノの並木が川岸にずっと続いているが、こちらは先ほども少し書いたように老木(と病木)が増えて伐採が進み、かなり樹勢が落ちている。昔はもっと見事な風景だったのだ。

 少しずつオオシマザクラなど他の種類の桜に植え替えが行われているが、伐採のペースの方がずっと速い。そう遠くない将来にこの景色はなくなるのかもしれない…… などと感傷に浸りながら、今年の桜を堪能した。

 また来年!



 

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