ホノルル線の定期便運航に復帰したFLYING HONUを見に行く

2022-10-04

 およそ1年前の9月末、ANAのFLYING HONU遊覧飛行に乗るために那覇まで日帰りしたことを思い出した。成田発着のチケットは競争率が高くてついに当選することはなかったが、後先考えずに那覇発着の遊覧飛行にも申し込んでみたら当たってしまったのだ。久々に乗るANA、初めてのA380。そして何度も訪れている大好きな沖縄。最高ではないか。

 FLYING HONUによる遊覧飛行はコロナ禍が生み出した企画だったわけだが、そんな社会状況やらANAの苦境やら、この日帰り旅にかかった費用などなど、いろいろそういうことを忘れてしまえば、飛行機好きとしては堪らない楽しい遊覧飛行体験だった。

 このまままたいつか気が向いた時にまた遊覧飛行で乗れると良いな…… と言うわけにはいかない。ANAがA380を導入した目的は遊覧飛行ではないのだから。そんなことしていたら航空会社は潰れてしまう。

 そして(何となく)コロナ禍が過ぎ去ろうとしている今、FLYING HONUはとうとう毎週2便限定でホノルル線の定期運航に復帰することができた。それでもまだ本来の1/3以下の稼働率に過ぎないが、まだ1度もお客さんを乗せたことがない3号機も含めて、完全復帰への道筋は見えてきているのではないかと思う。

 そんなこんなで「A380の遊覧飛行はだいたい1年前だったな」と思っていたある日、正確に言えば先週の金曜日、以下の動画をYoutubeで見つけた。

 これを見て「そうだ! FLYING HONUを見に行こう!」と思いついた。現在A380が飛んでいるのは金曜と土曜だ。幸い週末は久々に天気が良さそうだし、午後に成田に帰ってくるFLYING HONUを出迎えようではないか。
 

ANA A380PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(247mm), f5.0, 1/1600sec, ISO100
 ということで成田空港周辺にやってきた。直前にFrightradar24でチェックするとこの日は北風運用で、着陸には34L/Rが使われているようだ。A380はA滑走路に降りると決まっているので、34L側にある「ひこうきの丘」へ向かった。

 到着は何となく午後3時以降だろうと勝手に思っていたのだが、Frightradar24によると現在運航されている土曜日着のNH183便は定刻でも午後2時台で、しかもこの日は30分くらい早着しそうとの表示。途中道の駅で千葉県産の野菜や果物を買っていたせいもあって、意外にギリギリになってしまった。危ない危ない。

 飛行機を撮るのは久しぶりだったので、何機か撮りながら練習しつつ息を整えていると、さっそく南の空に巨体が現れた。
 

ANA A380PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(293mm), f7.1, 1/1600sec, ISO200
 秋の午後の光を浴びた巨体は美しくて格好良くてかわいい。

 この日飛んでいたのは1号機のJA381Aで、まさしく1年前に乗った機体だ。2階席のあの辺の窓から沖縄や奄美の海を眺めたんだっけな……と思い出す。FLYING HONUから眺めるハワイの景色もさぞ美しいことだろう。
 

ANA A380PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(190mm), f5.0, 1/1600sec, ISO100
ANA A380PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(380mm), f8.0, 1/1600sec, ISO200
 「ひこうきの丘」は着陸機までの距離がかなり近い。反対側の「さくらの山」よりも近い。伊丹の千里川土手ほどではないが、羽田の城南島と同じくらいか、もう少し近いくらいかも知れない。だからA380の巨体が通過する姿は大迫力だ。

 これまでFLYING HONUの着陸を成田で撮ったことは何度かあるが、すべて16R側の「さくらの山」からだった。はじめて34L側で撮れたのも嬉しい。
 

ANA A380PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(410mm), f7.1, 1/1600sec, ISO200
 計20本ものタイヤを持つ4本のメインギアがその巨体を良く表している。

 昨年乗ったとき、天気は穏やかだったにもかかわらず着陸時の衝撃(音)が結構大きくて驚いたことを思い出す。あとで瀬長島などから撮られた動画を見ても、とてもスムーズな接地だったにもかかわらず。この巨体とこのメインギアの配置では2階席でもそれなりの音が響くのは仕方のないことなのかも知れない。

 ということで、FLYING HONUはここまでで、以下はおまけだ。
 

FedEx MD-11PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(278mm), f7.1, 1/1600sec, ISO200
 A380のすぐ後からやってきたFedExのMD-11F。今となっては非常に貴重な3発機で、旅客用は全世界ですでに引退済みだが貨物用のみ残っている。いずれも機齢が30年近く徐々にB777などに置き換わっているところだ。

 いろいろ問題が多かった機体とされているが、貨物用でこれだけ長く使われているのだから良いところもあったのだろう。大昔何度か国際線で乗ったことを思い出す。
 

ATLAS AIR B747-400FPENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f8.0, 1/1250sec, ISO200
 貨物機しか残っていないと言えばB747-400F。やはり4発機は正義だ。超格好イイ。ATLAS AIRの運航便だったが、ほぼ白塗りでまったく外観に気を使ってないところがB747らしくて良い。

 そう言えばこのN404KZはもともとNCAで運航されていた機体らしい。ということは成田は里帰りみたいなものだ。お帰り!
 

JAL B787-8PENTAX K-3 III, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(380mm), f6.3, 1/1250sec, ISO100
 気温は30度まで上がったものの、湿度が低くて空気は完全に秋だった。しかし空に浮かぶ雲はまだすこし夏の片鱗が残っていた。空気の揺らぎは大きかったが何となく透明度は高く、雲の感じがとても良かったので、遠くB滑走路側の34Rに降りていく飛行機も飽きずに撮っていた。
 

ANA B777-300ERPENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(166mm), f4.5, 1/1600sec, ISO125
 なお「ひこうきの丘」は今まで見たことないくらい混んでいた。と言っても、丘の上が人で溢れているわけではなく、よほどピンポイントでこだわりがない限り、撮影場所には困らない程度だったが、なぜか車が駐車場から溢れていた。みんなA380を見に来たというわけではないだろう。3号機が飛ぶならともかく、今では毎週2便飛んでいるのだから。

 奥の第2駐車場まで行けばちゃんと空きスペースはあって、結局はそこに問題なく停められたのだが、駐車場外に路駐していた人たちは第2駐車場を知らないか、横着していたのだろうか。いずれにしろあまり治安は良くない感じだった。今後がちょっと心配だ。
 


 


 

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