写欲減退中のリハビリがてら近所の彼岸花を撮り歩く

2022-09-28

 毎週末やってくる台風のせいというわけではないのだが、最近は写欲がすっかり減退している。GR3/GR3xならかろうじて持ち出す気になるが、フルサイズのカメラを手にするのはとても億劫になってしまった。

 3年ぶりに日高の巾着田では見事な彼岸花が見られるというニュースを聞いても、以前のように出かけていく気になれない。まぁそんなスランプというか気持ちの波というのは、写真趣味を長年やってきた中で何度も経験したことなので、特に焦ることなくやり過ごすことにしている。

 しかしTwitterやInstagramに流れてくる赤い妖艶な花の写真を見ていたら、まったく撮らないのは勿体ないと少し焦る気持ちが出てきて、近所の散歩コースならなんとかやる気になるだろうと思い直し、彼岸花を探しながら少し歩き回ってみた。

彼岸花前ボケRICOH GR3x UE, f2.8 1/1000, ISO100

彼岸花と青空RICOH GR3x UE, f2.8 1/640, ISO100
 と言いつつ、重たいカメラ持ちだして空振りは嫌だなと思い、GR3xでまずはロケハン。やる気があるのかないのか分からない状態だ。

 すると意外に近所のそこらに咲いているのを発見した。気にするようになったから見つけられるようになっただけではなくて、ここ数年のうちに新たに植えられたものも多いのではないかと思う。
 

道端の彼岸花RICOH GR3x UE, f16 1/40, ISO100
 バス通りの歩道脇にも咲いていたりする。こんなの昔は絶対なかったはずだ。

 なお何となく撮っていたときに郵便局の真っ赤な軽バンが目の前を走り去っていった。しまった! 赤繋がりで彼岸花と絡めて撮れば良かった……と反省し、その後赤い車が来るのをじっと待って撮ったものだ。GR3xじゃないと不審者になってしまうし、やっぱりやる気があるのかないのか分からない。

 でも、カメラを手にして写真のことを考えながら歩いているのはやっぱり楽しい、と言うことを少し思い出してきた。
 

群生する彼岸花Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(99mm), f4.0, 1/100, ISO320
 3連休の中日、秋の彼岸の真っ只中。せっかくロケハンしたというのに天気はグズグズだ。でも「雨の彼岸花も良いなぁ」と思いついてしまった。なんだやる気があるんじゃないか!

 公園の一角に咲く彼岸花。切り取ったからわさわさ咲いているように見えるが、ほんのちょっとした小さなエリアに咲いてるに過ぎない。でも思った通り雨に濡れて水滴を湛える彼岸花は良い。映える。
 

雨に濡れる彼岸花上からNikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(120mm), f4.0, 1/100, ISO320
雨に濡れる彼岸花横からNikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(88mm), f4.0, 1/100, ISO320
 上から横から撮り放題だ。雄しべが黒くなっているからもう終わりかけかも知れないが、水に濡れたおかげで生き生きとしているように見える。良くありがちな写真だが良いものは良い。映えるから撮っていて楽しい。撮影後の現像もやりがいがあって楽しい。
 

彼岸花と水滴Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(28mm), f8.0, 1/400, ISO100
 Z24-120mmはクオーターマクロとハーフマクロの間くらいで寄れるから水滴アップもそこそこいける。ただしミラーレスでもこの域になるとピント合わせが難しい。
 

ポツンと彼岸花PENTAX K-1 II SE, HD DFA*50mmF1.4 SDM AW, f1.4, 1/800sec, ISO100
 翌日は台風一過なのか良く晴れた。雨の彼岸花を撮って満足したつもりだったが、久しぶりの太陽と涼しい風に誘われて、もう一度同じルートをたどりつつ、今度は晴れの彼岸花を撮りにいくことにした。やった!やる気が出てきた!

 差し込む日差しと影が織りなす景色は被写体が同じでもまた違って見える。というか露出が難しい。しかもPENTAX機なので赤の飽和に気をつけなくてはならない。
 

彼岸花 白一点PENTAX K-1 II SE, HD DFA*50mmF1.4 SDM AW, f1.8, 1/4000sec, ISO100
 一本だけ白い彼岸花が咲いていた。雨の中では気がつかなかったのだが、日が差すとさすがに目立つ。50mmF1.4単焦点レンズのボケ量パワーで、望遠レンズで撮ったみたいにも見えるが、わりと近距離で撮っているだけだ。

 開放付近で一眼レフなのでさらにピントがシビアになるけど、けっこう行ける…… と思ってしまうのは、K-1を長年使い慣れた末に手にした特殊技能(感覚)かもしれない。
 

彼岸花を地面から見上げるPENTAX K-1 II SE, HD FA31mmF1.8 Limited, f2.8, 1/1000sec, ISO100
 FA31mmに付け替えて虫の目線から彼岸花を見上げてみる。彼岸花の写真というと、望遠で撮ってローキーに仕上げるのが定番だ(と個人的に思っている)が、青空背景となると明るく爽やかに、ド派手にするしかない。こういうのも良いじゃないかと思う。
 

ド逆光の彼岸花PENTAX K-1 II SE, HD FA31mmF1.8 Limited, f2.5, 1/1250sec, ISO100
 ローアングルに気を良くしてしばらく遊んでいたら、こんな一本咲きしている彼岸花のド逆光シーンを見つけた。ミラーボックスを焼くリスクを冒しながら撮りまくってしまった。

 HD化されたとは言え、やはり基本設計が古いレンズなのでコントラストが落ち、なんとなく色味も変な感じだが、まあ雰囲気としては良いのではないかと自己満足している。
 

雨に濡れる彼岸花Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(120mm), f4.0, 1/100, ISO250
 ということで、あれこれ考えながら写真を撮るのは楽しいなー、と改めて思ったし良いリハビリになったと思う。彼岸花はあじさい並にどう撮っても綺麗に写るし、サクラよりずっとハードルが低い気がする(個人の感覚)。来シーズンにはまたどこか見渡す限りの赤い絨毯がひろがる絶景ポイントに行ってみたい。

 これから良い季候になってくるし、いろいろと出かけることについての心配事や罪悪感も減ってきているので、またカメラを持って出かけるようになりたい。しかし、あまりそう期待しすぎず、力まず、意気込んで考えないことにする(ここ重要)。
 

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