PENTAXが間もなく100周年を迎える。法人として継続しているわけではないが、後にPENTAXブランドを生み出すことになる「旭光学工業合資会社」が設立されてから、今年の11月で満100年となるのだ。
カメラ業界がどうしたとかPENTAXの先行きが心配だとかいろいろある中で、一般のPENTAXユーザーも参加できる「PENTAXミーティング100周年スペシャル」なる催しが開かれることになった。うん、なんとも太っ腹というか景気のいい話ではないか!
このミーティングは東京を皮切りに、大阪、札幌、名古屋、福岡でも行われる予定だ。PENTAX100年の歴史に対し、ペンタキシアン歴10年そこそこの若輩者だが、幕開けとなる”東京1日目のミーティング”に参加してきた。
会場は大田区は中馬込にあるリコー本社に併設された大森ホールだ。サービスセンターやショールームがあるわけでもなく、単なるカメラユーザーは普通立ち入ることはない。もちろん訪れるのは初めてだ。
その中にある大きなホールが会場だ。本来こういうことに使うところではなく、もっとゴリゴリしたビジネスの大きな会議が開かれる現場なのだろうと思う。
とにかく、そこに100名ほどのPENTAXユーザーと現リコーイメージングの社員さんたち、招待された写真家の方々、その他プレスの人々などがひしめいていた。
立食パーティー形式で、いろいろな食べ物が並んでいたが、なかでも目を惹いたのがこれだ。PENTAX645風の巻き寿司というかちらし寿司というか何というか。なにこれすごい。
飲み物もビールはじめ飲み放題! 親会社であるリコー(株)の執行役員さんや、リコーイメージングの社長さんが挨拶して乾杯!となった。が、なかなかお話が長くて久しぶりに結婚披露宴の雰囲気を思い出した。
しかし、食べ物より飲み物より、会場に集まったPENTAXユーザーの多くにとって一番重要だったのはこれだ。
パーティに先立って行われたポートレートのワークショップでモデルを務めた丹羽明日香さんと、高橋社長が恭しくアンベールしたコレは…
我らが待ち望んでいるKマウントの新製品。「APS-Cセンサーを積んだ一眼レフのフラッグシップ機」としか公式には発表されていないが、多分K-3 IIの後継であり、Nikon D500やCanon EOS7D Mark IIを凌駕するハイスピード一眼レフになるはずだ。
しかしK-3/K-3 IIとさほど大きさは変わらないように見える。フラッシュを搭載しないペンタ部は尖っているが前方への張り出しは減ってるようだし、マウント下部もそれほど厚みはなく、AFセンサーがどうなっているのかちょっと心配だ。
ところでこの公開されたボディはマウントがやけに傷ついてる。レンズを付け外ししまくったのだろうか?
そこで「あれってモックじゃなくて動きますよね?試作機ですよね?」と、面識のある中の人に突っ込んでみたら「何段階かある試作レベルのどこかの段階のやつです。詳細は忘れた。」と認めていた。他の中の人にも同じ質問してみたら「あれは電池入ってないけど、入れたら動くでしょうね、多分」という返事だった。
後ろに回り込んでみるとこうなっている。液晶は固定式で多分タッチパネルになっているのではないだろうか? 接眼部下のセンサーは、ファインダーを覗いたときに鼻で誤動作しないための検出機構ではないかと思う。
…という勝手な予想を製品企画をしているはずの若代さんにぶつけてみたら「へぇ〜、そうなんですか?」とはぐらかされた。
あと、目新しいところではジョイスティックが付いている。ジョイスティックがないと使えないほどにAFポイントが増えているとしたら嬉しい。さらに再生ボタンが最低な場所にあるのが気になる。一方でK-3IIまでは再生ボタンだった左端のボタンは何もプリントされていないのが怪しい。一体何の機能が割り振られているのだろうか?
少し上から眺めてみる。モードダイヤルは普通だが、ペンタ部脇のスマートファンクション的なダイヤルは、静止画/動画/ライブビュー切り替えになっている。これではダイヤルの無駄遣いじゃないだろうか? これが本当なら3つめのダイヤルは一体何に使うのだろうか? かなりディテールまで見えたわりには謎がまだ多い。
さらに良く見ると、モードダイヤル下の機種名がプリントされるべき部分にテープが貼ってある。ということは、機種名まで決まっていてすでにプリントされていることを示している。
ここまで出来ているなら発売はもうすぐじゃないのか?だが公式には2020年発売予定だそうだ。年明け早々のCP+2020には何らかの形で発表されているとこを期待したい。
だって、これ出たら絶対買うから! D500とか投げ捨てて買うから!(きっぱり宣言)
さて、先ほど見事な姿を見せていた645寿司は、気がついたら無残な姿になっていた。せっかくなのでかけらを美味しくいただいてきた。
あと、綺麗な”ユロロ”ロゴをあしらったケーキも出てきたらしいのだが、気がついたら完全に切り刻まれていた。仕方ないのでこれも美味しくいただいてきた。
豪華賞品を賭けたじゃんけん大会も行われたが、あっさり敗退。そしてマニア垂涎の”ユロロ”ロゴ入りペンタプリズムは、なんとモデルさんがゲットしていった。「メルカリに出さないでください!」という司会者の声は半分本気だろうと思う。でもメルカリに出したって結局PENTAXマニアの手に渡るだけだろう。
話によると、翌日開かれた2日目もモデルさんが勝ち取ったそうだ。何かの仕込みではないのかと疑いたくなる(ウソ)。
そして参加者へのお土産がこれ。100周年スペシャルのストラップとアルミ製のボディキャップ。そしてステッカーだ。特にボディキャップがすごい。
これで3000円の参加費は安いというか、まぁそういう問題ではないのだけど、端々からリコーとリコーイメージングはカメラ事業をまだまだやめない、という意気込みは伝わってきた。ブランド100周年の記念イベントに、これだけのコストをかけるのだから、少なくとも経営トップを含めて決して後ろ向きというわけではないのだろうと思う。
とりあえずは次の10年を乗り切って欲しいと思う。その間にAPS-CだけでなくK-1のフルモデルチェンジにも期待したい。あ、あとレンズも!
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