福島県浜通り地方双葉郡の海岸線をドライブしてきた

2020-12-19

 あと数ヶ月すると東日本大震災が発生してから満10年が経過する。日に日に薄れていく記憶と関心の中で、それでもどこか東北沿岸部の被災地を訪れてみなくては、とうっすらと思っていた。

 なにか目的があるわけではない。あの日テレビに映っていた悲惨な現場がどんなところなのか、今どうなってるのか? 自分の足で立ち、空気を吸い、この目で見ておきたいと、そう思っただけだ。

 そんな中、ちょっとしたきっかけ(末尾にて)で急に思い立ち、福島県の太平洋沿岸部を目指して車を走らせた。地震と津波に加えて原発事故で壊滅的な被害を受けた地域だ。

 ごく一部をごく短時間見てきただけなので、何かを分かった風に語ったりはしない。なので、以下には撮影地と短い感想のみキャプションを付けて基本写真だけ貼っておく。

JR常磐線富岡駅PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f8.0, 1/320sec, ISO100, −0.7EV
 JR常磐線の富岡駅。駅前は広大な空き地と建設が進む防潮堤だけが見える。
 

荒れ地の道路PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f2.0 1/6400sec, ISO100, -0.7EV
 駅の東側には荒れた道路と荒れた空き地が広がっている。長い間立ち入りが制限されていた地域であり、復興が始まったのはほんの3年ほど前のことだ。
 

東日本大震災・原子力災害伝承館の看板PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f2.8, 1/5000sec, ISO100, −0.3EV
東日本大震災・原子力災害伝承館PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f8.0, 1/320sec, ISO100, −0.3EV
 双葉町に建設され今年9月末にオープンしたばかりの「東日本大震災・原子力災害伝承館」に立ち寄った。3.11とその後にこの一帯で起きた事実が淡々と展示され、語られている。

 館内で説明係をされている現地の人にも話を聞いたが、言葉を失うばかりだ。
 

東日本大震災・原子力災害伝承館の窓からの眺めPENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f8.0 1/320sec, ISO100, 0EV
 周辺は何もなく、窓の外にはやはり防潮堤だけが見える。今後もこの伝承館を中心にして「福島県復興祈念公園」を整備する計画になってるそうだ。
 

福島県双葉町の八幡神社PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f11 1/100sec, ISO100, 0EV
福島県双葉町の被災した建物PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f8.0 1/250sec, ISO100, 0EV
 伝承館のすぐそばにある中野地区。福島県復興祈念公園において震災遺構として保存展示される予定となっているらしい。
 

福島県浪江町の防潮堤前PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f8.0 1/400sec, ISO100, 0EV
 さらに海岸線近くを北に進んで浪江町に入った。防潮堤は完成しているようだが、陸側は防災林の整備など工事が続いている。
 

旧請戸小学校PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f10 1/250sec, ISO100, 0EV

 防潮堤から陸側の眺め。真ん中に写っているのは旧請戸小学校の建物で、震災遺構として保存するための工事が行われていた。
 

旧請戸小学校の壊れた建物と保存整備工事Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(46mm), f5.3, 1/800sec, ISO100, 0EV
 この校舎は津波にのまれたが、子どもと先生や職員の人達は避難しており、犠牲者はいなかったそうだ。
 

真新しい防潮堤PENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f16 1/125sec, ISO100, 0EV

 まっさらな防潮堤。陸側からは海は見えない。
 

福島県浪江町の海岸Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(24mm), f6.3, 1/1000sec, ISO100, 0EV
 海側に出てみる。当たり前のように穏やかで綺麗だった。
 

福島第一原発方面の眺めNikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(130mm), f6.3, 1/1600sec, ISO100, 0EV
 浪江町の海岸線から南の方に見える排気筒とクレーン。福島第一原子力発電所のものだろう。
 

「道の駅なみえ」の浪江焼きそばPENTAX K-1 II SE, FA31mm F1.8AL Limited, f4.0, 1/60sec, ISO200, 0EV

 「道の駅なみえ」に立ち寄り、お土産類を買うとともにご当地グルメの「なみえ焼きそば」を食べてみた。太麺に辛いくらいの濃い味付けでとても美味しかった。
 

 富岡町から双葉町にかけての国道6号線は、いまだ立ち入りが制限された「帰宅困難地域」の中を貫いている。道路脇には民家や大手チェーン店の看板が立ち並んでいるが、どこもバリケードがされて人の気配はない。脇道へ右折も左折もすることは出来ない。異様な光景が続いている。
 

防潮堤前の空き地Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm F4-6.3 VR(24mm), f8.0, 1/640sec, ISO100, 0EV
 まだこんな状態の場所がたくさんあるのだ。
 


 「東日本大震災・原子力災害伝承館」は福島県が中心になって整備したものだ。本文にも書いたが淡々と事実が並べられている。原発そのものはもちろん、事故に対する評価は見る人それぞれが考えることなのだろう。

 

 なお冒頭に書いた「ちょっとしたきっかけ」は以下のブログ記事を読んだことだ。その気になれば、1日あればすぐに行って帰ってこられる近さなのだと気付かされた。


 

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