それでもやっぱりフルサイズ ! PENTAX K-1 Mark II Silver Edition を買う

 今から約1年前、2019年の9月末と言えばPENTAX100周年を記念するイベントが開催されていた。東京の第1回に参加したのはとても良い思い出だ。新しいAPS-Cフラッグシップの試作機が姿を現したのもその時だった。すごい昔のような気がするけど、たった1年前のことだ。

 その新しいAPS-Cフラッグシップの試作機を目の前にして、目をキラキラさせていたであろう1年前の自分に「おまえは1年後、そのAPS-CフラッグシップではなくK-1 Mark IIをもう一台買ってるだろう」と予言をしたらどんな顔をしただろうか?

目新しさはゼロだけど新品の香りを楽しむ

 ということで、1年先のことなんて本当に分からないものだ。なんだかんだで気がつけばK-1 Mark II Silver Editionの予約を入れていた
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 そして発売日にちゃんと届いた。思ったよりもずっしりと重たい箱が。カメラの箱ってこんなに重たかったっけ?と思ってしまった。新品箱入りの一眼レフカメラを買ったのは2年半ぶりだ。
 

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 とりあえず箱から取り出して銀色に輝くボディを眺める。フォルムもディテールも、この4年半以上にわたって使ってきたK-1/K-1改と同じで見慣れた姿に違いない。でもやっぱりシルバーだし新品だし、それなりにワクワク感がある。マウント面もまっさらだし、心なしかミラーもピカピカしているような気がする。

 触ってみると、フレキシブルチルト液晶のリンク機構とか、SDカードスロットの蓋とか、モードダイヤルとか電子ダイヤル類とか、可動部の節度感がしっかりしていちいちしっとりと動く。K-1も新品のときはこんなだったっけ? 4年半使ってきたK-1改はやはり知らず知らずのうちにいろいろ緩んでいるのだろうか。
 

 K-1 Mark II Silver EditionにはバッテリーグリップD-BG6のSilver Editionが同梱されている。せっかくなのでD-BG6を取り付けてみたが、姿を眺めて記念写真を撮ってみただけで、これは以降実際に使うことはないだろう。

 うん、もちろん格好良いし使い勝手も良いのはわかっている。でもちょっと自分の用途には大きすぎる。K-1発売キャンペーンで貰ったブラックのD-BG6も結局ほとんど使ったことがないのだ。
 

D-LI90P x2個

 使わないとは言え、バッテリーグリップがついているおかげで電池が2個ついてくる点は素直に嬉しい。すでにD-LI90とD-LI90P含めて10個ぐらいの電池を持っているが、あればあるだけ役に立つし、なにしろへたってない新品電池は頼もしい。ということで、もちろんこの2個の電池は使用していくことにする。

 なお見ての通り2020年5月製とかなり新しいロットだった。この電池は平時に常に生産しているものではなく、在庫が少なくなってきたときにまとめて作ってるのではないかと想像する。今年の夏前に作ったこのロットは、多分K-1 Mark II Silver Edition向けではんくて… なんてことまで考えてしまう。もちろん真偽は不明だ。
 
 
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 さて、本体が来る前に細々としたモノを買い集めておいた。

 ストラップはずっと愛用しているピークデザインのSLIDE(第3世代)だ。アンカーだけ付けて、すでに持ってるSLIDEを使い回せるのだが、新しいカメラには新しいストラップを付ける主義なので新品を改めて買った。アンカーは限定品のブルーとニコンとのコラボ品のイエローの余りがあったのでそれを使うことにする。

 現行SLIDEには小型のバックプレートしか付いてこないので、アルカスイス対応のPROプレートを別途用意した。このプレートを使い、SLIDEを斜めがけで使いたいというのが、バッテリーグリップを使わないもう一つの理由でもある。

 そして、液晶保護ガラスはGRAMAS一択だ。透明度が高く、鼻の脂や指紋も拭き取りやすく、傷もつきにくくて曇ってきたりすることもない。
 

シルバーボディの細部を確認する

 まだ手垢がつく前のまっさらなボディに保護ガラスを貼り、アンカーとPROプレートを取り付けたら、さらに細部を見ていこう。

 ダイヤル類のローレットはブラックのままだし、シャッターボタンやホットシューカバーもブラックのままだ。メリハリがあってなんだか思ったよりもずっと格好良い。シルバーの色味も実物はそんなにギラギラしていなくて渋い感じだ。でももう少しくらいガンメタ風味だとなお良いのに、と思う。

 まだシャッターは1枚も切っていないのだが、細部の動作を確かめながら設定のカスタマイズをする。音をすべて消したり、RAWファイル形式をDNGに変更したり、露出補正をダイヤルに割り当てたり、記録ファイル名を変更したり、K-1改と設定を揃えていく。Fnボタンもそんなにないし、ユーザーメニューはひとつしか使っていないので、そんなに大変な作業ではない。
 

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 K-1 Mark II Silver Editionは全世界で1000台限定販売ということで、1から1000の通し番号が製造番号として付与されている。自分に届いた個体は241番だった。キリ番とかぞろ目とか、1とか1000とか306とか308とか期待していたのでちょっと残念だ。

 と思ったが、241は素数であることに気がついた(だからなんだ?)。

 なお、この写真でピークデザインのPROプレートの取り付け状態も良く分かると思う。アンカーの取り付け部としても、三脚のクイックシュープレートとしても使用でき、がっしり固定されている。カメラの底面が傷だらけになるのも防げる。
 

 メニューというか背面液晶表示の配色は12種類から選べるのだが、今までK-1改では特に気にせずデフォルトのまま使っていた。が、ふと思いついてこれもシルバーっぽい配色に変更してみた。うん、これは格好良い。

 上でもちょっと書いたのだが、今まで使っていた古いK-1改と色を除いて最も違いを感じたのは、この背面液晶のフレキシブルチルト機構だ。構造は変わってないのだが何しろ動きが固い。というのは悪い意味ではなくガシッと節度のある動きをする。

 フレキシブルチルト液晶はどうとでも動くために、かえって位置決めが難しい。ただちょっと引き出してチルトしたいだけなのに傾いてしまったりして、どうも使い心地が悪い場合がある。そういう声が大きかったのか、カチッとした操作感で位置決めが決まりやすいようにチューニングを変更したのだろうか。
 

レンズを付けてみる

 さてレンズを取り付けた姿を見てみよう。

 黒のDFA★50mmF1.4を取り付けてみるとこんな感じだ。見ての通り同時に限定数で発売されたシルバー版ではない。銀のボディに黒のレンズという組み合わせも悪くない。だからK-1 Mark II Silver Editionと同時発売されたDFAスターレンズのSilver Editionには手を出さなかった。
 

 FA Limitedシリーズとの取り合わせも気になる。特にFA31mmF1.8 AL Limitedは外せない。これは昨年わざわざ銀から黒に買い換えてしまったのだが、K-1 Mark II Silver Editionと組み合わせて使うにも、このままの黒で良いと思っている(今のところは)。アルミ鏡胴の艶々した黒塗装はシルバーボディとも良く合う。

 なお今現在持っている銀外装のレンズはFA77mmF1.8 Limitedだけだ。これは黒ボディしか持っていないときでも銀のまま気に入って使ってきたから、やはりこのままで良い。FA43mmF1.9 Limitedはもしかしたら銀に買い換え(もしくは買い足し)ても良いかもとちょっとだけ思ってる。
 

K-1改とK-5 Limited Silverと並べる

 さて、これまで4年半使ってきたK-1改と並べてみよう。
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 うむ、どっちも良い。格好良い。新しいK-1 IIを導入したからと言って、古い黒いK-1改を手放す予定はない。この古いK-1改には思い出が詰まっているのだ。

 2年半前に一度K-1 Mark IIを買い足したものの、結局フルサイズ一眼レフ機2台は持て余してしまい、古いK-1改の方を残してK-1 Mark IIは手放してしまった過去がある。でも今度は2台維持していくつもりだ。もちろんメインは銀のほうで、黒はバックアップというか動態保存となるだろう。
 

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 最後に、K-5 Limited Silverとも並べてみた。このK-5以降しばらくはシルバー仕様にこだわって、レンズもシルバーで統一しようとしていた時期があったことをしみじみ思い出してしまった。K-3 IIあたりでその夢は覚め、K-1ではシルバーになびくことなく、レギュラーの黒ボディでレンズも普通に黒と、宗旨替えしていたのだが…

 でも今はまた手のひらを返して「オレは再びシルバーに戻ってきたぞ!」 「シルバーよ、私は帰って来た!」と宣言したい。
  

やっぱりフルサイズ

 だが、正直なところシルバー外装が格好良いから、というだけでK-1 Mark II Silver Editionを買ったわけではない。なにしろこれは、基本的に中身は4年半も前のやや古いカメラなのだ。

 7月に突如公開されたK-newについての動画の中で、思いがけずK-1 Mark II Silver Editionが登場した時は「はぁ? 今さらK-1 Mark IIのSilver版出すとか、何言ってんの?」って思ったものだが、その後よく考えてみると、結局のところ「自分が本当に必要としてるカメラとは?」の答えが分かったような気がしたのだ。

 それはつまり「K-1/K-1 IIの後継機」だ。All newとなるはずのAPS-Cフラッグシップ機の出来はとても気になるが、今となっては自分が欲しいカメラはAPS-C機ではない、欲しいのはフルサイズ機だ!と気付いてしまった。

 一眼レフに注力するというPENTAX STATEMENTは、APS-Cフラッグシップ機に続いてK-1/K-1 IIの後継機となる新しいフルサイズ一眼レフを作るという宣言だと勝手に思い込んでいる。ただ、それまでにはまだ何年かかかるだろう。最悪の場合その間に力尽きる可能性もある。

 だとすれば、まだしばらくメインカメラとしてK-1 IIを使い続けていかなくてはならない。となると、超初期ロットの古いK-1改だけではちょっと心配にだ。このK-1 Mark II Silver Editionは「しばらくはこれで我慢して生き延びてくれ」というメーカーからのメッセージと受け取り、素直に従うことにした。

 フルサイズ原理主義はダサい。今時撮像素子のサイズにこだわるのは無意味というのは分かる。こだわるよりも使い分けが肝要というのも正論だ。APS-Cがサイズや重量の点でもベストバランスということにも同意する。フルサイズにこだわるなら他社のミラーレスの方がずっと良い、なんて言われたら「そうですね」としか返しようがない。

 それでもやっぱりフルサイズが欲しい。できればKマウントの一眼レフが良い。その理由をいまさらゴタゴタ書き並べたりはしないが、誰がなんと言おうとそういうことなのだ。
 


 

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