ここ最近、近所を散歩しながら野鳥の様子を観察する楽しみを覚えた。こんな雑然とした街中にも、季節の草花だけでなく鳥たちも多く暮らしていることに、ようやく意識が向くようになってきた。見ていると結構かわいいし、面白い。なので当然写真も撮る。
東京下町の住宅街にあるビオトープで野鳥撮影に挑戦してみる -酔人日月抄外伝
久しぶりにNikon Z 5を手に野鳥を探しながら近所を散歩する -酔人日月抄外伝
公園に立っている「ここで見られる野鳥リスト」的な看板にはサギ、ウ、カモ、カラス、ハト、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、カモメ… などが描かれている。そのリストの中にはカワセミも描かれているのだが、その姿を実際にこの目で見たことはなかった。本当にカワセミなんかいるのか? こんな下町の住宅街に?
しかし! 梅雨が明けて酷暑がやってきた7月中旬、ある日いつものように散歩していると、川のすぐ横にある木陰に白い大砲を持った人が数人いるではないか。これはもう明らかなサインだ。カワセミが出現したに違いない。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/320sec, ISO5000, 0EV
あ!本当にいた! 真夏の日中だったが、川沿いの薄暗い木陰にいる。鮮やかなエメラルドグリーンの毛並みは意外に目立たず、あそこにいるよ、と指さしてもらうまでその存在が見えなかった。これは今まで偶然出会っていてもこっちはまったく気がつかなかったに違いない。
このあと一度見事なホバリングを見せてくれたが、もちろん撮れていない。そしてどこかへ去って行ってしまった。しかし、この辺に現れることがある、ということが分かっただけでも大きな収穫だった。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/320sec, ISO1250, -1.3EV
そして数日後、普段の散歩の帰り道にちょっと同じポイント寄ってみた。この日はカメラを持った人が誰もいないから、カワセミもいないのだろうと思いつつ、念のため見てみたら… いた!いるではないか!しかも前回よりも日が当たってるからより美しい。
こんなことならやっぱり150-450mmを持ってくれば良かったと思いつつ、しかし、今は気軽に持ち出せる望遠ズームHD DA55-300mmPLMを持っている。こういうもしもの時のために持っているととても役立つレンズだ。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/320sec, ISO4000, -0.3EV
水面に張り出した木の上でじっとしてたかと思うと、いきなり水面にダイブ! 戻ってきたと思ったらこういう状態になっている。なんと川エビを捕まえたようだ。というか、ここにはエビもいたのか!と、そっちの方にも驚く。エビの長いヒゲを飲み込むのに苦労していた。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/320sec, ISO1000, -1.0EV
時々枝を飛び移りながらもまだ漁は続けている。それにしても日陰が好きなのだろう。太陽の当たるところにはなかなか出てきてはくれない。
だからISO感度がどうしても高くなってしまう。手ぶれ補正もあるし、静止してる姿ならシャッター速度はもう少し落としても撮れると思うのだが、いつ飛び出すか分からないのでなかなかそういうわけにはいかない。1/320secでも飛んでる姿を止めるには不十分ではないかと思いつつ、良い解決策が思いつかない。
… こうして明るい大口径レンズが必要になるわけだ。もちろん焦点距離も長い方が良い。なるほど…
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/320sec, ISO2500, -0.7EV
またもや突然水面にダイブして戻ってきたと思ったら、今度は小さな魚を長いくちばしにくわえていた。この小魚は群れになって泳いでいるのが人間の目にも見えているので、採り放題なのではないかと思う。エビもそうだったがこの魚ももちろん丸呑みしてしまった。
PENTAX K-3 III, HD DA55-300mmF4.5-6.3 ED PLM WR RE(300mm), f6.3, 1/320sec, ISO2000, -1.0EV
結局この日は合計で4回ほど漁をする姿を見ることができた。釣果はエビが1尾に小魚が3尾。この小さな身体ですべて丸呑みし、満腹になったのかその後すぐにどこかに飛んで行ってしまった。
この間、このカワセミの存在に気付いていたのは自分だけだったようだ。カメラを持った人は誰もやってこなかったし、周囲を通りかかる人も何も気にかけていない。「何撮ってるんですか?」と訝りながら聞かれるかも?と思ってたのだが、それもなかった。レンズが小さいからだろうか。
なお、華麗に水面にダイブする姿はまともに撮れなかった。連写とかAFとかカメラの性能をどうこう言う前に、撮り方をもう少し研究して試行錯誤しなくてはいけないだろう。ダイブする前兆を見る目とか、カメラの設定も間違ってるような気がするし、なんならやはりこのレンズでは無理なのかも知れない。
また近いうちに様子を見に行こうと思う。次はDFA150-450mmを持って…。