函館旅行2日目:八幡坂周辺を歩き文学館を見学して摩周丸に乗る

2023-02-14

 函館旅行の2日目。この日の主たる目的地は五稜郭だった。その五稜郭見物はお昼前にだいたい終わり、午後はその他函館市内の観光スポットをブラブラ歩き回って写真を撮ってきたので、それらについてまとめておく。

八幡坂とその周辺の教会、旧函館区公会堂

 五稜郭から再び函館山の方に戻ってきた。そして車を適当なコインパーキングに置いて、しばらく周辺を歩き回ることにする。

八幡坂から函館港の眺めNikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(66mm), f8.0, 1/400, ISO100
 函館山に向かっていくつもの坂道があるが、一番有名なのはこの八幡坂だろう。幅も広くて坂の上からは青函連絡船と函館港を真っ直ぐ望むことが出来る。車道はロードヒーティングが施されているのか積雪がない(歩道は雪だらけだ)。

 街路樹の様子なども含めてここはもしかしたら夏の方が景色として綺麗なのではないかと思う。昨夜、函館山の帰りにちょっと立ち寄って夜景を見ておけば良かったと少し後悔した。いやいや、もちろん雪景色も良いものだ。
 

カトリック元町教会 函館ハリストス教会入り口

函館ハリストス教会Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(24mm), f8.0, 1/500, ISO100
 八幡坂の頂上部周辺にはいくつか教会が建っている。「元町」という名前とか坂の上に教会が集まっているとか、幕末から明治初期に開港した港町に特有の街並みではないかと思う。

 これらの教会はもちろん現役で使われていて内部を拝観出来る場合もあるらしい。しかし今回はカトリック元町教会とか函館ハリストス教会など外観を眺めるだけにしておいた。
 

旧函館区公会堂のバルコニー 旧函館区公会堂の大広間

旧函館区公会堂Apple iPhone 13 Pro Max(超広角カメラ 13mm相当), f1.8, 1/1980sec, ISO32
 教会エリアから3分もかからない場所にある旧函館区公会堂にやってきた。昨年まで修復が行われていたそうで、外観はピカピカと言っても差し支えないくらいものすごくド派手で綺麗だ。

 内部を見学することも出来る。明治43年に建築されたこの建物は「区の公会堂」という響きから現代人が想像するようなものとは違い、かなり豪華で特別な施設のように見える。商工会議所を兼ねていたということなので、函館の財界人や外国人たちの社交の場だったのだろう。
 

坂を下り市電の沿線を散策する

 坂の中腹には旧イギリス領事館や旧相馬家住宅など、他にも歴史的建造物があって中を見学することが出来る。しかしそれらは外観を眺めるに止めて坂を下ってきた(なんとか転ばずにすんだ)。

函館の路面電車本線Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(120mm), f8.0, 1/320, ISO100
 函館は路面電車が走っている。市内観光はだいたい路面電車による移動で事足りるのではないかと思う。Suicaを始めとした交通系ICカードも使えるそうだ。短距離でも良いのでどこかで乗ろうと思っていたのだが、結局この日も徒歩ですべて移動してしまった。
 

函館の緑色の洋館Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(42mm), f8.0, 1/500, ISO100
 路面電車の走る通り沿いにこんな綺麗な洋館が建っている。大正時代の建造物らしいのだが、現在でも現地企業の持ち物で現役で使われているそうだ。
 

北方歴史博物館(すでに閉館) なぜか函館にある坂本龍馬記念館

函館市文学館Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(26mm), f8.0, 1/500, ISO100
 そして函館市文学館にやってきた。ここは函館に縁のある作家などの史料をあつめた博物館だ。もっとも有名なのは石川啄木で、2階の展示スペースはすべて石川啄木にまつわる展示になっている。1階にはその他の多くの作家について扱われている。

 目当てだったのは宇江佐真理さんだ。小さなコーナーがあって、いくつかの写真と略歴と出版された本が並んでいるだけだったが、十分に満足した。あとは辻仁成氏とか櫻田智也氏も函館に縁がある(現役)作家として展示がされていた。なるほど、そうだったのか!

 あと、現地でたまたま見つけたのだが、なぜか坂本龍馬記念館なるものがあった。函館と坂本龍馬の関係とはいかに?……と、興味が沸いたので、そんなに安くない料金を払って中を見学してきた。特に目新しい何かがあったわけではないものの、思ったより面白い展示物でそれなりに楽しめた。

函館のソウルフード、ラッキーピエロ

 お昼ご飯は函館のソウルフードとして名高いラッキーピエロにやってきた。市内にいくつも店舗があるが、赤レンガ倉庫街からほど近いベイエリア本店にやってきた。

ラッキーピエロ ベイエリア本店Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(32mm), f8.0, 1/400, ISO100
 人気店だし観光地のど真ん中にあるので混んでるか?と思ったのだが、運良くカウンターも並んでいないし、店内の席も空いていたので、迷うまでもなく食べていくことにした(空いていたのはたまたまだったようで直後にはもう待ち行列が出来ていたのだが)。
 

チャイニーズチキンハンバーガーNikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(31mm), f8.0, 1/30, ISO1100
 店舗外観同様にメニューも盛りだくさんで情報量が多かったのだが、初心者向けの「人気No.1セット」というのが目に入ったのでそれをオーダーする。

 このセットにはラッキーピエロの代表メニューであるチャイニーズチキンバーガーとフレンチフライポテトのホワイト&ミートソースがけとウーロン茶がセットになっている。

 ハンバーガー店で1番人気がビーフではなくてチキンなのかー、と思っていたのは食べる直前まで。食べてみたら人気の理由が分かった。これは美味い。そして思っていたよりも安い。他にもどうやって食べるのか分からないくらい分厚いバーガーや、カレーなんかも人気メニューらしい。
 

青函連絡船の思い出に浸る

 さて、函館で是非もう一つ見ておきたいと思ったのは青函連絡船として運航されていた摩周丸だ。

摩周丸Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(23mm), f5.6, 1/640, ISO100
 青函連絡船と言えば、以前は東京の船の科学館にも羊蹄丸が展示されていたが、いろいろな事情で現在はもう解体されてしまった。今現在、青函連絡船現役当時の船体は青森の八甲田丸と、この函館の摩周丸だけ残っているらしい。

 なお桟橋の位置は多分現役当時のままなのだろう。函館駅に引き込まれる線路はもうないが、今でも函館駅は摩周丸に向かってカーブしたままだ。
 

青函連絡船の展示コーナー ニコンの双眼鏡

摩周丸の船内Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(22mm), f5.6, 1/30, ISO160
 船内は青函連絡船の歴史にまつわる展示品が並んでいる。戦後間もなく発生した洞爺丸他6隻の沈没事故に関する展示も非常に多い。黒歴史なのでもしかしたら触れてないのではないか?と思っていたが、あの事故なくして現存する摩周丸含むその後の青函連絡船の歴史はなかった、ということなのだろう。

 個人的な思い出を言うと、実は1度だけ青函連絡船に乗ったことがある。まだ小学生だったと思うが、上野から特急電車に乗り青森から函館への深夜便に乗船した。記憶はあまり鮮明ではないのだが、この雑魚寝船室を見た瞬間になんだか猛烈に懐かしい気持ちがこみ上げてきた。そう、確かこういうところで寝たはずだ……と。
 

街角から見える摩周丸Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(103mm), f8.0, 1/500, ISO100
 函館の主な観光スポットを歩いていると、とにかくことある毎に函館山と摩周丸の姿が見える、という印象がある。しかしこの船ももしかしたら維持が難しくなる時が来るのかも知れない。

 昭和の記憶がある世代なら、隔年で大晦日にNHKから流れてくる有名な歌に歌われているような、真冬の青函連絡船の旅情をリアルなものとして覚えている人も多いだろう。それを思い出すことが出来て良かった。なのでここも訪れるなら断然冬ではないかと思う。

 

 ということで、本当に数日前に急に思いついて出かけたわずか一泊の旅だったが「初めての函館」としては十分に満喫したと思う。函館は冬こそ最高だ!とは言ってみたものの、他のシーズンを知らないままでは説得力が無いので、また春や夏や秋にも是非訪れてみたい。
 

B767-300ER JA651Jラストフライト

 行き帰りはいつも通りJALを利用した。直前の予約だったため株主優待券を有効に使うことが出来た。

白い恋人ソフトクリーム
 JALの紙コップ
JALのB767-300国際線機材のクラスJシート JALのB767-300

 使用機材は行きも帰りもB767-300ERの国際線機材(A43仕様)だったので、クラスJシートは国内線機材よりもかなり広めだった。行きで「なんか違う…」とキョロキョロしていたら、CAさんに「どうかしましたか?」と声をかけられてしまう程度に挙動不審だったようだ。

 なおこのJA651Jはこの日(2023年2月4日)のJL588便(HKD > HND)がJALでの最終運航便である旨のアナウンスが機内であった。なんと!

 B767としては比較的新しい機体でまだ新造導入から12年程度なのだが、売却先があるうちに売ってしまうということなのだろう。おそらくは需要が旺盛な貨物機に改造されるのではないかと思う。

 ANAもJALもコロナ禍でB777が急激に数を減らす中、B767はまだまだ多数運航されている。とは言え経年機がかなり増えてきたし、そのうち気がついたら767にはほとんど乗れなくなる、という時代がやってくるのもそう遠くはないかも知れない。
 

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