前回からの続き。長いと思っていた旅もあっという間に終盤だ。このエントリーでは北海道ドライブ旅行の5日目の様子をまとめておく。
5日目のルート
旅の5日目、6月1日 水曜日の移動ルートは↓この地図に引いた紫色の線の通りだ(計画ではなく実績ベース)。
残念ながらこの日は今回の旅の日程の中ではもっとも天気が悪い1日だった。出発地は網走で最終目的地は旭川なのだが、まずは海沿いに北に向かう。この辺には能取湖とサロマ湖という汽水の湖が並んでいる。その二つの沿岸をなぞりつつ湧別を経由して紋別まで行ってみた。
そのまま海沿いを稚内へ向かいたくなるが、紋別から稚内までは200㎞以上ある。稚内と宗谷岬は計画段階で目的地に含めるかどうかかなり悩んだのだが、他の日程へ与えるインパクトが大きい上に現地でもあまり時間が取れそうにないことから、今回は敢えてルートから外しまた別の機会に利尻や礼文含めてゆっくり訪れようと思う。
ということで、紋別からは道央方面に進路を取り、山をいくつか超えて旭川に入った。走行距離は結構長くなり約290kmだ。
能取岬と能取湖
朝は網走市街から国道を行かずにわざと能取岬のほうに回ってみた。この岬は5年前にも訪れている。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f2.8, 1/1250sec, ISO100
当時と変わらずひっそりとして誰もいない荒涼とした景色が広がっていた。灯台にいたる道路脇は牧場となっていてきれいに管理されているようだが、特に牛も馬も(人も)姿はなかった。知床連山も見通せるし、天気が良ければかなりの絶景なのだが。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f8.0, 1/500sec, ISO100
その後能取湖をグルっと半周した。遠浅の海岸線のような風景が広がりその周辺には野鳥がたくさんいた。近所の親水公園で見るアオサギはどこか場違いで不貞不貞しいが、こういう景色の中にいるとしっくりくるし優雅に見える。
さらに、この写真には写っていないが、遠浅の干潟のようなところには人の姿もちらほら見えたりもした。どうやら漁業権がなくてもこの時期はアサリがとれるらしい。つまり潮干狩りだ。サギやシギなどの鳥たちもアサリを目当てに集まっているのかも知れない。
なお、今回はレンズは基本的に大三元を使っているのだが、全行程車移動なのをいいことにもしもの時のために望遠ズーム150-450mmもラゲッジに入れてきたので、それが役に立った。
果てしなく続くサロマ湖
能取湖を通り過ぎると次はサロマ湖が見えてくる。こちらは琵琶湖、霞ヶ浦に続いて日本で3番目に大きい巨大な湖だ。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/320sec, ISO100
サロマ湖に突き出るキムアネップ岬に立ち寄ってみた。キャンプ場が整備されているが無人で、周囲はやはり湿原地帯になっているようだ。整備された遊歩道もあったので一周してきたのだが、周辺にはハマナスや名前は分からないが、他ではあまり見かけなかったような植物がたくさんあった。そして今回は望遠ズームは持ち出さなかったが、鳥も沢山いる。だから無人だったけど結構にぎやかな場所という印象が残っている。
なおこの岬からは、晴れた日の夕暮れはサロマ湖に沈む夕日の絶景がみられるそうだ。実際は写真のようにドン曇りの午前中だったが、その光景を想像することはできる。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/250sec, ISO100(6枚からパノラマ合成)
その後国道沿いに「サロマ湖展望台」という小さな看板が見えたので行ってみることにした。観光客は先っちょと端っこと高いところには行くものだ。この展望台からは巨大なサロマ湖を端から端まで一望することができるし、もちろんその外に広がるオホーツク海まで見通せる。
なおこの写真は24mmで縦に構えて方向を変えながら6枚撮影し、Lightroom Classicでパノラマ合成したものだ。途中でちょっとズームリングに触れてしまったのか、左の方で少し水平線がずれてしまっている。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(35mm), f8.0, 1/320sec, ISO100
たどりついた展望台自体はとても立派な建物だし、曇りなりに素晴らしい景色だったのが、ここまでのアクセス路がひどかった。気軽に入り込んだものの、道路はいつの間にか非舗装となり、さらには対向車が来たらかなり難儀なことになるくらい道幅が狭い。もちろんガードレールなどと言うものはない断崖沿いだ。そんな悪路が5㎞くらい延々と続いてヒヤヒヤした。
幸い登りも下りも1台も対向車とすれ違うことがなかった。つまりこの展望台も独り占めできたのだ。それは素晴らしいことだけど、あまりにも山奥だし人がいなさすぎて、ここで熊に出会ったらどうにもならないなと心配になってくるくらいだった。
いずれにせよこの展望台からの夕日も素晴らしく綺麗らしい。日が沈んだ後にあの悪路を走りたいとは絶対に思わないのだけど。
Apple iPhone 13 Pro Max(広角カメラ 26mm相当), f1.5, 1/346sec, ISO50(ポートレートモード)
その後サロマ湖岸の道の駅に立ち寄ってみた(営業してた!)。ブラタモリでもやっていたように、サロマ湖と言えばホタテだろ!と思っていたのだが、フードコートのメニューはカレーから丼もの、そして麺類までなぜか豚肉押しだった。そりゃまぁ豚もこの地域推しの物産なのかも知れないが、逆にまさかと思うほどホタテを使ったメニューが少ない。
そんな中でメニューの隅にひっそりと書かれていた「ホタテまん」を食べてみた。割ってみても白くてなんだか地味なのだが、これが超絶美味かった。これはもっと推した方が良いのではないかと思った。
湧別で終わりかけのチューリップを見る
サロマ湖岸をようやく走り抜け次にたどりついたのは湧別町。ここにチューリップ公園があるというので少し寄り道してみた。関東ではもうとっくにチューリップは終わっているが、北海道のこの地域では平年は6月初旬まで楽しめるらしい。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(70mm), f2.8, 1/200sec, ISO100
小雨交じりでチューリップを見るにはコンディションが良くなかったし、そもそものことを言えば残念ながらチューリップはすでに終わっていた。今年は例年よりも1週間くらい巻き気味に咲いたらしい。
訪れた「かみゆうべつチューリップ公園」は、シーズン中は入場料が必要なのだが、この日はチケット売り場も営業しておらず「勝手に入って見て良いですよ」と言われた。実際にチューリップの花が残っているところは極一部しかなくて、それももうほぼ終わりかけ。だから現地は一応北海道の雄大な景色の中に広がるチューリップ畑なのだが、天気と相まってどうにもならず、写真はアップでしか撮れなかった。これではどこで撮ったものか分からないのだけど仕方がない。
紋別の海辺に立つカニ爪のオブジェを見る
さらに海岸線沿いに進み紋別までやってきた。ここは以前にふるさと納税をして、その返礼品としてカニをもらったことがあり、なんだか全く知らない土地ではないような錯覚を覚えている。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(29mm), f8.0, 1/500sec, ISO100
さっきまでいた湧別町では雨が降っていたのに、紋別に到着したらいきなり晴れてきた。ほんの20kmほどしか離れていないのに。
海岸沿いにはいくつものオブジェのようなものが並んでいた。アート系作品が好きな土地なのだろうか? 良い感じの漁港町というよそ者が求めがちなイメージとはちょっと違うが、これはこれで映えるし面白い。その中でも圧巻なのはカニ爪のオブジェだ。このカニ爪は結構歴史が古くて昭和の時代に作られ、最初は流氷の上に突き出るように展示されていたそうだ。その光景を見たかった。
なお↑このカニ爪前でとった記念写真は、308SWを撮った写真の中でも過去ベストに近い1枚だと思っている。シュールで素晴らしく格好良い。
旭川の地ビールとジンギスカン
紋別から273号線を走り旭川までやってきた。旭川は帯広よりも釧路よりも圧倒的に大都会で、片側3車線の信号だらけの道路とか久しぶりすぎてドキドキしながら運転をした。なんとかホテルにたどりつき、さっそく食事に出かけることにしたのだが、ここでもまた当てにしていたお店が定休日というトラップに嵌まってしまった。
RICOH GR3, f6.3, 1/30sec, ISO6400
そうなると駅前の繁華街でラーメンでもさっと食べるか、またセイコーマート弁当にお世話になるか?と悩んで旭川の街角を歩いていたところで、突然「旭川 大雪地ビール館」なるものに行き当たった。うん、サッポロクラシックばかりではなく地ビールも良いかもしれない。ビアホールみたいな雰囲気で食事もちゃんとできそうだ。
ということで、ここで地ビールを飲みながらおつまみをちびちび食べ、〆にはジンギスカン丼なる魅惑の食べ物を食べた。ビールとジンギスカンの相性は最高だ。さっきまではちょっと凹んでいたのだが、結果オーライと言うことにしておこう。
さて明日は今回の旅でももっとも楽しみにしていたところへ向かう予定だ。天気が持ちこたえてくれると良いのだが。
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