北海道ドライブ旅行2022(1〜2日目:帯広〜阿寒湖〜釧路湿原)

2022-06-09

 それでは忘れないうちに北海道ドライブ旅行の詳細編をはじめたいと思う。

 1日ごとに1エントリーと思っていたが、北海道上陸初日は半日しかなかったので、2日目までをまとめて第1回目のエントリーにしておく。なおフェリーについては番外編でまとめておくつもりなのでここでは割愛し、北海道に上陸したところからはじめたい。

1日目と2日目のルート

 苫小牧に到着したのは5月28日土曜日の午後2時頃だった。その初日と翌29日の2日間に走ったルート(青が1日目、緑が2日目)を改めて振り返っておくと↓こんな感じになる。

1日目と2日目の走行ルート

 苫小牧港に到着してからひたすら東に向かい、初日は帯広に泊まり、2日目は釧路に泊まることにした。帯広から釧路へは、ぐるっと山側を回り道して阿寒湖を経由し釧路湿原の縁を巡ってきた。

 1日目の走行距離は約230km、2日目は約290kmだった。1カ所で何時間も時間を取ることはできないが、このくらいの距離ならスケジュール的にかなり余裕を持つことが出来る。

 ちなみに宿泊先はすべて事前に手配しておいた。北海道を巡ると言えば、キャンプや車中泊をするとか、行き先や宿泊先はその日まかせに決めるというやり方もあるが、初心者だし自分の性格や旅の考え方に合っていないので(憧れはするけれど)そういう無理はしていない。

愛国から幸福ゆき

 移動の多い旅行では良くあることなのだが、宿泊地には夕方に到着して朝には出発してしまうため、かえってその周辺はちゃんと巡ることが出来ない、という罠に帯広でさっそくはまってしまった。

 ということで、帯広周辺で朝夕のちょっとした時間でも見に行けるところとして、旧広尾線跡の有名な廃駅に行ってみた。「愛国から幸福ゆき」というフレーズは子どもの頃から何となく知っていたが、なるほど帯広にあったのか!と、今回はじめて具体的な場所を認識した次第だ。

旧幸福駅 駅舎内部 

旧幸福駅の気動車PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(58mm), f4.0, 1/100sec, ISO100
 旧幸福駅は公園として整備され、古い気動車が2両置いてある。車両の中も自由に見物することが出来る。そして小さな駅舎の中は一面ピンクになっていた。「愛国から幸福行き」とかかれた切符のような紙切れが、神社に奉納された絵馬のようにいろいろな人の願いとともに貼り付けられてるようだ。もちろんほとんどは恋愛に関する願い事だ。なのでかなり眩しい。
 

旧愛国駅のSLPENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/200sec, ISO100

旧愛国駅看板 旧愛国駅舎

 旧幸福駅から帯広側へ2駅戻ると旧愛国駅がある。こちらのほうが駅舎も大きくて立派なのは現役当時からだったのだろうか。旧幸福駅同様に今はきれいに整備されていて、ホームにはSLが置かれていたり、駅舎の中は往年の鉄道関連設備等のちょっとした展示スペースになっていた。

十勝の牧場地帯を走り抜ける

 2日目の最終目的地は釧路なのだけど、当然まっすぐ行ったりはしない。旧愛国駅を見た後は進路を北東に取り、足寄方面を目指した。

十勝の畑の風景 十勝の風景

黒田農場の菜の花畑PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(45mm), f8.0, 1/640sec, ISO100
 その道中に広がる帯広郊外の農場地帯は、今回の旅で初めて目にした「The 北海道」的風景で、いちいち車を停めては写真を撮っていた。このあとずっとこんな景色を見ることになるのだろうと、うすうす分かっていたのだけど。

黒田農場の菜の花畑PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f8.0, 1/400sec, ISO100
 畑はちょうど耕されててまだ土のままだったり、うっすらと緑に覆われていたりしていろいろコントラストがあってそれはそれで綺麗だった。途中、ガイドブックにも載っている黒田牧場の菜の花畑も見てきた。雪の残る大雪山系が思ったよりも間近に見通せたりしてとてもきれいだった。

雨のオンネトーと阿寒湖

 ある意味この日の一番の目的地としていたのは、足寄からさらにずっと山奥にある阿寒湖とオンネトーという2つの湖だ。帯広周辺は比較的晴れていたのに、阿寒湖周辺はわりと本格的な雨が降っていた。

霧雨のオンネトー 霧雨のオンネトー

オンネトーと308SWPENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(40mm), f5.6, 1/125sec, ISO100
 オンネトーは雄阿寒岳と雌阿寒岳の火山活動で作られた堰止め湖で、エメラルドグリーンの湖面が神秘的な風景を作り出しているらしい。しかし残念ながらこの天候で、風も吹いて湖面が波立っていたので、色合いは今ひとつよく分からなかった。ひっそりとしていて神秘的でひんやりとした空気は感じられたのだけれど。ここはまたリベンジしなくてはいけない。
 
錦沼PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(27mm), f7.1, 1/50sec, ISO100
 むしろオンネトーのすぐ横にあるさらに小さな「錦沼」こそ、異様で見事な景観だった。こちらはエメラルドグリーンの対極にあるかのような茶褐色の小さな沼だ。もちろん鉄による色だそうだ。
 

ヒメマスの刺身PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(45mm), f3.5, 1/125sec, ISO100

虚無の阿寒湖 阿寒湖アイヌコタン

 まりもで有名な阿寒湖畔まで行ったが、ここも非常に天気が悪く湖の眺めははほとんど虚無だった。遊覧船なども営業している感じがなく、完全に寂れ果てた観光地の気配を漂わせている。でもお土産屋さん街やアイヌ伝統文化を展示再現しているアイヌコタンなどを散歩しつつ、阿寒湖でこの時期にだけ取れるという旬のヒメマスをお刺身でいただいたりして、それなりに楽しんだ。

 でもやっぱり阿寒湖をちゃんと体験したとは言いがたい。ここもまた次回以降への宿題としたいと思う。

 ちなみにこの日は関東地方などで季節外れの猛暑日を記録していたらしいが、阿寒湖周辺はもちろん釧路なども10℃に届くかどうかという状態だった。

細岡展望台から釧路湿原を眺める

 阿寒湖のあとは何となく鶴居村方面に進路を取るつもりで、いくつか中継候補地があったのだが、ナビが示した「阿寒公園鶴居線」は非舗装路と書かれていた上に、実際にこの日は通行止めになっていた。南に向けた道路に曲がり損ねたまま、国道241号線まっすぐと東へ進んで、結局弟子屈まで行ってしまった。

 その結果、予定外に国道391号線を南下しつつ釧路湿原、釧路市街へと向かうことになる。こういう行き当たりばったりな行動も、ゆるいドライブ旅の醍醐味だ。

細岡展望台から釧路湿原の眺め 釧路湿原駅

釧路湿原PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(160mm), f8.0, 1/400sec, ISO100
 3年前に釧路から根室を旅したときは、湿原の南西部にある北斗展望台から釧路湿原を眺めたのだが、今回はほとんどその反対側にある細岡展望台にやってきた。こっちの方が一般に人気があるようだ。以前ブラタモリでも取り上げられた場所だ。
 

釧路湿原PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(170mm), f8.0, 1/320sec, ISO100
 そして釧路に近づくにつれていつのまにかまた晴れいきて、湿原はきれいに遠くまで見通すことが出来た。素晴らしい!

 でも前日までは釧路湿原にもしっかり雨が降ったらしく、湿原の中を蛇行して流れる釧路川の一部で水が溢れている様子が見えた。こうして少しずつ川は流れを変え、小さな氾濫を繰り返して周辺の森林化を阻んで湿原の状態を保っているのだろう(ブラタモリでそう言ってた)。

 湿原の中を突っ切る釧網線からの眺めもとても良いらしく、観光列車も走っているらしい。細岡展望台の近くにある釧路湿原駅にも立ち寄ってみたが、何も調べずに行ったので、残念ながら列車時間とは全く合わなかった。

帯広と釧路の夕食

 今回はあまり重視はしていなかったのだが、旅と言えばやはり食事も楽しみのひとつだ。初日の帯広泊と2日目の釧路泊は、街中のビジネスホテルに宿を取っていたので、夜は散歩を兼ねて繁華街の飲み屋街に繰り出してみた。

豚バラ網焼き

ソイ刺し 夕日ハイボール

 帯広ではけっこうしっかりとした雨に降られたり、釧路は日曜日だったので休みの店が多かったりしたが、肉も魚介も野菜も含めてそれっぽい地場産のものを食べてみた。特に帯広で食べた豚バラ肉の網焼きは超美味しかった。

 お酒はサッポロクラシックを基本に、釧路名物の夕日ハイボールを飲んだ。一日の疲れを酔いに紛らわせ、敢えてあまり真剣に綿密に翌日のことを考えないようにする。とりあえず出発時間と、最終目的地が決まっているだけで、気ままな旅はまだまだ続く。
 

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