もうすぐ退役するJAL B777−200ERの下地島チャーターフライトに乗ってきた

2023-05-07

 まもなくJALのボーイング777-200ERが退役する。つい数年前までは羽田をハブとした幹線ではほとんどの便がB777で運航されていたのに、コロナ禍とPW4000エンジン問題発生以降、お別れする間もなくあっという間に国内線用の-200と-300は全機退役してしまった。

 その後、国際線向けの-200ERが国内線に転用されていたが、それもA350-900への置き換えが一気に進み、2023年5月1日時点で残っているB777-200ERは3機のみ。それらもすでに定期運用からは外れていて、夏前には離日して完全に姿を消す予定だ。

新千歳空港01Lを離陸するB777JAL / B777-200ER / JA709J(2022年12月退役済み) / 2022年6月 / 新千歳空港で撮影
 「B777はもう飽きた……」と言っていたのはついこの前のことで、こんなに早く退役してしまうなんて思いもしなかった。

 そんな中、もうすぐ退役するB777-200ERで羽田-下地島を日帰りで往復するという、飛行機好きをターゲットにしたチャーターフライトの企画があることを知った。ちょうどお酒を飲んで帰る電車の中で偶然そんな情報を見つけ、酔った頭でそのまま抽選申し込みボタンを押していた。

 この際できるならば最後にB777-200ERに乗っておきたい。そもそも抽選だからダメ元だ。申し込むだけでもやることはやったと、そんなことも半分以上忘れていたある日「当選のお知らせ」がJALから届いた。なんと!

 そうなったからには行かねばなるまい。JGC修行を経験した身なので飛行機に乗ることだけが目的の旅は慣れている。ということで人生で最長距離の日帰り旅行に出かけてきた。

Youtubeの動画にまとめた

 今回の旅の様子は思い切ってYoutube動画にまとめてみた。下地島までの往路の様子をまとめた前編と、下地島での各種イベントおよび羽田への復路の様子をまとめた後編の2本になっている。

 それぞれ8分20秒ほどの動画だがチャプターも切ってある。このツアーで体験したことはほぼすべてこの2本の動画にまとめてあるので、暇なときにでもぜひ見て欲しい。

 なので改めてブログに書くことはないと思ったのだが、せっかくなのでここでは動画には反映できなかった細かいことや、その他の背景などなど自分自身の備忘録のためにも補足事項をまとめておく。思いつくままに書いていたら思ったより長文になった(動画を見るよりダルいかもしれない)。
 

羽田を出発

 5月1日月曜日、ゴールデンウィークの谷間の平日だがもちろん仕事は休んだ。往路の羽田発下地島行きはJL3977便(サンキュー777)と我々には案内されていたが、実際の運航上の便名はJL4901というコードが割り振られていたようだ。

チャーターフライト専用チェックインカウンター B777のコクピットパネルの一部

国際線用ケータリングが横付けされたB777-200ER JA703JNikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(62mm), f4.0, 1/160, ISO100
 特別なチャーター便ということで、いつものJALアプリやiPhoneウォレットなどは使えず、専用のカウンターでチェックインし紙の搭乗券をもらった。搭乗ゲート11番ではちょっとしたイベントが行われていて、B777のコクピット装置部品やその他パーツなどが展示されていたりした。

 そして窓の外にはこの日のフライトで使用されるJA703Jが準備をしている。羽田空港第1ターミナルでB777に国際線用のケータリングトラックが横付けされている姿もなにげにレアだったりする。そう、この日のフライトでは国際線の機内食が提供される予定になっている。
 

R1ドアの窓から富士山
Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(27mm), f4.0, 1/1600, ISO100

 午前8時25分頃、定刻通りに出発し羽田空港のD滑走路RWY05から離陸した。そして間もなく右側の機窓には綺麗な富士山が見えてきた。シートは窓際ながらも左側だったので、R1ドアの縦長の窓から撮った。機窓写真は無理に窓にカメラを押しつけるよりも、窓枠込みで撮った方が味わいがあるな、と最近思い始めている。
 

機内の様子

 さてB777-200ER (JA703J)はもともと国際線用の機材で、いわゆるW63/W64といわれる座席仕様となっている。国内線転用されてからも改装されずそのまま運航されていたので、通常の国内線向け機材と比べると通常席もクラスJ席も圧倒的に広くて豪華だ。特にクラスJ用のシートはSKY SUITE IIIという国際線ビジネスクラス用のフルフラットシートとなっている。

SKY SUITE III フルフラット体験 ビジネスクラス(クラスJ)の機内

SKY SUITE III フルフラットNikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14mm), f4.5, 1/60, ISO2500
 今回はそのSKY SUITE IIIを味わうためにも奮発してビジネスクラス席をとった。

 以前にも-200ERが国内線に転用されることが時々あった。2019年にマイル修行しているときに一度だけ新千歳便でB777-200ER (JA711J)に機材変更になったことがある。その時は当日に運良くクラスJにアップグレードできて、通常運賃に+1,000円でこの国内線としては豪華すぎるシートに乗った経験がある。

 今回は特にフライト時間も3時間近くて、そこそこ存分にSKY SUITE IIIを体験することが出来た。最新の国際線機材のシートはもっと豪華なのかもしれないが、国際線のビジネスクラスとはほとんど縁がない身分にとっては十分贅沢を味わえたと思う。

 なお機内をざっと見渡したところビジネスクラスもいくつか空席があったし、エコノミークラスの方は半分くらいしか席が埋まっていなかったようだ。たしか参加人数は150名強と言っていたと思う。いずれにしてもこのチャータフライトのチケットはぜんぜん争奪戦と言うことはなく、申し込んだらほぼ参加可能だったのかもしれない。
 

国際線用の機内食(エコノミークラス向け)Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(22mm), f4.0, 1/60, ISO360
 さて、特別なチャーター便と言うことで国際線向け(エコノミークラス用)の機内食が出てきた。大昔と違って機内食もとても美味しくなった(JALだからかもしれない)。このハンバーグなど芯までしっかり温まっているし、野菜もシャキシャキでとても美味しかった。なお2年ほど前に乗ったANAのFLYING HONUのチャーターフライトとは違ってアルコール類の提供はなかった。

 ここで少し個人的な思い出話をすると、実は20年以上前は北米線を中心によくJALの国際線に乗っていた時期がある。時代のせいだったのか、当時所属していた会社(と旅行代理店)の力なのか、安いエコノミークラスチケットで予約してあっても、だいたい片道はインボラアップグレードしてもらえた。その時代はまだSKY SUITE IIIのようなフルフラットシートは発明されていなかったが、それでももちろん楽ちんだし食事も豪華だったし荷物もすぐに出てきたりと、身分不相応な経験をしたものだ。

 その時代の主力機材はB747-400だったが、2002年秋ごろにシンガポール便(もしかしたらクアラルンプール便だったかも)で当時就航したばかりのB777-200ERに乗った記憶がある。その時はいろいろな事情で往復ともビジネスクラスにインボラアップグレードしてもらえて、ピカピカの新造機の最新鋭ビジネスクラスシートで贅沢した覚えがある。時期的に多分-200ERの初号機 JA701Jだったのではないかと思う。

 それが自分にとってJALのB777-200ERの記憶だ。もちろん国内線で活躍していた-200や-300に乗ったことは、冒頭に書いた通り「飽きる」くらいあるわけで、いざ退役してしまうとなるととても寂しい。
 

下地島空港一周

 さて閑話休題。そんなこんなでお昼頃に下地島に到着した。その際、かの有名な珊瑚礁に囲まれたRWY17エンドからアプローチして、ゴーアラウンドするというちょっとしたハプニング(イベントの一環か?)があったのは、冒頭に貼った前編動画にあるとおりだ。残念ながら到着時の下地島の天候は雨模様だったが、それでも下地島17エンドの珊瑚礁の青さは見事だった。

 到着後はイベントがいろいろ企画されていた。当初の計画では我々乗客が降りた後、JA703Jはすぐに飛び立ち、下地島でパイロット訓練を行っていた時代と同じようにトラフィックパターンを飛んで、下地島空港上空をローパスし、その様子を我々参加者は空港内の制限区域内から見物するという企画が目玉だったのだが、下地島および伊良部島近海で遭難した陸上自衛隊ヘリコプターの捜索の支障となる可能性があるため、ローパスフライトは中止となってしまった。残念だが仕方ないことだ。

 その代わりに到着後にコクピットを見学させてもらうことが出来た。近年はセキュリティ上の理由から、飛行中はもちろん、駐機中だったとしても現役の飛行機のコクピットに一般人が入れる機会は限りなくゼロに近い。残念ながらコクピット内の写真はネットなどへの公開はNGということでここに貼ることが出来ない。個人的な思い出として大切にとっておこうと思う。
 

下地島空港制限区域内からターミナルとタワー方向 下地島空港の17側滑走路端

下地島空港RWY17エンドNikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(30mm), f4.0, 1/3200, ISO400
 さて、後編動画の前半部にもあるとおり、一応バスに乗って下地島空港内を一周することができた。しかし空港はわりと低い位置にあり周囲の眺めはほとんどない。座った席が内側(空港側)ということもあって、すっと滑走路周辺の草原と遠くにタワーなどが見えていただけだった。

 空から見るRWY17エンドは美しかったが、下地島で一番有名な映えスポットと言えば、17エンドの海岸からの景色だ。ちらっとバスの反対側の窓に見ることができたが、ここはいずれたっぷり時間をとって、晴れている時に再訪したい。

B777-200ER撮影会

 続いて駐機中のB777-200ER JA703Jを撮影する時間が設けられていた。

下地島空港のB777-200ER(JA703J)Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(16mm), f8.0, 1/320, ISO100
 空港の展望デッキなどはある程度距離が遠く、高いところから機体を見下ろすことがほとんどで、通常はこのクラスの飛行機の真下まで近づいて見あげながら写真を撮る機会はない。なので主に超広角で撮りまくった。
 

B777-200ERノーズ B777-200ER左翼端から

B777-200ER左エンジンNikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(14mm), f5.0, 1/250, ISO100
 JALのB777-200ERのエンジンは-300ERと同じGE90シリーズで国内専用の-200のPW4000シリーズよりも直径もパワーもかなり大きい。ちなみにANAのB777-200ERはPW4090を搭載しているので、それと比べてもJALの-200ERのエンジンカウルは独特の形状/大きさをしている。細かいスペックはともかく、見た目にいかにも「ER」という感じがして格好良いと思う。

 そしてGE90だったおかげで2021年から2022年にかけてのPW4000搭載機の運行停止を免れることが出来た。コロナ禍とは言え-200や-300がすべて飛べなくなったのは打撃だっただろう。特にANAは-200ERも飛べなくなったので大変だったはずだ。この問題は少なからずその後のB777シリーズの運命に影響を与えた出来事だったと思う。
 

B777-200ERメインギア JA703J垂直尾翼付近

B777-200ERエンジンカウルNikon Z 5, NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(82mm), f8.0, 1/200, ISO100
 超広角のパースが効いた写真ばかりではなく、ディテールもとっておこうとレンズを付け替えてまた機体の周りを往復した。沖留めのスポットで搭乗する際に時間と周囲の目を気にしながらササッととるのと違って、誰にも気兼ねなくゆっくり機体の周りを巡りながら、細部を見て写真を撮れるのも貴重な体験だった。
 

本気のパイロットトークショー

 その後下地島空港のターミナル内(この日は使われていなかった国際線ターミナル到着エリア内)でJALのB777パイロットたちによるトークショーなる企画が行われた。想像を遙かに超えるあまりにもマニアックな内容に驚くとともに超楽しめた。

パイロットによるトークショー(航空法73条2について) パイロットによるトークショー(飛行機の飛ばし方講座)

 羽田空港でチェックイン時に「旅のしおり」を渡されたのだが、それが27ページもあって、しかも中身が全然「旅のしおり」ではない。この日のスケジュールや注意事項、見所案内などが書かれているわけではなく、今回参加されたパイロットの方々の経歴や、下地島でかつて実際に行われていた訓練の概要とその注意点、羽田空港と下地島空港のチャートなどが掲載されている。

 この「しおり」はトークショーの「テキスト」だったようだ。離着陸時にパイロットの皆さんが気にしていることや、基本的な操縦の手順などなど、通常は聞けないようなわりとぶっちゃけトークが次々に展開されていく。しかも、ちょっとした専門用語も前置きなしで普通に飛び出すなど、聞いている我々がマニアであることを前提にしているところもとても良い。

 航空会社は「安全」のイメージを気にするあまりか、運航現場のリアルな話、パイロットや乗務員たちの生の声などを表に出すことをとても嫌い、ざっくり表面的な建前と美談しか言わないというイメージが何となくあったが、これはクローズドな場(とは言え多くの一般人やプレスが入っているのだが)のためか良い意味でそれらのイメージは裏切られた。と言っても別に際どい話や危ない話がされたわけではなく、ごくごく普通の現場の苦労話などリアリティのある話がされただけだが、それですらとても新鮮な話に聞こえた。

 このチャーターフライトは実際のところ「パイロットが本気で考えた」ツアー企画の第2弾だそうだ(第1弾は昨年に羽田-帯広で運航されたらしい)。下地島が目的地に選ばれたのも、ここが約10年前までは民間航空会社のパイロットの訓練で使われていたためであり、今回参加されていた方々含め、多くのB777パイロットにとっての聖地であり故郷だからなのだろう。

 つまり我々お客さんを楽しませるためと言うだけでなく、JALのパイロットの皆さんこそ下地島でふたたびB777を飛ばしたかったが故に実現したチャーターフライトだったのだ。通りで気合いが入ってるわけだ。
 

みやこ下地島空港

 さて、そうこうしているうちにもう夕方になってきた。実は自由時間が1時間弱あったのだが、残念ながらその時間だけでは観光に出かけることは出来ない。いや、空港にはレンタサイクルがあることを調べてあったので、自転車でどこかに行こうかとも考えていたのだが、お天気も今ひとつなので空港内を探索するだけにしておいた。

みやこ下地島空港入り口 宮古下地島空港にあったシーサーの壁画

みやこ下地島空港の出発ロビーNikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(17mm), f5.6, 1/60, ISO2500
 もともと下地島空港は民間航空会社の訓練専用空港として作られたものだが、その訓練需要はシミュレータの発達により約10年前を最後に行われなくなった。

 大型機が運航出来る規模と設備を持つこの下地島空港を遊ばせておくのは勿体ないわけで、2019年からは定期旅客便が運航されるようになっている。現在のところはスカイマークとジェットスターが羽田/成田、神戸、那覇などの路線を運行している。

 ターミナルはその定期路線就航に合わせて新築されたもので、とても新しくて綺麗だ。特にセキュリティゲートを通過した先の出発ロビーはまるでどこかのホテルのようだ。バーカウンターやソファーもあるし食事も出来る。古くて小さくてかわいい他の離島空港の雰囲気もそれはそれで味わい深いが、やはり新しくて綺麗な施設は良い。

 今後さらに観光需要が本格的に戻ってくると、那覇や石垣や宮古などの既存混雑空港に代わる、もう一つの沖縄エリアのハブ空港としてのポテンシャルがここ下地島にはあるかもしれない。大手2社もいつかは路線を開設する日が来るだろうか。
 

帰路につく

 そんなこんなでわずか6時間ほどの下地島空港滞在時間は過ぎ去り、羽田への帰路につく。帰りのJL4904便は18:55に下地島空港を出発した。

沖縄料理のお弁当 夜間飛行の機内

機窓から眺める日没Nikon Z 5, NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(24mm), f4.0, 1/640, ISO100
 JA703Jは下地島空港をRWY17から南に向けて離陸すると、翼を振って下地島に別れの挨拶をしたのち、ぐるっと北東に向けて旋回した(後編動画参照)。その際には下地島の空港周辺に広がるパッチワークのような畑と珊瑚礁の海岸線の美しい景色を機窓から眺めることができた。

 そして雲の上に抜けると、この日一日地上ではその姿を拝むことが出来なかった太陽が真っ赤になって沈んでいく様子が見られた。過去に見た機窓の景色の中でも3本の指に入る美しい景色だったと思う。

 下地島では機内食のケータリング補給ができないため、搭乗前に夕食のお弁当を手渡された。沖縄料理尽くしのそのお弁当はとても美味しかった。
  
 国内線だと沖縄路線くらいでしか実感しないが、行きと帰りではジェット気流の関係で対地速度に大きな違いがあるので、飛行時間が1時間くらい変わる。なので、帰りは特にあっという間に羽田に到着した。
 

さようならJAL B777-200ER

 ということで長々と駄文を書いてきたが、Youtube動画では表現しきれなかったこのチャーターフライトに関する記録と感想は以上だ。

往路JL4901の飛行経路 復路JL4904の飛行経路

 最後にFlightradar24から往路JL3977(JL4901)便と復路JL4904便の飛行経路のスクリーンショットを貼っておく。気のせいかもしれないが、行きは羽田から紀伊半島南端に出るまで、わざと(地上が見やすくなるように)低い高度を飛んでいたような気がしなくもない。
 

羽田に戻ってきたJA703JApple iPhone 13 Pro Max(広角カメラ 26mm相当), f1.5, 1/15sec, ISO640
 フライト自体はほぼ定刻でトラブルもなく順調だった。当たり前というか特筆するべきことではないが、やはりもう長年の運航実績があるB777はなにもかもが安定していて頼りになる。冒頭にも書いた通り「B777はもう飽きた」と思っていたことを反省するばかりだ。

 JALからはすでにB777-200とB777-300が退役済みで、今回で-200ERが退役する。この連休期間中、繁忙期対応でJA703Jだけは羽田-新千歳と羽田-那覇に飛んでいたが、それも今日(5月7日)の運航で最後になるはずだ。 これから先の予定はまだ決まっていない。

 5月16日にはJA701Jがアメリカへのフェリー(回送)される際にチャーター便として運航されることになっていて、それがJALのB777-200ERがお客さんを乗せて飛ぶ最後の運航となるのだろう。JA702Jはすでに3月末の石垣便を最後に飛行しておらず、JA701Jと前後してやはりアメリカのビクタービルへフェリーされると思われる。

 そして今回の下地島チャーターで使用されたJA703Jは、夏頃までには営業運航を終えて売却整備が行われ(要確認)他の2機を追って早晩アメリカへフェリーされるに違いない。「売却」とされているが、恐らく現役の飛行機として使われるのではなく部品取りとしての売却と思われる。

 いや、まだ分からない。2020年にB777-200ERとしては早々に退役してビクタービルでストアされていた元JA704Jが、2年以上経過した昨年12月になってNASAに引き取られることが決まり、実際にふたたび空を飛んでいる。世界的に航空需要が復活してきていることもあるし、そういう未来があるかもしれない。

 B777シリーズ自体はまだANAでは国内線にも国際線にも飛んでいるし、JALも-300ERがまだしばらくは国際線で飛びつづけるはずだ(しかしA350-1000への置き換えがすでに決まっている)。海外エアラインまで広げればさらに現役機として活躍中で、そうそうすぐに姿を消すとは思えないが、B747の例もあるのでどうなるかは分からない。飛行機ファン、特に「乗り派」としては乗れるうちに乗っておいた方がいいいだろう。そういう意味で今回はとても良い経験となった。

 さようなら&ありがとう、B777-246ER!
 

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