雲ひとつない快晴だったので東京ゲートブリッジと富士山の日没を撮りに行く

2020-11-04

 先週の土曜日はここ最近では特別なくらいに天気が良かった。朝からずっと快晴の予報で文字通り雲ひとつない穏やかな秋晴れ。空気もひんやりしていて絶好の行楽日和、紅葉狩り日和だった。が、そうなると東京近郊の紅葉の名所は大渋滞、大混雑する。実際、道路情報を見てみると高速道路はどこも早朝から真っ赤に染まっていた。特に中央道はひどい。

 そんな状態では遠出する気にもならず、かと言って家にこもっているのも勿体ないと思い、近場の絶景ポイントへ出かけることにした。さすがに都内では紅葉にはまだ早いからそれは諦めるとして… ふと思いついたのは若洲海浜公園だ。時期的に東京ゲートブリッジから富士山方面に日が沈む季節なのではないかと。位置はズレていたとしても、富士山の夕景が拝めるだけでも十分だろう。

東京ゲートブリッジ歩道よりPENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f5.6, 1/1250sec, ISO100, -1.0EV
 その前に、日没まではまだ時間があるので、久しぶりにゲートブリッジの遊歩道に上がってみた。今はまだ対岸の中央防波堤に降りられないので、海を渡る歩道としては機能していない。ただの遊歩道だ。
 

東京ゲートブリッジから都心を一望PENTAX K-1 II SE, HD D FA24-70mmF2.8 ED SDM WR(50mm), f5.6, 1/320sec, ISO100, -0.7EV
 しかしここからは東京港を挟んで東京沿岸部を一望することが出来る展望台として機能している。かなり遠いのだが他では見られない景色だ。夜景とかさぞかし綺麗だろうと思うが、日暮れには入り口は閉じられるので、夜景を眺めたり撮ったりすることは出来ない。
 
東京ゲートブリッジから東京スカイツリーPENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(160mm), f7.1, 1/1250sec, ISO100, -1.0EV
 われらが東京スカイツリーもよく見える。こうして見るといかに周囲から浮いた、飛び抜けて高い建造物であるかが分かる。

 さて、そろそろ日没1時間前なのでしたに降りてスタンバイすることにしよう。
 

日没前の東京ゲートブリッジと東京湾PENTAX K-1改, HD D FA24-70mmF2.8 ED SDM WR(29mm), f8.0, 1/1250sec, ISO100, -1.0EV
 時刻は午後4時15分過ぎ。ちょっと思っていたより日没は早いようだ。というか、勝負は日没の前10分くらいであることを忘れていた。東京ゲートブリッジと富士山の位置関係がベストになるのは、若洲海浜公園西岸の南端付近だ。岩場は釣り人がびっしり並んでいるが、端っこの一角は三脚を立てたカメラマン達が並んでいる。

 しまった、出遅れたか!?と思ったが、なんとか隙間を見つけた。場合によってはギスギスすることもある同業者達の場所取りだが、この日はとても和気藹々としていて、みんな譲り合っていたので助かった。柵を乗り越えたり、必要以上のスペースを占有したり、タバコを吹かしたりというような、マナーの悪い人もいなかった。
 

東京ゲートブリッジと夕陽と富士山PENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(123mm), f11, 1/400sec, ISO100, -1.0EV 
 さて、見る見るうちに日は沈んでいく。ダイヤモンド富士になるのは10月末。すでに季節は過ぎ、この日は富士山の少し南側に沈んでいくはずだ。ただ、この秋になってまともに富士山が見えた日は少なかっただろう。特にこの日は最もコンディションが良かったと思われる。
 

東京ゲートブリッジと真っ赤な夕陽と富士山PENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f8.0, 1/320sec, ISO100, -1.0EV
 そして日没を迎える。東京でも楕円に歪んだ大きな夕日を見ることができる。そして地平線(というか山の稜線)に沈んでいくところが見られる。

 とりあえず望遠ズームを使ったが、いつも画角をどうするべきか迷う。せっかくだから東京ゲートブリッジをもっと入れたいと思う一方で、夕日と富士山に引きずられてテレ端にズームしてしまう。周囲はどうやって撮ってるか様子を覗うと、左の人はやはり70-200mmとおぼしき白い望遠レンズを使っていた。右の人は24-70mm一本だけで勝負していたようだ。なるほど!
  

日没直後の東京ゲートブリッジと富士山と飛行機PENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(88mm), f8.0, 1/200sec, ISO100, -0.7EV

 そうこうしているうちに太陽の姿はすっかり消えた。これからマジックアワーを迎える。日没後空の色はもっと綺麗になるかと思ったが、空気が澄みすぎているせいか、光を失いつつある夕焼け色は急激に濁りはじめる。そうか、そういうものか。
 

ライトアップされた東京ゲートブリッジと富士山<PENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(70mm), f4.0, 0.8sec, ISO200, -1.0EV
 東京ゲートブリッジのライトアップはわりとぼんやりしていて、暗くならないとその姿は浮き立ってこない。夕焼け色と富士山のシルエットが残ってるうちに… と思ってしばらく粘っていたがこの辺が限界だろうか。
 

浦安方面に昇始めた月PENTAX K-1 II SE, HD D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f2.8, 1/80sec, ISO800, -1.0EV

 なお反対側の東京ディズニーリゾート方面には満月が昇ってきた。この日の満月は10月2回目の満月でブルームーンとよばれるそうだ。別に色は青くはない。そして今年の中では最も小さく見える満月だったとか。地平線付近にあると十分大きく見えるのだが。
 

若洲海浜公園の岸壁に立ち並ぶカメラマン達PENTAX K-1改, HD D FA24-70mmF2.8 ED SDM WR(24mm), f2.8, 1/10sec, ISO800, -0.7EV

 さて、夜になってもやはり快晴は続いていたので、そのまま居残ってインターバル撮影をして星の軌跡の写真でも撮ろうかと思っていたのだが、なんだかここまでですっかり満足してしまった。東京とは言えやはり満月の影響もあるだろうし。

 ただ周囲の面々はほとんど誰一人帰ろうとしないのが気になった。何かこのあとあるんですか? と聞いておけば良かっただろうか? 対岸の中央防波堤で花火でも打ち上がってたりしてたら悔しい(たぶんないはず)。
 


 


 

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