来るPENTAX K-3 Mark IIIのために望遠ズームを買った。Kマウントの望遠ズームというとそれほど選択肢はないのだが、特に300mm以上をカバーするとなると、ゴロゴロ(HD DA560mmF5.6ED AW)を除けば HD DFA150-450mmF4.5-5.6ED DC AW一択となる。
しかし幸いなことにこのレンズはとても描写性能が良い。非常に重たいことの他にもいくつかの欠点はあるのだが、最新のK-3 Mark IIIとも色々な面で釣り合うレンズとなるだろう。
このレンズは以前に使っていたことがある。しかしPENTAX K-3 IIをNikon D500に入れ替えたときに手放してしまった。Kマウントで超望遠域はもう使わないと思ったから。しかし事情は再び大きく変わってしまった。自分にとってはPENTAX K-3 Mark IIIとともにどうしても必要な一本だ。
だから中古ではなく、気持ちも新たに新品で買い直した。なんか色々勿体ない気がするが仕方がない。こうして同じレンズを手放したり買い戻したりというのは別に初めてではない。
いまはまだK-3 Mark IIIは手元にないので、代わりにK-1 Mark IIに取り付けてみた。DFAなのでもちろんフルサイズでもクロップせずに使える。その場合はそのまんま150-450mmの望遠ズームとなるが、K-3 Mark IIIなどAPS-Cのカメラで使う場合は230-690mm相当の画角となり、超望遠ズームと言っても良い領域に入ってくる。
さらにPENTAX K-3 Mark IIIは26Mピクセルも画素数があるのでトリミング耐性も期待できるし、そもそも1.3倍クロップで撮影するモードもある。その場合は約15Mピクセルとなり、望遠端はほぼ900mm相当までいける。
2回目なので詳細はがっつり割愛するかわりに1本目を買ったときの記事を貼っておく。
鏡胴にはAFモードスイッチや、フォーカスリミッター、AFボタンとその機能設定スイッチなど、色々付いていて格好イイ。なおズームリングが前の個体より今回手に入れた個体のほうが軽くてスムーズになった気がする。もしかしたら最近調整を変えたのかも知れない。
ズーム回転角は微妙に大きいのだがニコンの200-500mmほどではない。重量もあってファインダー覗きながらグリグリとズームするのは難儀するので、画角は最初に決め打ちしておいてから撮る方が良い。
三脚座はDFA★70-200mmF2.8と同様にL字型のレバーが外れるタイプだ。少しでも軽量化になるなら外しておきたい気がするのだが、持ち運び時のグリップハンドルとして実は欠かせない。とにかく重たくてマウントに負荷がかかるレンズなので取り扱いには注意が必要だ。
羽田空港に試し撮りしてきた
さて、もうだいたいこのレンズの実力や使い勝手は知っているわけだが、K-3 Mark IIIがやってくる前に一応シェイクダウンというか、動作確認をしておかなくてはならない。ということで、K-1 Mark IIに取り付けてサクッと羽田空港へ出かけてきた。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(330mm), f8.0, 1/400sec, ISO100, 0EV
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(360mm), f5.6, 1/1250sec, ISO100, 0EV
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(410mm), f8.0, 1/500sec, ISO100, 0EV
よく晴れた日の午後ということで、東京湾側の第二ターミナル展望デッキへ行った。北風運用されておりC滑走路を都心方面に向けて離陸して行く、おなじみのシチュエーションだ。東京スカイツリーもよく見える。空気の揺らぎがひどくてメラメラだったけど。
しかし、なんというか身体がこのレンズを覚えているようで、この重さも含めてすんなり使えたという気がする。羽田を離陸する旅客機なので難易度はかなり低い。流し撮りをしたわけでもないし。でもちょうど良いリハビリになったと思う。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f8.0, 1/1000sec, ISO100, 0EV
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(250mm), f8.0, 1/500sec, ISO100, 0EV
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(150mm), f8.0, 1/320sec, ISO100, -0.7EV
どうしても飛んでいる(または動いている)飛行機ばかり狙いがちだが、羽田空港は駐機スポット周辺にもたくさん被写体がある。
最初にこのDFA150-450mmを手に入れたときは、解像感を見るために目の前に駐機している飛行機のコクピット付近をテレ端で撮って、ネジやリベットの写りをチェックするということをやっていた記憶がある。やはりF8.0が最高で開放のF5.6は少しふんわりする… はずなのだが、今回はそういうチェックまではやっていない。
でも光学性能は多分同じはずだ。F8.0でこれだけ写っていればなにも問題はない。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(450mm), f5.6, 1/500sec, ISO100, 0EV
展望デッキの真上をミサゴ(Osprey)らしき猛禽類の大きな鳥がゆったりと旋回していた。カメラをほぼ真上に向けて無理な姿勢で撮ったので、少しブレているかもしれないが、思い切りトリミングしてこんな感じだ。拡大すればアジのような太った魚をしっかり捕まえているのが分かる。
たっぷり光があってコントラストもあるおかげもあるが、非常にシャープでとても現代的な写り方だ。このソツと癖の無さは、同世代の望遠ズームであるDFA★70-200mmF2.8 よりもむしろ、DFA28-105mmに近いものを感じる。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA150-450mm F4.5-5.6ED DC AW(190mm), f5.6, 1/200sec, ISO100, -1.0EV
あまり風景などでは出番はないだろうが、逆光にもそこそこ強いし発色も良い。なんでこんな良いレンズなのに一度手放してしまったんだろうな、と改めて反省した。
と、過去のことを言っても仕方がないので前を見ることにしよう。とにかく、このレンズはK-1 Mark IIではなくK-3 Mark IIIで使うことをあてにしているのだ。月末になってK-3 Mark IIIがやってきたらまた本格的に持ち出して色々撮ってみたいと思う。