荒川河川敷から眺める夕暮れの東京スカイツリー

2022-12-20

 前回および前々回のエントリーでさんざん同じような写真を並べたわけだが、荒川河川敷で東京スカイツリーの夕景〜夜景を撮ってきた。12月の土曜日、朝から雲ひとつない快晴で穏やかな冬晴れの空を見て、久しぶりに出かけてみようと思い立った。

 「冬野」や「Grad ND」を試したのはほんのおまけで、寒いなか荒川河川敷まで出かけて日が暮れるまで三脚を立てて粘っていたのは、以下に貼る写真(特に後半)を撮ることが最終目的だった。

 東京スカイツリーの夕景を撮る前に少し河川敷を散歩してみよう。

東京スカイツリーとススキPENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(180mm), f2.8, 1/8000sec, ISO100
 荒川河川敷にはススキの原っぱが広がっていた。逆光でキラキラしていて綺麗だったのでシャッター切りまくったが、どうもイマイチで思ったように写っているものはほとんどなかった。東京は空の色が濁っているせいなのか何なのか?

 ↑これはピントが抜けたのではなくわざとだ。前ボケでススキと分かるくらいでちょうど良い。
 

川岸への通路PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(150mm), f4.0, 1/1250sec, ISO100
 河川敷の遊歩道からは川面は見えないし、水に触れることも出来ない。しかしこの通路をずっと進んでいくと川岸に出られる。そこにはほんの小さなスペースしかないのだが。その川岸に三脚立てようかと一瞬考えたが、逃げ場がなく人の目がないところは(治安的に)怖い。変な動物や虫が出てきそうな気もするし、ちょっと踏み誤ると川に落ちるかも知れない……などと、不吉なことばかり想像したら震えが来てさっさと引き返した。

 それでもファインダーに浮かび上がる絵はけっこう綺麗だ。周囲を埋め尽くすのはセイタカアワダチソウ的ななにか雑草だろう。フワフワの穂先状になっていて夏の毒々しい黄色よりは風情がある。
 

コセンダングサPENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f4.0, 1/1000sec, ISO100
 ひっつき虫のなかでもわりと凶悪なコセンダングサ。日没前の夕日に透けた逆光の景色は良い感じだ。遠くから眺めるだけにしておきたい。さもないとこんなことになってしまう。
 

荒川河川敷のゴールデンアワーPENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(115mm), f3.2, 1/500sec, ISO100
 間もなく日没を迎えようという時間帯。そろそろ三脚を立てる場所を探そうということで、土手の上に登ってきた。見下ろす河川敷は夕日を受けて金色に輝いている。荒川の河川敷は決して美しい風光明媚なところではなく、どちらかと言うとその逆だが、夕日の光はそういう一切合切を消し去り美しく仕上げてしまう力がある。
 

12月のカマキリPENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(200mm), f3.5, 1/500sec, ISO100
 土手の上の舗装された遊歩道状に小さな動く虫を発見した。何かと思って近寄って見てみればカマキリではないか。ゆっくりながら歩いていたのでまだそれなりに元気なようだ。

 しかしカマキリというのは冬にもいるものなのか?と疑問に思いググってみたら、やはり越冬は出来ないとのことで、通常は秋のうちに死んでしまうものらしい。どんなにおそくても12月中旬までだとか。この子も最近の温暖化と東京という都市の熱で12月まで生きながらえてきたのだろうか。
 

夕暮れの東京スカイツリーPENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(45mm), f3.5, 1/8sec, ISO100, Grad ND
 さて日没後しばらく時間が経って空の色が良い感じになってきた。東京スカイツリーのライトアップも始まっているが、まだ空が明るすぎる。
 

マジックアワーの東京スカイツリーPENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(55mm), f8.0, 5sec, ISO100, Grad ND
 これは前回のエントリーの末尾にも貼った写真なのだが、いい出来だと個人的に満足しているので再掲しておく。さらに時間が経過しいわゆるマジックアワーと言える感じだ。空の明るさも落ちてきてライトアップの灯りも目立ってきた。
 

ブルーアワーの東京スカイツリーPENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(70mm), f8.0, 30sec, ISO100, Grad ND
 さらにブルーアワーになる。というか、実際のところこれはホワイトバランスをいじって青を強調しているのだが。

 ちなみにここまでの東京スカイツリーを写した3枚はすべてGrad NDを使っている。地面に特に見せたいものがあるわけではないが、黒つぶれするよりは良いだろうと言うことで、うっすらセイタカアワダチソウの河川敷が見える程度に調整した。まぁ、この程度なら現像で持ち上げることも出来たかもしれないが。
 

荒川河川敷から東京スカイツリーの夜景(多重露光)PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(70mm), f2.8, 6sec, ISO100
 多重露光してわざと玉ボケを重ねてみる。流行っているブラックミスト効果とはちょっと違うけれども幻想的な雰囲気にはなる。ただ、このレンズは玉ボケの年輪が酷いレンズだった……
 

木根川橋と東京スカイツリーの夜景PENTAX K-1 II SE, HD DFA*70-200mmF2.8 ED DC AW(88mm), f5.6, 15sec, ISO100
 荒川にかかる木根川橋と東京スカイツリー。空もすっかり暗くなった頃、ライトアップはグリーンに切り替わった。これはクリスマス期間限定のもみの木をイメージしたライトアップらしい。
 

東四つ木避難橋と東京スカイツリーPENTAX K-1 II SE, HD DFA15-30mmF2.8ED SDM WR(18mm), f11, 15sec, ISO400
 東京スカイツリーのビュースポットとして有名な東四ツ木避難橋にやってきた。歩行者専用のトラス橋でちょうど真正面(正確には若干ズレている気がする)に東京スカイツリーを望むことが出来る。

 特にこの夜景はもうそうとうに消費されていてどこかで見たような写真にしかならないが、自分で撮ってみて納得し満足した。いや、レンズというか画角の選択が無限にあって、トラスとスカイツリーが被ってももう少し長いレンズで引いて撮った方が良かったかも? などと色々反省点は浮かんでくる。また気が向いたら出かけていきたいと思う。

 有名スポットなので先客がいるかと思ったらそんなことはなかった。河川敷に出るためだけの橋で夜は人通りもほぼないので、真ん中にカメラを据えても通行の邪魔にはならないと思うが、周囲の状況は気にした方が良い。
 

 今回の撮影ポイントはだいたいこの辺りだ。京成線の鉄橋から木根川橋、そして東四つ木避難橋あたりを移動した。一帯は視界が開けているのでどこからでも東京スカイツリーが見える。周囲の街の風景との絡みでベストポイントはどこなのか分からない。

 ちなみに今回貼った東京スカイツリー写真にはだいたい東京タワーも写っていたりする。
 


 

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