smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WRでチューリップに迫る

2022-04-18

 この時期あちこちで見かけるチューリップは、わりと適当にとってもかなり「映える」植物ではないかと思っている。比較的花が大きくて形もしっかりしているし、何より色も濃くて派手だ。みっしり群生していたりすると特に良い。

 見渡す限りのチューリップ畑みたいな名所にも一度行ってみたいが、近所の公園でもそれっぽいちょっとしたチューリップ畑が作られているので、今年はそこで我慢することにした。と言うより、思いついたら自転車に乗ってすぐ行ける気軽さがむしろ良い。

チューリップPENTAX K-1 II SE, D FA MACRO 100mmF2.8 WR, f5.6, 1/200sec, ISO100
 群れの中にあって1本だけ違う姿でキリッと咲いていた紫の尖ったチューリップ。

 持っていくレンズは中望遠と決めていたのだが、85mmにするか77mmにするか防湿庫の扉を開けてから考え込んでしまった。そんなときにDFA100mmマクロが目にとまった。そうだ、このレンズがあった! ということで久々に持ち出してみることにした。

 小さくて軽いし普通に中望遠レンズとして、普通の中望遠レンズとしてもとても使いやすい。AFすると「ギュイ〜ン!」となりやすいけど。
 

チューリップの水滴マクロPENTAX K-1 II SE, D FA MACRO 100mmF2.8 WR, f5.0, 1/125sec, ISO400
 でもマクロレンズだしせっかくなので寄ってみる。ちょうど前日に降った雨の名残が残っていた。水滴を湛えるチューリップもとても良い。

 マクロ域で生み出されるボケは量も圧倒的だし、独特の溶けていくような柔らかさとグラデーションがきれいだ。最近、ボケは大口径レンズばかりに頼っていたのでこれはちょっと新鮮味がある。
 

チューリップの雌しべPENTAX K-1 II SE, D FA MACRO 100mmF2.8 WR, f2.8, 1/200sec, ISO100

チューリップの雌しべと雄しべPENTAX K-1 II SE, D FA MACRO 100mmF2.8 WR, f3.5, 1/500sec, ISO100
 花の内側を覗き込み雌しべや雄しべに迫ってみる。虫の目になったかのようだ。ゾワゾワ来る一歩手前な感じで良い。

 なお今回もすべて手持ちで撮ったのだが、思ってたよりもちゃんとピントが来るな、と思った。いつもながらちょっと絞り開けすぎなのだけど。
 
 
縁がギザギザなチューリップの花びらPENTAX K-1 II SE, D FA MACRO 100mmF2.8 WR, f4.0, 1/320sec, ISO100
 花びらの縁がギザギザな品種。何がなんだか分からなくなってしまった。ファインダーの中ではもっと良い感じだと思ったのに。

 光学ファインダーは、たまに実際に写るものよりも美しく見えすぎることがあるのが欠点だと思う。
 

白いチューリップPENTAX K-1 II SE, D FA MACRO 100mmF2.8 WR, f2.8, 1/1000sec, ISO100

紫のチューリップPENTAX K-1 II SE, D FA MACRO 100mmF2.8 WR, f4.0, 1/200sec, ISO100
 マクロではなく普通の距離感で「引き」で撮るにも100mmあたりはちょうど良い画角だ。というか、一般的には「引き」ではなく「寄り」か。圧縮効果をかなりフルに使ってるし。
  

黄色いチューリップ ローアングルPENTAX K-1 II SE, HD FA31mmF1.8 Limited, f2.8, 1/1250sec, ISO100
 ということで、中望遠マクロをたっぷり楽しんだのだが、この日はもう1本、HD FA31mmF1.8 Limitedも持ってきた。100mmと31mmという組み合わせは結構アリではないかと思う。
 

風にそよぐチューリップ ローアングルPENTAX K-1 II SE, HD FA31mmF1.8 Limited, f2.8, 1/640sec, ISO100
 31mmはそれこそ本当の「引き」のためと思っていたが、結局はローアングルの煽りばかりで、これもどっちかというと「寄り」かもしれない。

 背景が青空じゃないけれども木漏れ日が玉ボケになるのも悪くない。こういうときにHD版の円形絞りが効いてくる。
 

チューリップ畑のフレームPENTAX K-1 II SE, HD FA31mmF1.8 Limited, f2.0, 1/500sec, ISO100
 チューリップ畑の端っこにこんなフレームがあった。ここから写真を撮れと言うことだろうか? 良くありがちなインスタ風じゃないところが奥ゆかしい。

 しかしフルサイズ機でフレームもチューリップもクッキリ深度に収めるにはどこまで絞る必要があるだろう? 最近のスマホもセンサー大きいから難しい気がする……とか考えてしまうのは写真クラスタの性だ。
 

K-1 Mark II SEとDFA100mmマクロ

 ということで、DFA MACRO 100mmF2.8 WRを久しぶりに外で使ってみたら楽しかった。

 ベースとなる光学設計はかなり古く、今どきのデジタル用レンズと比べると色収差が多くてフリンジが出やすいと言われるが、個人的にはあまり気にならない(今回は絵柄的に目立ってないだけかも)。むしろ、これ以上何が必要なのか?と思ってしまう。

 わずか8群9枚でこのサイズでこのレンズができるなら、アホみたいに巨大で重量級の最新設計レンズは本当に必要なものなのだろうか? と思ってしまう(DFA★レンズを触るとまた思うことがコロッと変わるのだが)
 


 

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