12月ももう中旬にさしかかり、季節は概ね冬というこの時期になって、そういえば今年は紅葉をちゃんと見ていないなと気がついた。ついこの前まで南国の青い海と珊瑚礁の世界にいたせいで、紅葉なんて遠い場所の出来事くらいに思っていた気分がまだ抜けきっていない。
でも異常に暑くて長い夏が終わり、ほとんどか無かったことにされているかのような、2023年の儚い秋をちゃんと記録しておかなくては!という謎の義務感に駆られ、良く晴れた先週末に近所のちょっとした紅葉の名所を見に行ってきた。
永年暮らしていると近所のどこにどんな紅葉する木があるかはだいたいつかんでいる。この公園の遊歩道沿いの並木では例年わりと遅い時期に真っ赤になるので、紅葉をするのを今か今かと楽しみにして11月初旬からチェックしし続けていると、だいたい飽きた頃に最盛期を迎える感じで、実はあまり写真を撮ったことがない。今回はちょうど良い感じだった。
都内というか都市部はどこもそうかもしれないがイチョウの木が多い。東京都のマークになっているくらいだし、銀杏のプチ名所はあちこちにある。
このイチョウの木は樹齢何百年みたいな古木ではないはずだが、それでもかなり巨大なやつもある。イチョウは10月頃に早々と黄色くなる木もあるのだが、やはり都内では11月末から12月が最盛期だろう。
真っ赤なハゼノキの紅葉と、イチョウの黄葉。ハゼノキの方は実は全体的にはすでに散ってほぼ終わっていたのだが、一部の枝だけ残っていた。
この季節の清澄庭園は一面の真っ赤な紅葉というのとは違って、作られた景観である庭園らしい奥ゆかしさだ。水鏡に移った冬の空が美しい。ちなみにこの写真には東京スカイツリーもちょこっと写っている。
清澄庭園の池にはさまざまな鳥たちがいる。冬鳥の姿も増えてきた。岩の上ではカワウとホシハジロが並んでいた。お互い気にしていないのか、日当たりの良い場所を取り合ってるのか? 水面にはイチョウの黄色が映っている。
涼亭では不定期営業の茶屋をやっていたので、休憩がてら抹茶をいただいた。おかげでこの日はカフェイン過剰となってしまったが、休日くらい良いだろう。なお一緒に出てきた練り切りはクリスマス仕様だそうだ。
清澄庭園の中にある知る人ぞ知る紅葉ポイント。この木はなんだかんだで毎年見に来て同じような写真を撮っている気がする。しかしこの木は紅葉する時期が少し早くてこの日はもうほとんど終わりかけだった。色が抜けて枯れかかっているがそれもまたよし。
木の真下から広角レンズで見上げる紅葉の風景は定番だ。それも木によって色々な色がある。緑も残る繊細な色のグラデーションも良いし、一面真っ赤に染まっているのも綺麗だ。26mmでは狭すぎるかも?と思っていたが案外何とかなるものだ。
清澄庭園のお隣の清澄公園にあるイチョウも最盛期だ。ちょうど良い感じに散っていて地面も黄色い。風が吹くとパラパラと葉っぱが落ちてきて、花吹雪ならぬイチョウ吹雪になっていた。
真っ黄色になったイチョウは人を引きつける力がある。さすがにこの時期の東京も暖かいというわけではないが、日中日差しがあればレジャーシートを敷いてゆっくりしたくなる気持ちも分かる。
ということで、近所をほんの数時間巡っただけになってしまったが、今年の紅葉見物はこれで終わりだ。またいずれ紅葉の季節はやってくるはずなので、来年はちゃんと気持ちの上の季節感を現実ときっちり合わせて楽しめたらと思う。