1ヶ月半ぶりに亀戸天神を訪れた。前回は「梅まつり」が開催されていたが、今はもう「藤まつり」になっている。梅は遅れたが藤の開花は予定通りか、少し早いくらいかも知れない。
さて、亀戸天神の藤を語るときはいつも「昔はもっとボリュームあったのに…」となるのだが、ここの木は老木が多く、枝や幹は半分死にかけているんじゃないかというような姿を見せていたりする。それでもちゃんと花を付けてあの独特の香りを漂わせるのだから、健気というか立派というか、文句言わずに楽しむのが江戸っ子としての作法だろう。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(57mm), f8.0, 1/160sec, ISO100
訪れたのは先週の日曜日、4月17日だ。見上げると一面紫色だが、実際のところまだ咲き始めで見頃は今週末と思われる。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(24mm), f13, 1/80sec, ISO100
赤い太鼓橋をバックに目の前まで垂れ下がっている房はまだこんな感じ。咲いているのは上から4割くらいと言ったところだろうか。でも藤の花は古くなると散るというより萎れてくる感じになるので、このくらい若くて元気なときも良い。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(150mm), f6.3, 1/250sec, ISO100
あしかがフラワーパークの大藤ほどではないけれども、中央の参道脇にはかなり長い花を付ける木もある。この辺が満開になると亀戸天神の一番の見頃ではないかと思う。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(37mm), f8.0, 1/320sec, ISO100
東京スカイツリーとのコラボも亀戸天神ではおなじみの景色だ。左手前の棚はもうほぼ満開と言っても良いくらいで、右奥の棚はまだまだこれからという状態のようにも見えるが、この木は状態を見るにもっとも痛みが激しいので、もしかしたらこれが精一杯なのかも知れない。
Nikon Z 5, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR(59mm), f6.0, 1/5000sec, ISO100
雲が多い天気で日が陰りがちなのに、ところどころに青空が覗いていて書き割りみたいでちょっと不思議な感じになった。淡い紫と淡い青空が良い感じだ。
Nikon Z5はPENTAX K-1 Mark IIと青空などかなり違った発色をするので、PENTAXで撮ったらどうなっただろう?という気もする。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(50mm), f2.8, 1/60sec, ISO3200
そして平日火曜日の夕暮れに再び見に行ってきた。亀戸天神の藤を夜に見るのは初めてだったりする。露天などは閉まっていて「まつり」感はないのだが、ちゃんと藤棚はライトアップされていた。
うん、やっぱり藤は夜景が似合うと思う。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(45mm), f4.0, 1/30sec, ISO3200
演色性の良いLED(言葉の意味はあってるだろうか?)に照らされた藤と、背景に暗くボケているのは亀戸天神に発つ巨大なクスノキ。実はこの記事の1枚目とほとんど同じ場所から同じ方向にカメラを向けて撮っている。
個人的には亀戸天神の藤としてはこの景色が一番好きだったりする。藤はもちろん良いけれど、それよりもこのクスノキがとにかく東京の下町にあるとは思えない巨木なのだ。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(48mm), f2.8, 1/40sec, ISO3200
参道の一つ目の太鼓橋はかなりの高さがあるので、てっぺんに登ると藤棚も見下ろすことができる。下から照らされた淡い色の藤の花が輝いていて幻想的だ。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA24-70mmF2.8ED SDM WR(53mm), f2.8, 1/100sec, ISO3200
もちろん東京スカイツリーと藤のコラボは夜景こそ狙い目だ。超格好イイ。
藤とスカイツリーが良い感じに見えるちょうど良いスポットには、カメラやスマホを構えた人たちがギュッと寄り集まってる。と言っても、密と言うほど混んではいないので気楽に撮れる。
PENTAX K-1 II SE, HD DFA21mmF2.4ED Limited DC WR, f2.8, 1/60sec, ISO3200
最後に、一応持っていった21mmを使ってみた。藤棚と超広角の相性はとても良い。あしかがフラワーパークほど大きくない亀戸天神の藤棚でも、そこそこ迫力が出る。
残念ながら藤が最盛期を迎えているはずの週末にかけては、東京の天気予報はあまり良くない。スカッと晴れて青空の下が無理ならば、いっそ夜の方がお勧めだと思う。
浮世絵にも描かれた由緒正しい亀戸天神の藤が見頃を迎えている -酔人日月抄外伝 2021/4/17