近所のカワセミポイントで今年も巣作りが始まったという噂を聞きつけたので見に行ってみた。
いた!手前が雄で奥が雌。求愛給餌は始まっていて、このペアはほぼ成立しているそうだ。背後の土の壁に穴を開けて巣作りが始まっている。
穴の奥に入っては土などを掘り出してくる。かなり深い穴が開いているようだがまだ完成していないらしい。この日は見ている限り雌の方がひっきりなしに穴に飛び込んで働いていた。
巣穴から飛びだしてくると、池の上の止まり木にとりあえず一度降り立つ。そしてまた巣穴に飛び込んでいく……という行動を繰り返している。
と思ったら、巣穴とは別方向に飛び去って行ってしまった。働いてお腹が空いたのだろうか? 働きもしないし餌も持ってこない雄に愛想を尽かしていないか心配だ。
ここからはまた別の日。巣作りはかなり進んでいるようだが、まだ卵は産んでいないらしい。
雄が餌を咥えて戻ってきてしきりに雌を呼んで鳴いているのだが、残念ながらこの時雌はお出かけ中だった。雄はその後仕方なく自分でこの魚を飲み込んでいた。雌がいたら給餌シーンが見られたのだろう。残念! やっぱりタイミングが悪い奴だ。
その代わり水浴びをする姿をみることができた。カワセミはこれまでにも何度か撮ってきたが、実は止まっている姿しか撮れたことがなくて、飛んでいる姿は初挑戦だ。
水浴びは同じ軌道を繰り返し行ったり来たりするので、コースや着水ポイントを予測しやすく初心者には撮りやすい。とても良い練習シーンになった。
漁ではないのだが癖なのか、嘴を少し開けて目蓋を閉じてジャボッと水に飛び込む。
水中にいるのはほんの一瞬。羽を広げてジャバジャバと水浴びしたと思ったら、ふたたび空中へと飛び立っていく。羽毛は防水仕様らしく空中に浮き上がった身体は特にびしょ濡れという感じではない。
この行動を20回くらい繰り返していた。
撮影データにあるとおり、被写体ブレおよび手ぶれ防止のためにシャッター速度を1/4000secに固定した。日中とは言えその分感度が上がるが、ノイズは後処理でなんとかなる。とにかくフレーム内にカワセミを捕らえて、あとはカメラのAF能力と連写能力にまかせ、シャッターボタンを押しきる…… という撮り方をした。
Z 8のブラックアウトもフリーズもないライブビューファインダーのおかげでなんとか追いかけ切れたと思う。次は漁のシーンを撮ってみたいが、少し難度が上がるだろう。でもなんとなくコツをつかんだ気がする。
ハイスピードフレームキャプチャも試してみたが、最終的にはノイズの後処理のことも考えると、RAWで残せる普通の高速連写20fpsが一番良さそうだ。ただし連写速度はあればあるだけヒット確率が上がると実感した。
なおZ663を買ってしまった。カワセミだけが目的ではない。それならZ100-400mmズームに1.4倍テレコンがあれば良いかな?と思っていたのだが、やはりマスターレンズで600mmというのは、望遠系を使う用途ではひとつの壁という気がする。Zマウントではコスパに優れる180-600mmが大人気だが、一方でZ663はコスパが非常に悪いレンズだ。でも軽量だし、単焦点であるという点にとても引かれる。
そんなあこがれのZ663を手に入れて、さっそくカワセミの飛び込みシーンが撮れてホクホクしている。やはり100-400mmでは見えなかったシーン、撮れなかった世界が600mmなら撮れるのではないか?と勘違いかもしれないと思いつつも期待している。