【F1日本GP 2019】嵐の前の静かな金曜日に行われた2回限りのフリー走行

2019-10-19

 いよいよ11日の金曜日からF1マシンの走行が始まった。台風19号の影響はまだ鈴鹿周辺には及んでおらず、風もなく雨も降らず、どんより曇っただけの穏やかなコンディションだった。

 今年もカメラマンチケットを買ったので、コース内各所写真撮影に適したいくつかのポイントに自由に出入りできる。実は写真を撮らず観戦に徹するにもこのチケットは素晴らしいものなのだ。

 午前中のFP1はヘアピンまで遠征してみた。レースじゃないから激しいバトルが見られるわけではないが、急減速と急加速は迫力があって、各車の仕上がり状況が素人目にも良く分かるポイントだ。

山本尚貴 / トロロッソNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (290mm), f13, 1/80sec, ISO100, 0EV
 午前中のFP1ではガスリーに代わり山本尚貴がトロロッソのマシンをドライブした。もちろんホンダの意向と無関係ではない。

 鈴鹿のコース自体はよく知っているにしても、F1を走らせるのは初めてだし、借りものマシンを壊しては絶対にいけない… という諸条件の中で考えると、そこそこのペースだったと思う。

 近い将来、日本人ドライバーが復活する日が来るだろうか? F1のシート獲得は異常に難しくなっている。スパーライセンスを獲得しフリー走行に出走するだけでも大変なことなのだ。
 

キミ・ライコネン / アルファロメオNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (370mm), f16, 1/60sec, ISO100, 0EV
 間もなく40歳になろうとするライコネンは、日本においてもいまだに圧倒的な人気を誇る。カーナンバー7がやってくると周囲のシャッター音は一段と高くなる。

 それにしてもアルファロメオのマシンのカラーリングは実物を見るととても美しい。この何とも言えない深みのある赤はフェラーリのそれとは全く違っている。
 

ダニエル・リカルド / ルノーNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (500mm), f10, 1/100sec, ISO100, 0EV
 ルノーはワークスチームながらも低予算で運営されているためか、中段争いから抜け出すことが出来ない。この鈴鹿ともあまり相性は良くないようだ。

 リカルドというトップドライバーを持ってしてもそれは変わらない。彼はレッドブルに留まらなかったことを後悔しているだろうか?
 

セバスチャン・ベッテル / フェラーリNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (500mm), f13, 1/100sec, ISO100, 0EV
 チラッと見えているヘルメットからするとベッテルのマシンと思われる。ヘアピンはバックショットも狙い目なのだが、撮るのがとても難しい。カメラにとっても縦方向の流し撮りは検知がしにくいようだ。

 ハイブリッドになる前のF1なら、ここでフル加速していく時のエキゾースト音は、全身が骨の奥まで揺さぶられるほどの迫力があったものだが、今は大したことないのがちょっと寂しい。
 

マックス・フェルスタッペン / レッドブルNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (390mm), f8.0, 1/80sec, ISO100, 0EV
 午後のFP2は場所を移動して、鈴鹿サーキット内では一番人気がある撮影ポイントと言っても過言ではない、逆バンク沿いDスタンドにやってきた。

 ホンダのホームレースで観客の期待を一身に背負っているのはフェルスタッペンだ。ここで勝利を揚げたらどんなに盛り上がるだろうと、期待がかかるが、最近の状況からするとちょっと難しい情勢だ。
 

セルジオ・ペレス / レーシングポイントNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (200mm), f8.0, 1/60sec, ISO100, 0EV
 ワイド端(といってもフルサイズ換算で300mm相当)で真横流し撮りに挑戦してみる。シャッター速度は1/60secまで落とした。

 やたらにシャッターを切った中で、ようやくバシッと決まったのはレーシングポイントのペレス。わりと地味なチームだがピンクベースのカラーリングはけっこう人気がある。このデザインのチームシャツのレプリカとかあったら売れると思うのだが、日本GPではほとんど売ってない。
 

ピエール・ガスリー / トロロッソNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (350mm), f5.6, 1/1000sec, ISO900, 0EV
 S字を抜けてきたトロロッソのガスリー。レッドブルがつや消しの微妙なカラーリングになった一方で、トロロッソのブルーは分かりやすくてとても美しい。曇り空の下でもとても映える色だと思う。

 背後には1コーナ手前に組まれた仮説のAスタンドが見えている。鈴鹿で仮設スタンドが設置されたのは久しぶりではないかと思う。しかも金曜日にしてこれだけお客さんが入っているのだから、ホンダ復活の効果は確実に出ているようだ。
 

シャルル・ルクレール / フェラーリNikon D500, AF-S 200-500mm F5.6E ED VR (390mm), f7.1, 1/80sec, ISO100, 0EV
 今年後半戦の注目株はフェラーリのルクレールだ。今季一番ポールポジションを取っているし、レースでも2勝も挙げている。今年のチャンピオンはほぼハミルトンで決まっているが、2位以下は彼次第で流動的だ。

 でもちょっと自信過剰で言動が横柄なのが気になる。いずれにしても、フェルスタッペン世代の新しいチャンピオン候補がたくさん出てくることはとても良いことだ。
 

 Dスタンドで撮影した動画を最後に貼っておく。iPhone 11 Pro Maxで撮ったものだ。天候はどんよりしているがなんとかFP2の最後まで前は降らずにすんだ。

 そして翌土曜日のセッションは全て中止となることが発表され、3回目のフリー走行はキャンセル、予選は日曜日の午前に順延されることになった。なんとか台風をやり過ごすことができれば、台風一過で快晴となる予報の日曜日は朝から忙しくなりそうだ。

関連記事