100名城巡りを相変わらず続けている。8月の末に神戸まで焼肉を食べに行ったついでに、岡山まで足を伸ばして城巡りをしてきた。岡山には是非再訪したいと思っていた素晴らしい城があるのだ。
と言うのは、典型的な山城で唯一天守が現存している「備中松山城」だ。岡山県の山間部、高梁市にある。実は備中松山城を訪れるのは2回目だ。前回は4年前だが当時は100名城スタンプを集め始める直前だったから、いずれ再訪する運命だったのだ。
PENTAX K-1改, HD D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR(43mm), f8.0, 1/400sec, ISO200, 0EV
小ぶりな二層の天守だが、山の上に建つその質素な姿はとても印象的で、特にこの角度の絵は一昨年の大河ドラマ「真田丸」オープニングでも使われていた。
城好きならあのわずかなシーンを見た瞬間に「備中松山城だ!」とすぐに分かったはずだ。もちろん自分もその一人だ。
PENTAX K-1改, HD D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR(24mm), f8.0, 1/60sec, ISO200, 0EV
山頂にある小さな現存天守もとても良いのだけど、個人的にはクタクタになりながら山を登り、鬱蒼とした森が途切れた先に突然姿を現す切り立った高石垣の姿が一番好きだ。
ここは大手門があったわけで、それを取り囲む高い石垣とその上にあったであろう櫓の数々を想像すれば、防御がいかに強固であったかが分かる。これぞ山城!という風景だ。
PENTAX K-1改, HD D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR(40mm), f8.0, 1/500sec, ISO200, 0EV
山頂部は少し広くなっていて、小さな本丸がある。現存建築物は天守本体とその裏にある小さな櫓、一部の壁だけで、その他は再現建築物だ。天守の中はもちろん見物することができる(本丸入場料は300円)。
100名城スタンプはこの本丸への入り口に設置されている。だから、スタンプを集めるにはどうしてもここまでは登ってこなくてはならないのだ。安易に麓の観光案内所や博物館に置いてないところが良い。
PENTAX K-1改, HD D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR(24mm), f2.8, 1/800sec, ISO200, 0EV
本丸には「さんじゅうろう」という名の猫城主がいる。昨年の豪雨の後に現れたノラ猫らしい。現在は備中松山城に住み着き、名前を付けられて名物の一つになってるようだ。とても人慣れしていて近づいて写真撮っても動じない。でもこんなところにいて暑くないだろうか?とちょっと心配になる。
ちなみに備中松山城には波瀾万丈の歴史がある。そこには忠臣蔵でおなじみの播州赤穂藩と大石内蔵助も関係しているし、天守が現存している経緯も含めて色々あるのだ。その辺は現地で確かめて欲しい。
PENTAX K-1改, HD D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR(24mm), f5.6, 1/800sec, ISO100, 0EV
そして、せっかく岡山の中部まで来たのだから、備中松山城だけじゃなくて津山城にも立ち寄った。ここは織田信長と縁の深い森家が建てた城だ。こちらも備中松山城に負けず劣らずいろいろな歴史がある。
PENTAX K-1改, HD D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR(55mm), f2.8, 1/2000sec, ISO200, 0EV
江戸時代初期に建造された5層の巨大な天守を含む櫓などほとんどの建造物は明治を迎えるまで残っていたが、廃城令によって跡形もなく全て解体されてしまった。だから石垣を除いて門の一つも何も残っていない。いったいなんと言うことをしてくれたのだろうと、明治政府と当時の津山の人達の不明を恨みたくなる。
PENTAX K-1改, HD D FA 24-70mm F2.8ED SDM WR(36mm), f5.6, 1/320sec, ISO200, 0EV
しかし石垣マニアにはこの津山城はなかなか評判がいいらしい。17世紀の技術で積まれた素朴な美しさと様々な工夫が見られ、そして規模もそこそこ大きい。このV字の階段は左腰に差した刀が邪魔にならないように、上りと下りの一方通行だったそうだ。なんか格好イイ。
by PENTAX K-1改
ということで、スタンプを二つ押してきた。そして現存天守12城の城カードも1枚ゲット。岡山県内にはあと二つも100名城があるが、それはまた来年にでも行ってこようと思う。
今悩んでいるのは続100名城をいつはじめるか?ということだ。本当は100名城が終わってからにしたいが、多分そうすると生きているうちに全部回るのは無理ではないかと思う。そう、100名城スタンプ集めは残りの人生について考えざるを得ない壮大な遊びなのだ。